ジェームズ・タイラー・ケント博士による 

「ホメオパシーのマテリア・メディカに関する講義」(1911年）より和訳します。

ホメオパシーは、宇宙指数になる程、希釈し振盪した物質が、 

どのような症状を作り出すかを証明し、 

それを、その症状を持つ人に与えることで、体自身が情報を得て、

 自ずと治癒に向わせる、というメソッドの代替医療です。

マテリア・メディカでは、その症状の記録が書いてあります。

Oxalicum acidum　(オグザリックアシッド/シュウ酸）

（この写真はシュウ酸のイメージです。ほうれん草は、たくさんシュウ酸が含まれています）

このレメディはこれまでほとんど無視されてきた。
これは、漠然とし粗雑で証明されていないレメディで治療され、
結果が芳しくない心臓疾患の多くを改善するだろう。

心臓への激しい作用は、全身に悪影響を及ぼす。
震えたり、痙攣したり、感覚が無くなったり、
体や手足がしびれたりし、
下肢や手指や唇が青白くなる。

手足の麻痺は、このレメディがいかに激しく身体に作用し、
心臓や脊髄、脳に影響を及ぼしているかを示す症状である。
症状は労作や動作によって悪化する。
患者は冷たい空気に敏感である。
症状は発作的に現れる。
動悸は、声の消失と交互に起こる。

これほど激しい痛みを引き起こすレメディはない。
多くの部位に、切れるような、撃つような、縫われるような、
引き裂かれるような痛みがあり、
体中が疼いたり、打撲のように痛い。
額や胃、腹部、喉、尿道、手足に焼けるように痛みがあり、
頭皮に痛い箇所があり、触ると痛み、その他の部分も痛い。

体のあちこちにまだら模様がある。
苺やクランベリー、リンゴ、ルバーブ、トマト、葡萄のような
酸っぱい果物を食べると症状が出る。
また、砂糖やでんぷん質の食べ物を食べると症状が出る。
ワインやコーヒーは合わない。

症状、特に痛みは、それについて考えると現れたり、悪化したりする。
時には、大きな興奮と高揚感が起き、
記憶を喪失したり落胆したりし、狂気じみた行動が起き、会話を嫌う。

排便中に失神する。
脳の著しい充血と、体から頭への血液の急増が起き、
熱のほてりが上方に高まり、目眩がして視界が消える。

頭が空っぽに感じられ、頭や額や頭頂に鈍い痛みがあり、
脳が焼けるような感じがする。
部分的に頭痛が起き、小さな点状に圧迫痛があり、
耳の後ろの圧迫痛がある。
頭痛はワインを飲んだ後や、横になった後、

睡眠後や、起床時に悪化し、
排便後に改善する。

頭皮に、疼く敏感な部分がある。
読むときに文字がぼやけ、視界が消失し、
小さく、特に線状の物体が、大きく遠くに感じる。
目、特に左目が痛い。目がかすむ。
視力の喪失を伴う鼻出血。

顔は青白く、表情は落ち込み、顔は熱く、顔は冷や汗で覆われ、
下顎の角付近の硬直を伴う引っ張られるような痛みがあり、
最初は左顎で、次に右顎に痛みが現れる。

歯茎に潰瘍があり、歯茎から出血し、ところどころ痛い。
口の中が酸っぱい味がし、舌が痛く、赤く、乾燥し、
燃えるようで、腫れ、白い苔がある。
味がしない。口内にアフタができる。
ベトついた粘液が増え、常に咳払いをしなければならない。
朝、呑み込むのが痛い。
喉に痛みがあり、喉の痛みは慢性的にある。

食欲が増し、味覚が失われ、喉が渇く。

胃の痛みは、食後に改善する。
胃の差し込み痛はスープを飲むと改善する。
食後に、げっぷや吐き気、へその痛みや疝痛が起き、
腸がゴロゴロ鳴り、便意が起き、衰弱する。

砂糖で、胃の痛みが増し、ワインで、頭痛が悪化する。
コーヒーは、心臓に激しく作用し、下痢を引き起こす。
胸焼けは夕方に悪化し、食後に酸性の無味のおくびが出る。

吐き気と嘔吐があり、妊娠中の吐き気もある。
下痢の後に喉が渇いたり、疝痛が起き、
排便後に吐き気が起き、ふくらはぎが痙攣する。

夜間に下腹部に発作的な痛みが起き、放屁すると痛みが和らぐ。
胃と喉が焼けつくような痛みがある。
胃が極度に痛く、胃腸が炎症を起こし、食べると空腹感が和らぐ。

下腹部に痙攣痛がある。
下腹部に燃えるような痛みがある。
下腹部と肝臓に縫われるような痛みがある。

臍のあたりに激しい痛みがあり、
夕方から夜にかけて悪化したり、動きによって悪化したりする。

臍のあたりがヒリヒリ痛い。
下腹部の痛みは、その事を考えた時に起きり、悪化したりする。

結腸の脾弯曲部にガスが遮断され、左季肋部に痛みが生じる。
肝臓に刺すような痛みがあり、深呼吸すると楽になる。

下腹部に痙攣痛が起き、夜間に嘔吐を伴い悪化する。
動いたり、砂糖を摂取すると悪化する。

腸の慢性炎症。

腹部に極度の圧痛が起き、臍の周りの痙攣を伴う慢性の朝の下痢や、
しぶり腹で、横になるとまた排便の衝動が起きる。
コーヒーを飲むと下痢が起き、便は水っぽく、
粘液と血が混じり、排便が不随意に起きる。

