http://www.yomiuri.co.jp/national/20170601-OYT1T50017.html?from=ytop_main8

 

 

放送法は「受信設備の設置者はNHKと受信契約を結ばなければならない」と規定。1審は、物件にテレビを設置したのは男性ではないため、男性が受信料を支払う必要がないと判断した。これに対し、高裁は、同法の「設置者」について「受信設備を物理的に設置した者だけでなく、受信設備を占有、使用して放送を受信できる者も含まれる」と解釈。男性は受信料を支払う必要があったと結論付けた。男性は上告する方針。

(6月1日読売新聞オンラインから一部引用)

 

ワンセグ携帯についても解釈が分かれるなど,NHKの受信料をめぐっては争いが尽きません。

 

 

受信料の法的性質について,強制契約させられてその結果支払い義務が発生するものとみれば,視聴者からすれば「税金」のようなものであり,そうであれば,発生の根拠や範囲は法律によって一義的に明確に定られていなければならないはずです(租税法律主義)。

また,受信料の徴収員が自宅に押し掛けて取り立てに行くような行為についても,受信料が「税金」と同じ性質をもつものなのであれば許されないはずです。

税金の世界においては,海外の仕組みなどを利用した理不尽な節税が行われることがあるものの,法律の規定上やむを得ないのであれば,その時点での税金の徴収はできず,立法上きちんと手当てすることによりカバーするほかありません。税金の徴収の仕方についてもきちんと法律で決まっている範囲でしかできないことになります。

 

 

しかし,受信料をあくまでも民民間の「契約」とよって発生するものと考えると,解釈によって支払い義務の発生・不発生の判断の分かれ目を生じる余地が残ることになりますし,取り立て者方法についても特に規制があるわけではありません。

 

 

NHKも局面によってどちらの立場に立つかを使い分けているところがあり(受信料の支払は義務であるといって税金と同じような性質のものであるとアピールしながら,広く網を掛けて受信料を取り立てたり,自宅に押しかけてきて徴収したりという局面では税金ではないから構わないというわけです),そのことも我々を苛立たせます。

 

 

強制的に支払う義務を負わせられながらも税金や社会保険料ではないというまるでヌエのような性質の受信料についてきちんと立法により定めなければならないのではないかと思います。