街中を歩くと,至近距離に同じコンビニが営業していることがありますが,これはドミナント出店といいい,他の競合店に出展されて既存店舗の売上を落とすよりは,先にそこに出店してしまうことで両店舗を合わせて売り上げを維持するということなどが目的です。

既存店舗が直営店ではなく加盟店の場合には,オーナーとしては既存店舗の売上が落ちて困ることになりますので,本部がドミナント出店するという場合には既存店舗のオーナーに新規店舗をやらないかと声をかけることもあります。オーナーが応じた場合には二つの店舗を持つことになるので,近くにある二つのコンビニで同じ従業員が働いていたりするのはそのような事情があるということになります。

 

 

判例タイムズ1450号で紹介された事例(東京地裁平成29年10月16日判決)では,このようなドミナント出店が問題となったものですが,既存店舗の約500メートル離れたところに本部がドミナント出店したのに対して,既存店舗のオーナーが本部に対して,売り上げ減少などについて損害賠償を求めたというものです。

 

 

本件の加盟店契約では,一定の商圏について独占的・排他的権利を与えるような契約条項にはなっておらず,本部が必要と考えるときはいつでも同一の区内などに新規出店することができるとされていたことから,判決では,本部の新規出店自体が契約に反するということはないと判断されました。

 

 

ただ,加盟店契約では,ドミナント出店する場合には本部が加盟店の営業努力に十分に配慮するという配慮規定があったことから,本部がこのような配慮をしたのかどうかということが主な争点となりました。

この点について,本件において,本部は事前にオーナーに対して必要性を繰り返し説明していたこと,本部が少額とはいえない費用を負担して様々な支援策を実施していたこと,出店後に売り上げが落ち込んでいるのはオーナーが出店に反発して本部からの指導に従わなかったことにも原因があることなどから,判決では,本部が配慮義務に反したということもできないとし,オーナー側の請求を退けています。

 

 

コンビニに限らず,ドミナント出店に伴うトラブルの相談というのは時折ありますが,契約条項のチェック(一定地域について独占的排他的権利を規定している場合もあります)や事前の説明,支援策などについて検討する必要があります。