祝祭の呪物再びと『マシューのゆめ』 | 絵本島 

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 実は今年もPARCOで「祝祭の呪物展」をやっておりまして、今年もまた見に行ってきました。

 そして、一番印象に残ったものだけを写真に撮ってきました。因みに観に行ったのは前半展示です。後半は観に行けてません。一番印象にに残ったもの… それは、去年と同じ、これです!


 悪縁を切るカエルさんです。一見呪物に見えませんが、効果が強すぎるぐらいなのだそうです。目の部分が本体かな?と思うのですが。


 もう一つありました。入ってすぐの展示です。魔物っぽさがインパクトでした。前足にも顔がついてますね。


 今週末までやっているのではないかと思います。今は後半の展示でチャーミーちゃんもいるはずですね!


 今日の絵本は


 

マシューのゆめ

レオ=レオニ 作

谷川俊太郎 訳

好学社


 久しぶりのレオ=レオニさん!谷川俊太郎さんの訳も鉄板です。


 マシューはホコリだらけの屋根裏に住む貧乏なネズミ一家の子ネズミです。お父さんとお母さんはマシューがお医者さんになってお金持ちになることを夢見ていますが、マシューは、「世界を見たいんだ」と言いました。


 そして、学校で見学に行った美術館で、マシューは、絵の魅力に取り憑かれます。

 でも、次の日目を覚ましてみると、そこはいつもの寒々しいガラクタに囲まれた屋根裏のかたすみ。副題に「えかきになったねずみのはなし」とあるけれど、マシューはどうやって絵描きになるのかな?


照れ照れ照れ照れ照れ照れ照れ照れ照れ

 ここで奇跡が起きます。マシューの目の前のものの形や色や感じが魅力的に変化するのです。

 見慣れた貧しい場所が、マシュー自身の感性によって、アートに変身した瞬間ですね。


「わかったよ!」かれはさけんだ。「いまわかった!ぼく、えかきになる!」

(『マシューのゆめ』より)


 それでマシューは、ひたすら絵を描いて絵描きになりました。


 レオニさんも絵描きです。美術館の場面では、肖像画、写実的な絵、印象派?から抽象画まで登場させ、マシューを通して絵の魅力も語られています。絵が好きな人にはここも面白い。

ウインクウインクウインクウインクウインクウインクウインクウインクウインクウインク


 カバーの折り返しにある谷川俊太郎さんの解説が素晴らしいので、後半部分を引用させてください。

「大切なのは知識ではなく想像力だということを、レオニは「ゆめ」という一語で示します。きたないとばかり思っていたものが、想像力によって美しいものに変わり得る、レオニはそこで抽象絵画の成り立ちについて語るとともに、人間の生き方を語っていると思います。」


良い一日を。良い週末を。