Two Door Cinema Club-A Tourist History(ドキュメンタリー)
北アイルランドのベルファストで活躍中のBandwidth Sessions。彼らのサイトを通して数々の美しい音楽映像とニヤッとさせる面白い記事を日々届けてくれています。そんなBandwidthとコラボできるEejit Recordsは幸せ者。これはBandwidthから届いた日本の音楽ファンの皆さんへの最初の手紙!
Bandwidth Sessions: www.bandwidthsessions.com
※掲載記事、写真:(C)Bandwidth Sessions
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
Two Door Cinema Club-A Tourist History(あるツーリストの記録)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
デビューアルバム『Tourist History』の最初の誕生日を祝って、僕らの地元北アイルランド出身のお気に入りユーロ・ポップバンドであるTwo Door Cinema ClubがデラックスバージョンのCDをリリースしたね。こういう場合に普通付いてくるものが入ってるわけだ――カシアスとか有名なDJが手掛けた素晴らしいリミックスがいくつか――それに(ひゅうっ!)ちょっとだけ違うジャケットもね。
そんなわけで、正直に言おう、もし既にアルバムを持っているんだったら、また10ポンドを使う価値はないんじゃない?だってそのお金で彼らのライブを観に行けるんだからね。
でも、すごく鋭い人だったら気づいているかもしれない、ジャケットの解説のどこかに隠れるようにして、バンドの新しいドキュメンタリービデオへのリンクが書かれているってことに。タイトルは『You Think You Know, You Don’t Know(知ってると思ってるかもしれないけど、わかってないね)』、パリでプロモーション用に一連のライブを行うところから2010年2月のアルバムリリースまでの日々を過ごすバンドを軸に展開していくドキュメンタリーだ。
これは10ポンドの価値があるってもんだ。ただしこの映像は売り物じゃあない。このURLから無料で観ることができるんだからね: http://twodoorcinemaclub.com/documentary/
そして、どうして無料かって言うと、実は無料で制作されたからなんだ。北アイルランド出身の三人のメンバー、Two Door Cinema Clubのファンである三人が、好意から制作したものなんだよ。そう、僕はそのうちの一人:他の二人はというとグレッグ・ヒューストンと彼のガールフレンドであり創作パートナーでもあるハナ・ヴィンセントだ。
最初にグレッグとハナに出会ったのは2009年も終わりの頃だったんだけど、僕は既に二人の作品の大ファンだった。二人はBabysweet Sessionsっていう素晴らしくてクレージーなサイトを運営しているんだ――Kowalski(コワルスキー)のために最高のビデオをいくつか作ってきたし――何よりも驚くことには“BabySweetテレビ”っていうウェブテレビショーを毎月流してた。その最初のエピソードがTwo Door Cinema Clubがベルファストの街の真ん中にあった大観覧車に乗ってアコースティックライブを披露するってやつだったんだ。僕は心の中で呪ったね。それは素晴らしいもので、僕は気が狂いそうに妬ましかった。でもその後グレッグについに会うことが出来て、妬みなんて消えたね。彼はただ純粋に恐ろしいほど創造的な男だったんだ――創造性と寛大さに満ち溢れてた。僕は一体どうやってTwo Door Cinema Clubを観覧車に引っ張り込んだんだ?って聞いたんだけど、彼はただ肩をすくめて「簡単さ」って言うんだよ。なんでもベースのケヴ・ベアードが子供の頃隣に住んでたんだけど、「フリスビーの借りはいつか返せよ」ってことになってたんだって。(本当の話かどうかは今もわからないけれど、なんかいい話だよね?)
