Sulphur (ソーファー/硫黄)①よりお読みください。

 

 

 

 

 

Sulphurの患者は、入浴によって悪化する。

お風呂に入るのを怖がる。

自分からは入浴しないし、

一般的にその状態からして、

彼は 「すごく洗っていない人 」に属する。

風呂に入ると必ず風邪をひく。

 

汚い顔、汚い肌の小さないたずらっ子で、

毎晩せん妄の発作を起こしたり、

頭痛に悩まされたり、

脳に悪い問題を抱えていたり、

水頭症の恐れがあったり、

髄膜炎にかかったことがあったりする子は、

Sulphurが必要である。

 

Sulphurは、

レメディーが十分な深さに達していないため、

症例全体に到達できなかった場合に、

体質的な状態を明らかにする。

 

乳児がきちんと成長しない場合や、骨が成長しない場合、

泉門の閉鎖が遅れている場合には、

Calcarea carbonicaがそのレメディーとなり、

そのような成長の遅い場合には、Sulphurは次に来る重要なものである。

 

Sulphurの患者は、それほど神経質ではないと思われがちだが、

興奮しやすく、音にすぐに驚き、大砲の音を聞いたか、「お化け」を見たかのように、

寝ていてもすぐに目が覚めてしまう。

 

Sulphurの患者は、睡眠時に多くの問題を抱えている。

夜前半は非常に眠く、午前3時まで眠ることもあるが、

それ以降は落ち着かない状態で眠っているか、

全く眠らないかのどちらかである。

昼の日光を恐れ、またベッドに入りたがり、

寝ると目が覚めず、朝方まで寝ていたくなる。

その時が最も良い休息であり、最も熟睡できる時である。

恐ろしい夢や悪夢に悩まされることも多い。

 

症状が一致すれば、Sulphurは丹毒の治療薬となる。

名前としての丹毒には、治療薬はないが、

患者が丹毒を患っていて、その症状がSulphurの症状と一致する場合は、

Sulphurで改善することができる。

 

この違いを頭に入れておけば、ホメオパシーの意味がわかると思う。

病気の名前ではなく、患者自身を治療するのだ。

 

Sulphurの患者は、有機組織を通じて、あちこちで血の波が押し寄せ、

頭が膨らみ、前述の瞬間的な熱に悩まされる。

熱性の症状が顕著であり、急性疾患に使用することができる。

 

これは、Aconiteの自然な補完関係の一つであり、

Aconiteが急性の悪化に適しており、

それを除去する場合、Sulphurが患者の体質に対応することが非常に多い。

 

Sulphurは、衰弱した体質や同化作用に欠陥のある、

非常に厄介な「瘰癧」の病訴に適している。

下肢に深く沈んだぼろぼろの潰瘍があり、

不定形の潰瘍、肉芽ができない潰瘍が起きる。

それらは、燃えるように痛く、滲み出てくるわずかな湿気で、周囲の部分が燃焼する。

出血しやすく、燃焼の多い静脈瘤の潰瘍によく使われる。

 

痛風の老齢者の症例において、Sulphurは有用なレメディーである。

これは深部に作用するレメディーであり、

その傾向は、中心から円周に向かって外に向かうため、

ほとんどの場合、これは痛風を四肢に留めるだろう。

 

LycopodiumやCalcareaと同様に、

有機的な変化があまり見られない老齢者の痛風の状態に、適切に投与すると、

関節や四肢に、リウマチ状態を維持するだろう。

 

SulphurはSiliceaと同様に、

重要な器官、特に肺の構造的疾患がある場合に与えると、危険な薬となる。

 

Sulphurは、症状によって示される場合、

古い瘻管を治癒し、古い膿瘍を正常な状態にして、

健康な膿が続くようにすることが多い。

症状が一致している場合は、非常に遅く、何もしていない膿瘍を開き、

硬く膿みかけている腺の炎症を抑える。

 

