https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42433230T10C19A3SHA000/

 

 

法務省が最高裁と連携し、ネット上で民事裁判ができるよう法改正を目指していることが分かった。裁判申し立て後に実施する争点整理のほか、裁判官を前に当事者や代理人が主張を戦わせる口頭弁論をウェブ会議などでできるようにする。証拠もネットで共有する。原告側と被告側の双方が了承すれば、当事者が法廷に立たないまま判決に至る可能性もある。

(3月16日日経新聞から一部引用)

 

 

現在でも,当事者・代理人が遠隔地にいる場合には,電話会議,テレビ会議による弁論準備手続きが行われています。ただ,この手続においては,当事者のどちらかが裁判所に出頭している必要があります(民事訴訟法170条3項但書)。

東京地裁本庁の事案で,代理人同士が東京都区内の弁護士であれば,双方とも遠隔地ではないとして電話会議による弁論準備というのは認められませんが(双方代理人の出席が必要),たまに,どちらかの代理人がインフルエンザに罹ってしまって事務所から出られないとか期日を失念していて事務所におり今から裁判所に向かったのでは時間がかかるというような場合には,急遽,その期日だけは電話会議で行われたりします。

また,何をもって遠隔地かということについても,東京都区内と立川支部,さいたま・横浜・千葉の本庁では双方代理人の出席が求められるかと思います。甲府,水戸,前橋あたりですと電話会議「エリア」かなとも思いますが私自身は経験がありません。

 

 

【電話会議】

https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-11090619312.html

【裁判所の「テレビ」会議】

https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-11920455361.html

 

 

 

(弁論準備手続における訴訟行為等)
民事訴訟法第170条第3項 裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、弁論準備手続の期日における手続を行うことができる。ただし、当事者の一方がその期日に出頭した場合に限る。

 

 

民事訴訟法には書面による準備手続きという方法も規定されており,これは書面のやり取りで行うため当事者・代理人が出席するという概念自体がないものですが,必要な時には電話会議により協議することができることとされていて,この場合は,当事者・代理人の双方が裁判所に出席する必要がありません。

もっとも,私自身も経験がなく,この書面による準備手続きというのはあまり活用はされていないのではないかと思います。

 

 

(書面による準備手続の方法等)
民事訴訟法第176条 書面による準備手続は、裁判長が行う。ただし、高等裁判所においては、受命裁判官にこれを行わせることができる。
2 (略)
3 裁判長等は、必要があると認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、争点及び証拠の整理に関する事項その他口頭弁論の準備のため必要な事項について、当事者双方と協議をすることができる。この場合においては、協議の結果を裁判所書記官に記録させることができる。

 

 

確かに,電話のやり取りで行えば済むものをわざわざ裁判所まで出かけて行ってもものの5分程度で手続きが終わってしまうということも多くあることからすれば,裁判所への出頭を原則として求めるというのも非効率な面があることは否めないところであり,電話だけではなく様々なIT技術を活用した制度の整備も必要とされるものと思われます。

いまでも世界的には産業遺物ともされているというファクスをメインで使っている業界ですが,そもそもが便利なものなのですから,実際にITを活用した制度が整えられ実際に導入されれば,あっという間に変わっていくのではないかと思います。