ところで僕がグレッグに会うことになったきっかけというのは、実は同じバンド、トニー・デッカー(またの名をGreat Lake Swimmers)のセッションを撮影しようと、二人で同じ日に出かけて行ったからなんだ。(あ、たまたまグレッグの撮った映像はここで 、僕のはここで観ることができるよ)
こりゃついに“さしで”殴り合いか!と思ったんだけどね、実はグレッグと僕はすぐに仲良くなった。そしてその瞬間からずっと一緒にコラボ出来るって感じていたんだよ。
そしてある日電話が鳴った。来週にでもグレッグとハナの家に来て夕食とワインでもどうだいってグレッグが招待してくれたわけさ。そしてデザートが終わってマリオカートWii大会に突入するかって時に、彼がふと言ったんだ、「パリに一緒に行ってTwo Doorのドキュメンタリーを撮影するのを手伝って欲しいんだけど、行く気あるかい?」。行く気あるかだって?俺たちを泊めてくれそうな友達だって向こうにいるぜ。答はイエスさ、イエスだ、イエスだよ!そんなわけで僕たちは日程を決めた。
ここで時計の針を回して、時は2010年2月――Two Doorの三人はパリ、そうパリのレーベルの代理人たちと一緒にいる――フランス語なんて一言もしゃべれない――僕のフランス語だって道を訊くことができるかって位のもの――僕らは全員パリにやってきたアイルランド人のツーリストってとこだ。ツーリストが世界で一番美しい街ですることって言ったら何だと思う?そう、写真を撮るのさ、もちろんね。上の写真はグレッグ、恐怖をなんとか押し殺してスーパー8カメラをぐるぐる回しながら鳩の群れの中に突入する直前の姿だ。写真では見えないけれど、実は左側にはノートルダム寺院があるんだよ。
後になって大笑いしたんだけど、パリで撮影したドキュメンタリーの中には一つもパリのランドマークと言えるものが写っていないんだ。そりゃ超~モダンな”パリジャン”がやってる超~フレンドリーなクラブ、ヌーボー・カシーノは別だよ。Two Doorのレコードレーベル、KITSUNEっていうのは摩訶不思議な無形動物みたいなとこがあって、レコードレーベルでありながら、クラブナイト主催者でもあり、ファッションレーベルでもあるっていう。僕たちはバンドと多くの時間を過ごしたわけだけど、その間には雑誌から抜け出してきたんじゃないかっていうような人たちや、マフラーしてサングラスをかけた皮肉っぽい感じの人たち(まあ2月だったからね、マフラーはOKかもしれないけどサングラスってのはどう?)大勢と袖すり合わせてきたわけだ。本当に変な気分だったね――だって僕はベルファストのしょぼいクラブなんかでTwo Doorが演奏するのを観てきたわけだよ、それなのに今ここにいる彼らは「Two-Door様向けファッションカタログ」から選んだ特別な服を着ているわけだからね。それって基本的には昔ながらの古着屋にありそうなブレザーにスニーカーのデザイナーブランドバージョンなんだけどさ、KITSUNEショップで900ユーロで売られているって代物なんだからね。
それでも僕もグレッグも常に地に足を付けていることが出来たよ。豪華なホテルなんかいらないよ――その代わり僕たちは大学時代からの友達、マリオンとソフィっていう交換留学生だったんだけど、その二人の家の居間の床に泊めてもらったんだ。夜はユーロの小銭を数えながらメトロに乗って家に帰り、毎朝パン屋で安いパンを買って食べた。でもね、ある晩のこと、One Shot Notっていうテレビショーの楽屋を撮影することになったんだ。大きなテントの中には無料のチーズとワインが溢れかえっていてさ――カメラバッグに御馳走をぎりぎり縁まで詰め込んで、それから何日にもわたって食べ続けたね。まあフランス人が言うところの“plus ça change”(結局基本変わらない)ってとこだね・・・
一部始終については、たぶんいつか本を書かなきゃね。それまでは(編集された)物語の全編をドキュメンタリービデオで観て欲しい。これから二ヶ月間はTwo Doorのホームページに張り付けられたものを観られるはず――その後は誰にもわからない。もしかして更にデラックスになったバージョンにちょっとだけ違うジャケットを付けたりして?(笑)
まだ使っていないフィルムが多分21時間分くらいあるんだけど、一部はそのうち日の目を見るかもしれないし、既にドキュメンタリーの中に一部使われているものもあるしね。未公開部分には、深夜のコインランドリーで行われたアコースティックライブ、メンバーの(とても礼儀正しい)お母さんやお父さんのインタビュー、そして一番エキサイティングなとこはベルファストのSpring & Airbrakeで行われたTwo Doorの地元凱旋ライブだね。Tourist Historyって描かれたチョコレートケーキをTwo Doorが食べたり、グレッグがケーキをオーディエンスに分ける場面はそこで撮影されたんだよ。