しかし、肺結核の進行した症例に投与するには、危険な薬であり、

投与する場合には、高いポテンシーで処方すべきではない。

非常に痛がる症状があり、Sulphurを投与しなければならないと思う場合は、

30ポテンシーか200ポテンシーがいいだろう。

 

症状からSulphurが示されているように見えても、

進行した段階で起こる寝汗を止めようとしてはいけない;

実際には、示されていないのだ。

いかなる場合でも危険なレメディーは、

たとえ症状が似ていても、示されていると考えてはいけない。

 

梅毒の老齢者の症例で、乾癬の状態が最も高い場合には、

Sulphurが必要になることがある。

梅毒の症状が強く出ている場合に、Sulphurが示されることはほとんどないが、

水銀によって症状が抑えられていて、病気が単に保留されているだけの場合、

Sulphurは水銀を解毒し、症状が進行して、元の状態が見られるようになる。

 

アロパシー(現代医学)による大きな被害は、

有機組織にあるもの全てを隠そうとしていることに起因する;

彼らは、人類におけるすべてを恥じているかのように振る舞う;

一方、ホメオパシーは、人類におけるすべてを明らかにし、

覆い隠している薬を解毒し、押さえつける病気を解放しようとする。

 

梅毒の発疹を見せたくない、軽率な行為の証拠を見せたくないという理由から、

ホメオパシーはそれを現そうとするため、

多くの患者がホメオパシーを受けようとしないのは事実である。

適切なホメオパシーの治療を受ければ、有機組織の状態が明らかになる。

Sulphurは、病訴を表面化させ、目に見えるようにする。

これは一般的な解毒剤である。

 

風邪による、或いは薬による発疹の抑制、

さらには硫黄による発疹の抑制にさえ、よく用いられる薬である。

これは、これまで説明してきたその事柄を発展させる素晴らしい薬であり、

したがって、発疹の抑制や薬物による抑制に有効なレメディーのリストには

必ずSulphurが含まれている。

 

急性の発疹が抑制されている場合でも、Sulphurは貴重なレメディーとなる。

抑制された淋病では、Sulphurはしばしば、排出を開始し、

消えてしまった状態を再構築するためのレメディーだ。

抑制された症状が戻らなければ、治療は不可能である。

 

Sulphurは、その歴史の始めから、

つまりハーネマンの時代からのレメディーであり、

処方すべき症状が少ない時、つまり乾癬による症状が潜在している場合に、

ハーネマンの推奨により、考慮されるものであった。

この状態では、非常に多くの恩恵を受けて与えられてきたので、

定番でそれを処方する医師は、その事実を学んできた。

 

一見(表面的には)よく示されたレメディーが患者を保持できず、

よりよいレメディーを探しても症状が見つからない場合、

Sulphurが有機組織を深く握り、

それらレメディーをよりよく作用させるのは事実である。

 

この事は経験からもよくわかる。

よく示されていると思われるレメディーを与えても、

それがその症例を掴んでいないことがあり、

次に最もよく示されているレメディーを与え、

さらに次のレメディーを与えても、同じ結果になることがある。

 

なぜなのかと思われるだろうが、

症例が明らかにSulphurを必要としていないにもかかわらず、

Sulphurを投与することで、

基礎的な症状(乾癬が基礎疾患であることが多い)に密接に適合し、

レメディーがよりよく作用することがわかる。

 

この事はハーネマンの時代から、

老齢者全員に確認されてきた観察結果である。

 

このようなことが必要になるのは、症状が乏しい場合に限られる。

多くの検討を経て、最善と思われる方法、

つまり、観察及び、あらゆる人種の体質の基礎となる条件を知った上で、

ある程度正当化できる方法に頼らなければならない。

 

症状の少ないこれらの症例の根底には、潜在的な状態があり、

それは乾癬、梅毒、淋病のいずれかであることがわかっている。

もし梅毒だとわかっていれば、

梅毒に似たレメディーの中から最高のものを選ぶだろう。

 

