歌われなかった海賊へ
逢坂 冬馬
──史実と信じ込まされた神話
──ただ愉快に生きようと思っただけ
内容は反ナチ海賊団を結成した青少年対、ナチス親衛隊青少年部やゲシュタポ。
ひいては悪名高い強制収容所の残虐な人体実験の記述などもあり、まあおなじみのドイツの暗黒歴史が語られてます。
もちろんヒットラーが悪いんだってのはわかってるけど、今回は一般市民たちの鈍感さ、無関心さ、見猿聞か猿言わ猿的な部分が生々しく描かれていてショックでした。(ロシアが頭に浮かぶ〜)
前作はただひたすらストイックで、殺伐とする中で凛とした女性の強さに比して男性の女々しさを感じてしまい、萎えた私は今作の強い男子像にテンション
と、
最初から最後までぶれないストーリーに埋没し一気に読めてしまう素晴らしい作品ですけど、私的にポイント高かったのは
まるで翻訳かと思うような異国っぽさ。
特に海賊団の歌詞
これは作中でも言及されてましたが、シンプルでちょいダサい
間違っても日本語の妙を駆使した心を震わせるような詩じゃなくて、翻訳っぽさを感じます。
50過ぎるまでは洋書を読もうなんて発想すらなかった海外小説好きとしてはそれが懐かしくてねえ。
すごく気に入りました
で、
読み終えていちばんムカついたのはヒットラーやゲシュタポじゃなくて女教師の偽善。
迎合主義と書かれてましたが、偽善ですよ。
教え導くことを生業とする教師の偽善はホント許せません
特に厳しい状況下では教師たるもの『最後の授業』みたいにあって欲しいです。
失望じゃなくて感動したいものです。
↓Kindle版は邦訳が見つからなくて英訳
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