その夜君もいたかい?ヌーボー・カシーノのアルバムリリースの夜は?ドキュメンタリーはもう観たかい?君がどう思ったか、ぜひ僕たちに教えて欲しい。君の意見が聞きたいんだよ!なにせ、どういうわけか僕の当時の記憶はおそろしく途切れ途切れでね・・・↓(汗)
Bandwidth Sessions: www.bandwidthsessions.com
訳:Eejit Records
※掲載記事、写真の著作権はBandwidth Sessionsに帰属しますので転載は固くお断りします。よろしくご理解のほどお願いいたします。
Bandwidth Sessions: www.bandwidthsessions.com
※掲載記事、写真:(C)Bandwidth Sessions
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
Two Door Cinema Club-A Tourist History(あるツーリストの記録)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
デビューアルバム『Tourist History』の最初の誕生日を祝って、僕らの地元北アイルランド出身のお気に入りユーロ・ポップバンドであるTwo Door Cinema ClubがデラックスバージョンのCDをリリースしたね。こういう場合に普通付いてくるものが入ってるわけだ――カシアスとか有名なDJが手掛けた素晴らしいリミックスがいくつか――それに(ひゅうっ!)ちょっとだけ違うジャケットもね。
そんなわけで、正直に言おう、もし既にアルバムを持っているんだったら、また10ポンドを使う価値はないんじゃない?だってそのお金で彼らのライブを観に行けるんだからね。
でも、すごく鋭い人だったら気づいているかもしれない、ジャケットの解説のどこかに隠れるようにして、バンドの新しいドキュメンタリービデオへのリンクが書かれているってことに。タイトルは『You Think You Know, You Don’t Know(知ってると思ってるかもしれないけど、わかってないね)』、パリでプロモーション用に一連のライブを行うところから2010年2月のアルバムリリースまでの日々を過ごすバンドを軸に展開していくドキュメンタリーだ。
これは10ポンドの価値があるってもんだ。ただしこの映像は売り物じゃあない。このURLから無料で観ることができるんだからね: http://twodoorcinemaclub.com/documentary/
そして、どうして無料かって言うと、実は無料で制作されたからなんだ。北アイルランド出身の三人のメンバー、Two Door Cinema Clubのファンである三人が、好意から制作したものなんだよ。そう、僕はそのうちの一人:他の二人はというとグレッグ・ヒューストンと彼のガールフレンドであり創作パートナーでもあるハナ・ヴィンセントだ。
最初にグレッグとハナに出会ったのは2009年も終わりの頃だったんだけど、僕は既に二人の作品の大ファンだった。二人はBabysweet Sessionsっていう素晴らしくてクレージーなサイトを運営しているんだ――Kowalski(コワルスキー)のために最高のビデオをいくつか作ってきたし――何よりも驚くことには“BabySweetテレビ”っていうウェブテレビショーを毎月流してた。その最初のエピソードがTwo Door Cinema Clubがベルファストの街の真ん中にあった大観覧車に乗ってアコースティックライブを披露するってやつだったんだ。僕は心の中で呪ったね。それは素晴らしいもので、僕は気が狂いそうに妬ましかった。でもその後グレッグについに会うことが出来て、妬みなんて消えたね。彼はただ純粋に恐ろしいほど創造的な男だったんだ――創造性と寛大さに満ち溢れてた。僕は一体どうやってTwo Door Cinema Clubを観覧車に引っ張り込んだんだ?って聞いたんだけど、彼はただ肩をすくめて「簡単さ」って言うんだよ。なんでもベースのケヴ・ベアードが子供の頃隣に住んでたんだけど、「フリスビーの借りはいつか返せよ」ってことになってたんだって。(本当の話かどうかは今もわからないけれど、なんかいい話だよね?)