淋病であることがわかっていれば、

淋病のように見えるレメディーの部類のトップを選択する。

Sulphurは、根底にある乾癬に似たレメディーのリストの先頭にある。

従って、根底にある体質が乾癬であることが分かっていて、

それが隠された症例であれば、

Sulphurは潜在的な原因を開き、積極的な治癒には作用しないとしても、

症状をよりよく表すことは事実である。

そして、Sulphurが乾癬に対応するように、

Mercuriusは梅毒に対して、Thujaは淋病に対応する。

 

ペンシルバニア州の石炭地域では、

鉱山で働く人や鉱山の周辺に住む人々は、Sulphurを必要とすることが多い。

石炭は硫黄だけでできているわけではなく、

他にも多くの成分が含まれていることはわかっているが、

石炭を扱う人はSulphurを必要とすることが多い。

カオリンや陶磁器の製造に使われる様々な製品を常に粉砕している人や、

石材関係の労働者は特にCalcareaとSiliceaを必要とするが、

炭鉱で働いている人はSulphurを必要とすることがよくある。

その患者はSulphurの患者のように見える;

彼らの外観はそのようで、たとえ症状が一部に限定され、

他のレメディを要求しても、そのレメディからよい作用が得られないが、 

Sulphurの一服で、どんどんよくなる。

 

それは、石炭に多くの硫黄が含まれているためだと信じている人もいる。

我々は、このような事を、できるだけ理論化しがちだが、

低いポテンシーを高いポテンシーで解毒する習慣には陥りたくない。

それは最終手段である。

 

レメディを示す症状がない時初めて、それを試してみる時であり、

正確な人は制限を設けるため、

そのような人によってなされた場合のみ、正当と認められる。

その人はレメディの与え方を知っている。

そのような人は、症状が語りかける限り、

それぞれの症例における症状によって導かれる。

 

炎症状態においては、炎症部分が紫色に見え、

静脈充血がSulphurにおいて見られる。
麻疹が紫色で現れると、Sulphurが要求されることが非常に多い。

Sulphuは、素晴らしい麻疹のレメディの一つである。

 

お決まり通り処方する人は、

この疾患ではPulsatillaやSulphurでかなりうまく行き、

AconiteとEuphrasiaを必要とする時もある。

特に皮膚が浅黒く、麻疹が出ない場合は、Sulphurがその症例を修正するだろう。

この紫色は、丹毒や喉の痛み、前腕、脚、顔など、そこら中に見られるだろう。

 

予防接種で酷くなった場合は、Sulphurで治る事がよくある。

これに関してはThujaやMalandrinumと競い合う。

 

精神面は、

その人の真実が外に出て、本当の内面の性質を前面に表すもので、

Sulphur は、愛情の価値を低下させ、顕著な自分勝手な状態へと駆り立てる。

他の人の望みや要求を考慮にいれず、自分のことだけ考える。

考えるのは全て、自分の利益の事だけである。

この自己中心さがSulphurの患者を貫く。

感謝の気持ちが全くない。

 

哲学狂もまた、顕著な特徴である。

偏執狂で、変な抽象的な事や、オカルト的な事、知識を超える物にはまる;

形のない様々な事を研究する;変わった特別な事に思いふける。

 

Sulphurは、第一原因として一つの事物を他の事物へと連続的にたどっていく現象を治している。

原因は何なのかと、あれこれ考え込んでばかりおり、

最終的に物事を神学へ起し、そして「誰が神を創ったのか」と尋ねていた

患者を改善させている。

 

ある女性は部屋の隅に座って、ピンの数を数え、

「誰が神を創ったのか」とという解決不能な問題に思いを馳せていた。

 

ある女性は、手工芸品を見ると、必ず誰が作ったかを聞かずにはいられなかった。

その創作者を探し出すまで、決して満足せず、

そして、その人の父親は誰なのかも知りたがった;

