全国統一小学生テストの
ウェブ帳票が本日、配信されました。
平均点や偏差値など、結果の数字が気になりますね。
ですが、本当に大切なことは 正解不正解の奥に潜んでいます。
一見簡単な問題に潜む試されていること
例えば、
こちらは今回の小1の国語の大問1の問題です。
ひらがなを読めるお子さんなら簡単そうに見える問題です。
でも実際には、解答欄の指示通りに答えられなかったお子さんが、
きっと一定数いたのではないでしょうか。
解答欄には「ひらがなを書き込む」のではなく、「正しいひらがなにマルをつける」指示でした。
これ、解答欄の仕様からは空欄にひらがなをつい書いてしまいたくなります。
少し意地悪なワナが仕掛けられているように思いました。
でも、ひらがなの書き取りがまだ不安な子にとっては、「マルをつけるだけで得点できる」という配慮のある問題とも捉えられます。
意地悪か思いやりかどっち?と言いたくなりますが、配慮があれば問題文の長さや表現はもっと簡潔でシンプルだったはずです。
さらに、例が示されても良かったと思います。
ちなみに採点結果は、ひらがなを書きこんだ答案もマルとする配慮がなされていました。(良かった!)
それなら最初から、「思いやり」ある問題構成にしてあげて欲しかったと思います。
昨年までは例が示される問題でした。↓
もし、あえて難しい問い方をしたのであれば、答え方の例が示されていない時点で、ここで問われているのは、単に「ひらがなが読めるか?」や「言葉を知っているか?」だけではないということになります。
試されているのは「設問を読む力」
問題文を正確に読み取り、何をすべきかを理解し、その上で試行錯誤して解き進める―
これが、中学受験に求められる総合的な力です。
中学受験の問題の多くがそうであるように、このテストでも根底に求められていることは同じです。
小1のテストであっても算数の問題からも、読解力がいかに大切であるかを思い知らされます。
後半の長い文章題はもちろんのこと、前半のそれほど長くない文章題の中にも、理解できない言葉が潜んでいることもあります。
例えば、図形の問題も3つ選ぶところを1つしか選んでいない子もいたと思います。
1つしか選べなかったのは、ほかの正解がわからなかったことだけが原因ではないかもしれません。
すべて選ぶという表現の、「すべて」という言葉の意味が理解できていなかった子もいたと思います。
「ぜんぶ」と表現されていれば正答率は違う結果になっていたかもしれません。
いずれにせよ「読解力」や「語彙力」が重要であることには変わりありません。
学力を底上げするためには「読む力」「言葉の力」を育てることが重要です。
そのためには、お子様の「言葉」の理解に寄り添ってあげることが必要です。
テストは評価する為ではなく、成長の為の「機会」
今回も沢山の子どもたちが全国統一小学生テストに初挑戦したと思います。
テストの「正解・不正解」という結果だけに目を向けるのではなく、「がんばったね」というまなざしで、考えたプロセスを見つめてあげて欲しいと思います。
「この言葉の意味はどういうことかな?」
「この言葉は知ってたかな?」と、語彙や表現の理解を深めたり。
「どのように考えて、この答えにたどり着いたのかな?」と、考え方を振り返ってみたり。
「ここで迷ったんだね」「ここで間違えてしまったんだね」と、つまずいたポイントを探したり。
「どんなところに気をつければ、次はできそうかな?」と、次へのステップを考えたり。
こんなことを親子で一緒にたどっていくことが、子どもにとって「次の一歩」につながる本当の意味での学びになります。
それこそが、テストを受ける本当の価値ではないでしょうか。
正解を出すことはもちろん大事です。
でも、間違いの中にこそ、その子に必要な「成長の種」があります。
ぜひ、その「成長の種」を見つける温かい振り返りの機会にしていただければと思います。
難しいテストに挑戦した子どもたちに、心からの称賛を送ります!