https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43315040U9A400C1CR0000/
認知症や知的障害などで判断力が不十分な人を支援する成年後見制度で、利用者の相談窓口となり家庭裁判所など関係機関同士の調整役を担う「中核機関」を設置している市区町村が4.5%にとどまることが、厚生労働省の調査で分かった。80%近くは設置時期を「未定」と回答し、多くの自治体が予算確保の困難さを理由に挙げた。
中核機関は、政府が2017年に定めた成年後見の利用促進計画で17~21年度にかけて市区町村が設置する想定になっている。社会福祉協議会やNPO法人などに委託することも可能だ。利用者や親族の相談に乗るほか、後見人を選任する家裁に候補者を推薦したり、後見人となる弁護士ら専門職と連携したりして、利用促進の鍵を握る存在と位置付けられている。
(4月4日日経新聞から一部引用)
いわゆる成年後見制度利用促進法が成立して以降,この「中核機関」というキーワードが方々で聞かれるようになっているのですが,なんだかお化けのようなもので,一体,どこが何をするのか今もってよく分からないというところです。最近私も弁護士会の後見関係の委員会のほうもさぼり気味なので議論についていけていないだけなのかもしれませんが。
後見等の申立てを行う前の段階で必要な書類や手続きの流れを教示したりすることは今でも多くの社協などで行っているはずなので(申立支援),新たに「中核機関」としての役割が期待されるとすれば,親族の後見人が増加すると見込まれる中で,その「支援」ということになるのかなと思っています。
その支援というのが,後見人が家裁に出す報告書関係のチェックを行ったりするようなことまで含まれるのか,「支援」を受けることを希望しないような後見人に対しても中核機関が積極的に「支援」(というよりこの場合は監督といってよいのかもしれませんが)に乗り出すということまで期待されているのか(多くの場合地域の社協が中核機関としての役割を担うことになりそうですが,マンパワーなどの問題もあり社協がパンクしないかということも懸念されます),一体中核機関が何をするところなのかのイメージが共有されていないように思います。
何をするところなのかよく分からないところになかなか予算は付けられないということなのではないかと思います。