患者は座って、あの人は誰なんだろう、アイルランド人なのだろうか、

など思いを巡らせていた。

 

それがSulphurの特徴である。

それを見つける希望も全くなく、答えを得る可能性も全くない類の理論である。

それは、基盤があり、追求でき、連続した理論があり、真実に関する理論がある哲学ではなく、

基盤のない擦り切れた、狂信的な哲学である。

 

Sulphurは、整然としたやり方に従う事を嫌い、

現実的な仕事を嫌い、系統だった業務を嫌う。 

Sulphurの患者は、いわゆる発明の天才である。

頭にアイデアが浮かんだら、それを除外できない。

偶然何かになるまで、それを追いかけ、そのようにして発明することが多い。
Sulphurの患者は、このようである。

この人は、大抵無知で、自分は偉大な人物だと想像する:

彼は、教育を見下し、文士やその業績を軽蔑し、自分は教育を超越している事を、

どうして皆わかってくれないのだろうか、と不思議に思う。

 

また、この患者は、宗教的に落ち込んでおり、

理性をわきまえた宗教について考えず、

自分自身について馬鹿げた考えについて、考え込む。

患者は絶え間なく祈り続け、いつも自分の部屋に閉じこもり、

希望もなく、うめく。

自分は、恩恵を受けられる日を、自分の罪で逃してしまったと思っている。

 

Sulphurが必要な患者は、思考が鈍く混乱している状態であることが多く、

思考を集めることができず、集中力が欠けている。

座って一つのことをずっと考え込み、何かに気を集中させようとしている。

朝起きると、思考が鈍く、頭が充満し、目眩がする。

外気中で、目眩がする。

外気中で、頭が一杯で鈍く、鼻風邪をひき、そのため気が混乱する。

 

テキストには、広範囲に渡って使用されてきた、このような表現がある。

 

「馬鹿げた喜びとプライド;

 自分は美しい物を持っている、と思っている;

 ボロ布さえ美しく見える」

 

狂った人や、ある考えを除いては狂っていない人に、そのような状態がある。

 

Sulphurの患者は仕事を嫌う。

座って何もせず、奥さんに洗濯させ、自分の世話をさせるため

「働かせて、妻の爪を剥ぎおとす」;

そして、それが妻にとっていいと思っている。

 

Sulphurの患者は、その人から品がある状態がなくなってしまったように見える。

Sulphurは、潔癖な物全てに対して、真反対である。 

Arsenicumは典型的潔癖症であり、この2つのレメディは、極端に相反している。

Arsenicumは、自分の服は素敵で清潔で、全てハンガーにきちんとかけてあり、

絵は全部壁にきちんとかけてあり、全部素敵できれいにしておきたい; 

そのため、Arsenicumの患者は、その素敵さと潔癖さ、清潔さのため、

「黄金の握りが付いた杖」と呼ばれて来た。

その全て真反対なのが、Sulphurの患者である。

 

「仕事も、楽しみも、話す事も、動く事も、何もかもが嫌;心身共に怠惰」
「生きる事に飽き飽きし、死を切望する」
「気だる過ぎて、起き上がれず、不幸せすぎて、生きられない」
「シャワーを酷く恐れる(子供)」

 

そう、シャワーを浴びるとなると、その子は大泣きするだろう。

Sulphurの患者は、水を恐れ、入浴すると風邪をひく。

関係についてだが、Lycopodiumの直前にSulphurを与えてはいけない。

Sulphur、Calcarea、Lycopodiumという順番で回るグループに属している。

 

SulphurはLycopodiumの後だと、うまく行く。

SulphurとArsenicumもまた関係がある。 

しばらくの間、Sulphurで症例を扱い、その後しばらくの間Arsenicumが必要で、

それからSulphurに戻る事が非常に頻繁にある。

Sulphurは、ほとんどの急性のレメディの後にうまく続く。

 