ところで僕がグレッグに会うことになったきっかけというのは、実は同じバンド、トニー・デッカー(またの名をGreat Lake Swimmers)のセッションを撮影しようと、二人で同じ日に出かけて行ったからなんだ。(あ、たまたまグレッグの撮った映像はここで 、僕のはここで観ることができるよ)
こりゃついに“さしで”殴り合いか!と思ったんだけどね、実はグレッグと僕はすぐに仲良くなった。そしてその瞬間からずっと一緒にコラボ出来るって感じていたんだよ。
そしてある日電話が鳴った。来週にでもグレッグとハナの家に来て夕食とワインでもどうだいってグレッグが招待してくれたわけさ。そしてデザートが終わってマリオカートWii大会に突入するかって時に、彼がふと言ったんだ、「パリに一緒に行ってTwo Doorのドキュメンタリーを撮影するのを手伝って欲しいんだけど、行く気あるかい?」。行く気あるかだって?俺たちを泊めてくれそうな友達だって向こうにいるぜ。答はイエスさ、イエスだ、イエスだよ!そんなわけで僕たちは日程を決めた。
ここで時計の針を回して、時は2010年2月――Two Doorの三人はパリ、そうパリのレーベルの代理人たちと一緒にいる――フランス語なんて一言もしゃべれない――僕のフランス語だって道を訊くことができるかって位のもの――僕らは全員パリにやってきたアイルランド人のツーリストってとこだ。ツーリストが世界で一番美しい街ですることって言ったら何だと思う?そう、写真を撮るのさ、もちろんね。上の写真はグレッグ、恐怖をなんとか押し殺してスーパー8カメラをぐるぐる回しながら鳩の群れの中に突入する直前の姿だ。写真では見えないけれど、実は左側にはノートルダム寺院があるんだよ。
後になって大笑いしたんだけど、パリで撮影したドキュメンタリーの中には一つもパリのランドマークと言えるものが写っていないんだ。そりゃ超~モダンな”パリジャン”がやってる超~フレンドリーなクラブ、ヌーボー・カシーノは別だよ。Two Doorのレコードレーベル、KITSUNEっていうのは摩訶不思議な無形動物みたいなとこがあって、レコードレーベルでありながら、クラブナイト主催者でもあり、ファッションレーベルでもあるっていう。僕たちはバンドと多くの時間を過ごしたわけだけど、その間には雑誌から抜け出してきたんじゃないかっていうような人たちや、マフラーしてサングラスをかけた皮肉っぽい感じの人たち(まあ2月だったからね、マフラーはOKかもしれないけどサングラスってのはどう?)大勢と袖すり合わせてきたわけだ。本当に変な気分だったね――だって僕はベルファストのしょぼいクラブなんかでTwo Doorが演奏するのを観てきたわけだよ、それなのに今ここにいる彼らは「Two-Door様向けファッションカタログ」から選んだ特別な服を着ているわけだからね。それって基本的には昔ながらの古着屋にありそうなブレザーにスニーカーのデザイナーブランドバージョンなんだけどさ、KITSUNEショップで900ユーロで売られているって代物なんだからね。
それでも僕もグレッグも常に地に足を付けていることが出来たよ。豪華なホテルなんかいらないよ――その代わり僕たちは大学時代からの友達、マリオンとソフィっていう交換留学生だったんだけど、その二人の家の居間の床に泊めてもらったんだ。夜はユーロの小銭を数えながらメトロに乗って家に帰り、毎朝パン屋で安いパンを買って食べた。でもね、ある晩のこと、One Shot Notっていうテレビショーの楽屋を撮影することになったんだ。大きなテントの中には無料のチーズとワインが溢れかえっていてさ――カメラバッグに御馳走をぎりぎり縁まで詰め込んで、それから何日にもわたって食べ続けたね。まあフランス人が言うところの“plus ça change”(結局基本変わらない)ってとこだね・・・
一部始終については、たぶんいつか本を書かなきゃね。それまでは(編集された)物語の全編をドキュメンタリービデオで観て欲しい。これから二ヶ月間はTwo Doorのホームページに張り付けられたものを観られるはず――その後は誰にもわからない。もしかして更にデラックスになったバージョンにちょっとだけ違うジャケットを付けたりして?(笑)
まだ使っていないフィルムが多分21時間分くらいあるんだけど、一部はそのうち日の目を見るかもしれないし、既にドキュメンタリーの中に一部使われているものもあるしね。未公開部分には、深夜のコインランドリーで行われたアコースティックライブ、メンバーの(とても礼儀正しい)お母さんやお父さんのインタビュー、そして一番エキサイティングなとこはベルファストのSpring & Airbrakeで行われたTwo Doorの地元凱旋ライブだね。Tourist Historyって描かれたチョコレートケーキをTwo Doorが食べたり、グレッグがケーキをオーディエンスに分ける場面はそこで撮影されたんだよ。
その夜君もいたかい?ヌーボー・カシーノのアルバムリリースの夜は?ドキュメンタリーはもう観たかい?君がどう思ったか、ぜひ僕たちに教えて欲しい。君の意見が聞きたいんだよ!なにせ、どういうわけか僕の当時の記憶はおそろしく途切れ途切れでね・・・↓(汗)
Bandwidth Sessions: www.bandwidthsessions.com
訳:Eejit Records
※掲載記事、写真の著作権はBandwidth Sessionsに帰属しますので転載は固くお断りします。よろしくご理解のほどお願いいたします。