排便時のしぶり腹で頭痛が起きる。
排便にしにくい便秘やいきみで、頭痛が起きる。

腎臓部が痛み、痛みを感じやすい。
頻尿で多量、尿にシュウ酸石灰が含まれる。
尿路全体が痛く、尿によって尿道が痛くなったり、

焼けつくような痛みがある。
排尿時に陰茎亀頭に痛みがある。
睡眠中に尿を失禁する。
排尿に関する症状は、どれについて考えても悪化する。

精索に引き裂かれるような痛みがあり、動くと痛みが悪化する。
精巣に著しい圧痛があり、歩くと痛くなる。
寝床に入ると、性欲が強くなり勃起する。
精液を排出すると、性力が弱る。
精索に沿って走るような痛みがある。

心臓の不調を伴う声の消失。
動悸と失声が交互に起こる。
喉頭が痛く、イガイガし、くすぐったく、

つかむような感じがする。
話す時に喉頭に粘液が出て、

その間いつも咳払いしなければならない。
喉頭に白い粘液がある。
ベトついた黄色や白い粘液を吐き出す。

心臓の不調では、非常に呼吸が困難になる。
虚弱で神経質な女性では、発作的な呼吸が起きる。
正常な呼吸の間隔を挟み、激しく速い呼吸になる。
狭心症では、急激な吸気と、突然の強制的な呼気が起きる。
喉頭の圧迫による呼吸困難は、非常に痛みを伴う。
その事について考えると、喘鳴と胸の圧迫感が悪化する。

ちょっとがんばっただけで、心臓からの咳が出る。
喉頭が窒息する感じがする。
冷たい外気中を歩くと、喉頭が痒くなる。

左肺や心臓、左季肋部に、鋭く走る痛みがある。
完全に休んでいるのに、呼吸ができない。
胸が痛い、胸の真ん中から背中にかけて痛みがある。
左側肺下部が鈍い。

胸骨の後部の刺すような引き裂かれるような痛みは、
肩や腕に向かい、左側の方が悪化する。
そして、爪や唇が青くなり、冷や汗が出て、下肢が麻痺する。
痙攣性呼吸が起きる（Latrodeatus mactans と比較）。

リウマチ患者においては、激しい動悸が起こり、
それについて考えると更に悪化する。
脈が不規則で、断続的で、速く、冷や汗が出て、

爪が青く、ひどく衰弱する。
これで、心内膜炎や心膜炎、弁不全など

多くの心臓病が改善している。
心臓が、速く不規則に鼓動する。

肩甲骨の下や肩の間の痛みは、腰のくびれにまで広がり、
胸に刺さるような痛みがあり、肩甲骨まで広がる。
背中と太ももにかけて激しく疼くような痛みがあり、
姿勢を変えると痛みが和らぐ。
痛みは一般的に動きによって悪化するが、この症状は例外だ。
腰のくびれのしびれるような痛みは、排便後に改善する。

しびれやチクチク感は、背骨の弱さを伴い、
冷たい感じにさせる。
脚腰の弱さが下肢にまで広がり、痛みが頭の後ろまで走る。
背中の下部に寒気があり、夕方になると熱が出て、

それが毎日起こる。

動きにより、背骨に多くの痛みが生じ、

背中の筋肉が強く引っ張られる。
脊髄の炎症による麻痺や、手足の硬直、

呼吸困難の発作がある。

肩から指先までしびれる。
腕に鋭い刺すような痛みがある。
右手首が捻挫したような感じがある。
右中手骨と右親指の肉質部分に、

燃えるような痛みとしびれを伴う痛みがある。
手がほとんど動かず、死んだように冷たい。
心臓の不調で手指と爪が青くなり、曲げた指の先端が痛む。

肩や腕、手指の筋肉が短攣縮する。
脚は硬直し、しびれ、力が入らない。
下肢は冷たく、青白く、麻痺する。
下肢に激しい痛みがある。
手足に灼熱感がある。
関節のリウマチがある。

恐ろしい夢を見て、動悸や冷や汗、手足の痛みで目が覚める。
日中は眠いが、夜は悲惨な睡眠。
放屁すると気分が良くなる。
胃の激しい痛みのため眠れない。
寒気がし、震えるような寒気で、体が冷たい。

ちょっと頑張っただけで熱くなり、一瞬熱が出て、
その後冷や汗が出る。
夕方になると寒気でブルブル震え、
その後、内部熱で外部は汗が出て、手は冷たい。
顔や手、足に冷や汗をかく。

Oxalicum acidum (オグザリックアシッド/シュウ酸）のマテリア・メディカ

Oxalicum acidum　(オグザリックアシッド/シュウ酸）のマテリア・メディカ