Sulphurの患者は、目眩を伴う問題がかなりある。

外気中に出たり、長い間立っていると、目眩が起きる。

朝起きがけに、頭が鈍く、立ち上がると目眩がする。

 

鈍い感じがして疲れ、寝ても休まらず

「目が回る」

バランスをとるのにしばらく時間がかかる。

睡眠後、集中するのに時間がかかる。

ここに、眠りからの悪化rや、立つ事からの悪化が見られる。

 

頭は、多くの症状を備えている。

 

Sulphurの患者は、周期的にむかつくような頭痛が起きやすい;

鬱血性の頭痛、吐き気や嘔吐を伴い、

昏睡状態を伴う大きな鬱血の感覚。

週に1回または2週間に1回、ひどい頭痛が起こり、

特徴的な、7日間の悪化が見られる。

 

働いている男性において、日曜日に来る頭痛のほとんどは、Sulphurで治る。

これはわかる。

日曜日は唯一仕事をしない日で、朝は遅くまで寝ていて、

頭全体を含む頭痛と共に起き、ダルさと鬱血を伴う。

多忙さと活動のため、平日は頭痛が起こらない。

 

また、7~10日ごとに周期的な頭痛があり、吐き気や胆汁の嘔吐を伴う人もいる。

また、2~3日続く頭痛がある;

うっ血性の頭痛。嘔吐を伴わない吐き気を伴う頭痛や、胆汁の嘔吐を伴う頭痛がある。

頭痛は前かがみになると悪化するが、一般的には暖かい部屋で改善する;

光で悪化するため、目を閉じて暗い部屋に入りたがる;

振動で悪化し、食後に悪化する。

 

頭全体が敏感で、目が赤くなり、しばしば涙が出て、吐き気や嘔吐を伴う。

頭頂内部のひどい熱に常に悩まされている人で、時々起きる頭痛がある。

頭の頂が熱くて、燃えるようなので、冷湿布を頭頂に当てたがる。

このような熱が伴う頭痛は、冷やすと改善することが多いが、

それ以外では、暖かい部屋で頭は楽になる。

 

頭がぼーっとして、時々考えられなくなる。

動く度に悪化し、飲食後に悪化し、冷たい飲み物を胃に入れると悪化し、

温かい飲み物を飲むと良くなる。

頭痛がある時は、顔が腫れあがる;真っ赤な顔になる。

赤ら顔で、汚れた顔、或いは浅黒い顔、顔の静脈うっ滞のある人における頭痛;

目が充血し、皮膚が充血している;顔が膨れて静脈が見える。

 

Sulphurは、朝、頭痛やめまい、赤ら顔で起きる人に有効だ;

朝、顔が赤くと非常に浮腫んでおり、目が赤いので、

その日中のいつか頭痛が起こるとわかっている、と言う人に有効だ。

 

頭痛が起こる前に、目の前がチカチカしたり、色がチラチラしたりする。

きらめき、星、ノコギリの歯、ジグザグなどが見えるのは、頭痛の前兆である。

私が知っているSulphurの頭痛の中には、目の前に奇妙な外観を呈するものがあった;

斜めに配置された菱形の図形で、

上側に鋸歯があり、体は斑点で埋め尽くされている。

 

この図形は、見るものの片側に見えることもあれば、

反対側に見えることもあるが、

両目で同時に同じようにはっきりと見える。

 

このノコギリの歯は光の点滅で、

図形の基盤は、虹色全色になるまで、どんどん暗くなっていく。

胃が不調だと、必ずこのような特異なビジョンが見える。

朝食後に来ることもあれば、昼食後に来ることもある。

また、夕方空腹時にも現れ、食べるのが遅くなる。

これらのジグザグ形は、胃の中の空腹感と一緒に来ることが非常に多い。

 

Natrum muriaticumとPsorinumのどちらも同様に、

頭痛前に、ジグザグや点滅の形が現れる、という状態がある。

それらは頭痛を予告するものである。

これらのジグザグ、点滅、火花、星、不規則な形が周期的に目の前に現れ、

1時間ほど続くこともある。

頭の中では多くのズキズキした痛みが起きる。

朝の頭痛、正午の頭痛。

また、前述のように夕食後に始まる頭痛が夜まで続き、睡眠の妨げになる。

 

頭皮。外側の頭には何とも言えない痒みがある;

継続する痒みがあり、ベッドで温まると痒くなる。

寝床の暖かさで悪化するが、寒さでも悪化する。 

かゆみを伴う発疹;痒みを伴う発疹、鱗状の湿った発疹、乾燥した発疹;

小水疱、吹き出物、膿疱、腫れ物;

一般的に頭皮に発疹が見られる。

髪の毛に多くのフケがあり、髪の毛が抜ける。 

泉門の閉鎖が遅い。

 

「頭頂部に湿気を帯びた不快な発疹ができ、膿で一杯で、

 蜂蜜のようなかさぶたになって乾く。頭部白癬。」

 

「湿気を帯びた不快な発疹は、厚い膿と黄色いカサブタを伴い、

 出血と火傷を伴う。」

 

髪の毛が乾燥して抜け落ちる、など。

 

昔は瘰癧と呼ばれていたが、現在では乾癬と認識されているような症状が多い。

あらゆる 「風邪」が目に定着する傾向がある。

目からの粘液や膿が出る。

まぶたの潰瘍や肥厚、まぶたの外側や内側への巻き込み、まつ毛の抜け;

赤く動揺した状態。

 

「Sulphurの患者の目の不調」と言えば、

あらゆる種類の目の病訴を網羅していることになる。

 

Sulphurは広範囲の目の症状がある。

目の症状、顔や頭皮の発疹を伴い、皮膚のかゆみを伴い、特に寝床で温まるとそれが起きる。

洗うことで悪化するカタル性の眼症状。

 

入浴によって目の症状が悪化するだけでなく、

患者自身が入浴によって悪化し、入浴自体を嫌がり、

寝床の暖かさで悪化する痒みがあり、

慢性的な病的な頭痛があり、頭頂に熱を持っている場合、

このような症状が併発していると、目の症状はどうあっても、

Sulphurで治すことができる。

 

Sulphur.は、白内障や虹彩炎、炎症性疾患や不透明感、

そして下記のあらゆる症状を治している。

 

「視覚の幻覚」(頭痛と共に起きる)
「目の前がチカチカする」(上記説明)
「小さな黒い斑点;暗い点や斑点;

 黒いハエが目から遠くないところに浮かんでいるように見える;

 ガスの火やランプの光が、光輪に包まれているように見える」など。

 

目の前には、このような独特のイメージがたくさんあるが、

すべてSulphur の体質を持っている。

 

「目が燃えるように熱くなり、痛みを伴う痛みがある」

 

「風邪」は全て目に定着する。

つまり、目の症状がある場合はそれが増強され、

目の症状がない場合は、どんな「風邪」からも、この症状が起きる。

 

耳はカタルに悩まされる。

 

カタル状態がSulphurの非常に強い特徴であることは、一般的な症状で学んだ。

体のどの粘膜も逃れることができず、すべてカタル性の分泌物があり、

大量の、時には膿性の、時には血性の分泌物がある。

目や耳も例外ではない。

 

カタル状態は、耳が聞こえなくなるまで続く。

粘膜と鼓膜の肥厚。

聴覚が失われるまで、耳の中であらゆる種類の奇妙な音がする。

構造的な変化で耳が聞こえなくなってから、

たとえ耳が聞こえなくなった時の治療法がなくても、

患者を改善させることができるだろう。

 

耳が聞こえないのが治るかどうかを知りたい、という患者には、

絶対に言えない。

病訴の多くは中耳にあり、それを検査することができないので、

どの程度の構造的変化が起きているのかわからない。

患者が十分に治癒した場合には、それを確かめることができると言える。

構造的変化がそれほど大きくなければ、患者が治った後には消えてしまう。

 

内部の器官が破壊され、中耳が乾燥して、萎縮したカタルになった場合、

その中耳を回復させることはほとんど期待できない。

中耳は破壊され、感覚に必要な部分は萎縮してしまっているため、

もはや感覚は認識できない。

患者には、あなたを治す見込みがあるかどうかを話すしかない。

 

臓器を治すという考えを、頭の中に入れてはいけない。

その考えをできるだけ頭に入れないようにし、

臓器の病気を突き止めろと言われても、

患者自身が病気なのだから、何も言わないのがよい。

 

なるべく病気の患者のことを考えて、

病名や臓器の病理の状態のことは考えないようにしよう。

だから、患者に

「先生、私の耳を治してくれませんか」

と言われたら、

「まず、あなたが治ること。

 何よりも最も重要なことは、あなたを治すことです。」

と答えなさい。

 

患者を治すことで、その後、耳や聴力に何ができるかが見えてくる。

このようにして、あなたの心を適切な形に保ち、

あなたと患者との関係を正しく保つことができるのだ。

もしあなたがずっと耳の話をしていたら、

患者は自分の耳のことで、自分の人生自体の事を心配するだろう。

 

「いつになったら耳に何かしてくれるのですか。

 いつになったら耳が聞こえるようになるのですか。」

 

まず、患者全体を治療するという理解から始めよう。

まず、患者のことを思い、それを理解しよう。

ホメオパシーの専門家がいないので、

耳の疾患のために患者が専門医に行くという考えはやめたほうがいい。

 

治療すべきは体全体の病である。

患者自身の体質から切り離して考えられる、耳の問題というものはない。

Sulphurは

「特に食事や鼻をかむ時、頻繁に耳が詰まる」

「耳の中で音がする」

という症状がある。

 

様々な種類の炎症。

Sulphurの患者では、耳からの分泌物がある。

 

私はSulphurが耳のレメディであるとは言っていない。

局所的な症状ではレメディーにたどり着けなかったのに、

患者に合わせてレメディーを選択すれば、

こうした「局部の疾患」の患者を改善させることが多い。

 

Sulphurを耳だけとか、子宮脱だけで考えず、

患者はSulphurを必要としている、と考える。

Sulphurを与えると、患者の体質が整い、臓器が秩序あるものになるのを見て、

驚くことだろう。

 

体のあちこちにある痛みに合わせて、医師が処方すると、失敗することがある。

医者は、患者の痛みに似たある種の痛みを見つけるために、徹底的に治療薬を探す。

些細な痛みを気にすることなく、患者自身を治療すべきである。

 

したければそのままにして、その患者のためのレメディーを手に入れるのだ。

その痛みがレメディーに含まれていればよいが、そうでない場合も気にしてはならない。

小さな症状を気にしてはいけない。

患者を治療する上で、最も重要なキーノートさえ、省いてしまうかもしれないのだ。

 

時には、その痛みだけが患者さんの治したい症状であることもあるが、

それが古い症状であれば、最後に治るのはその痛みだ。

このような状況では、患者はその痛みがいつ治るのかを知りたくて、

その人生を悩ませることになるが、

もし、あなたにその問題についての知識があれば、

最初にその痛みが和らがることは期待しないだろう。

 

患者さんを抱きしめるために、こう言わなければならない時がある。

「その症状が先に治らず、とるに足らない、このような小さな症状が先に治る。」

と。

 

その患者を、その人の生涯に渡って保持することができるのは、

あなたが真実を語ったからであり、

あなたが知っていることを、その人に示したからに他ならない。

そのような仕事は、正直に獲得した仕事である。

 

Sulphur (ソーファー/硫黄)③に続く