新型コロナはまだ収束しておりませんが、経済活動も動かしていなねばなりません。ささやかながら協力する形となります。3か月ぶりに地下鉄に乗り、そして随分前から気になっていた銀座の寿司屋に出向きました。

 

向かった先は、早川光さんの「最高に旨い寿司」の第77回で放送された「鮨さかもと」となります。早川さんは(よほど美味しくないと?!)寿司を褒めないらしく、放送中に何度美味しいと言ったかがある種、リトマス試験紙のようなものとなります。これは放送された数軒の寿司屋の親方から聞いた話です。それと江戸前寿司の定義から著しくかけ離れた創作寿司のようなものをよしとしていません。その辺は私の考えにも合致しており、早川さんのコメントを素直に聞ける次第です。もちろんテレビ番組で、食べている寿司をけなす(遠回しにもまずいとか言えない)ことはできませんので、早川さんの表情から、真実を読み取る必要もあります。

 

<まず食した寿司ネタを供された順番に記します。括弧内は産地となります>

 

(握り)

星鰈

伊佐木(豊後水道)

鱚(竹岡)

墨睦(松輪)

インドマグロ

中トロ(鹿児島)

車海老(天草)

鯵(天草)

鰯(七尾)

小肌(佐賀)

鳥貝(富津)

墨烏賊(山口)

穴子(長崎)

バフンウニ(根室)

玉子焼き

鉄火巻き

 

(追加注文)

赤貝(山口)

 

<スタイル>

現在ランチは、土曜日のみの営業で行われています。ランチコースは2つあり、「にぎり 誉、握り12貫」と「にぎり 里、握り15貫」となります。本日はもちろん握り15貫の方を食べてみました。ちなみに夜は、「おまかせ」と「握り15貫」のコースとなります。詳しく鮨さかもとのHPをご覧ください。

 

鮨さかもと

 

<写真撮影>

一番乗りで店に入ったので、ラッキーなことに、親方の目の前へ座ることができました。これなら質問(親方にとっては、ランチの忙しい時に、迷惑なものです)もスムーズできます。そして写真撮影についてお聞きすると、快諾です。


<大将について>

親方、坂本勇氏は、今年46歳になるそうです。2017年4月、先輩(現在メキシコで本格的な江戸前寿司店を経営)より店を譲り受ける形(居抜き)で、寿司の聖地、銀座に出店しています。その場所は、建築家レンゾ・ピアノが手がけたガラスブロックを積み上げたようなエルメスの旗艦ビルから50mぐらいの場所にあり、地下1階にはなりますが、素晴らしいロケーションと思います。ちなみに子供の頃から寿司職人なることが夢だったそうで、高校卒業後、丁稚奉公で寿司屋に入り、約25年の修行を経て、夢を実現されたようです。生き方に感服致します。

 

店の方は丸3年を過ぎ、これからと言うときに新型コロナが発生し、なんとか頑張っているという感じでした。でも放送時はお一人でやっていると言ってましたが、お弟子さんを一人受け入れてやってました。背負うものも増えますが、これで一段上がったという感じです。それとマスクをした状態で、寿司を握っている自分に一番びっくりしているなんて言ってました。人柄がわかると思います。

 

撮影となった経緯は、早川さんがふらりとランチを食べに来て、後日番組スタッフから連絡があり、撮影が決まったそうです。早川さんとは以前に働いていた寿司屋でお見かけした程度で、特段の接点はないそうです。そしてそんな有名な方とも思ってなかったようです。

 

<寿司の特徴>

放送時から変化していたのが、シャリとなります。昔は赤酢を効かせた色って感じでした。それがかなり淡い赤みに変わっていました。ピンの生鮪を仕入れる訳ではないので、全体のバランスを考え、特に白身にも寄り添うシャリにしているそうです。と言っても、使っている横井の2種類の酢(与兵衛琥珀)は変えていません。つまり琥珀の方の割合を多くしたそうです。ここに能登珠洲の荒塩を合わせています。そして米は開店時と同じ佐渡の天日干しコシヒカリを使用しているそうです。私には昔との比較はできませんが、あまり主張しない、どのネタにも対応するシャリになっていると思います。

 

醤油は、ヒゲタ醤油の本膳を使用し、にきりにしています。

 

黒鮪は、樋長から仕入れています。

 

それでは本日頂いた握りを楽しみください。

1貫目は、星鰈です。放送時も言ってましたが、1貫目のインパクトを大切にしているそうです。放送時は、産直で取り寄せした最高級品の鯛でした。誰にでもわかる旨そうな鯛でした。本日は高級魚、星鰈を持ってくるなって、うれしい限りです。

 

まず、鰹までのネタを切りつけ、温度上昇を待って握っています。途中で何度か温度を確認する作業がありました。

 

 

2貫目は、伊佐木です。同じ白身が続きますが、魚の旨みを存分に感じます。

 

実は、数貫ごとに、温かいシャリで握るようにしています。手元のおひつには、その分しか入れていません。これも小さなことですが、大切なことと思います。

 

 

3貫目は、です。この辺で一休みって感じなんでしょうが、そんなことはありません。この淡泊な鱚をどう仕上げるか、腕の見せ所となります。昆布締めにしていましたが、鱚って美味しい魚なんだと感じさせる出来栄えでした。

 

4貫目は、黒睦(アカムツではないです)です。少し炙って提供しています。脂っこくなりがちですが、その辺のコントロールが抜群です。炙り過ぎても、焦げっぽくなるので、魚の状態を的確にとらえた一貫と思います。これは女性には大人気のネタと確信します。

 

5貫目は、です。こちらには生姜と浅葱を下したあたりネギで頂きます。不思議なんですが、ニンニクを使っているような味になります。これは、銀座の小笹寿しの岡田親方(故人)が考えたものです。東京の寿司屋でこれを使っていない職人はいないくらい有名な手法です。そう鰹の臭みを感じさせてないために、もってこいの薬味です。そして薄っすら脂がのった鰹は実に旨いです。

 

6貫目は、インドマグロです。やけに赤いと思ったら、南鮪でした。軽くヅケにして頂いたのですが、旨い。生もいいけど、ヅケもいい。鮪は鉄板ですね。

 

7貫目は、中トロです。優しく刺しが入っています。月並みの表現ですが、淡雪のように口の中で溶けて無くなります。鮪は寿司屋の看板ですね。

 

8貫目は、車海老です。これ天然なんです。だから発色がいいでしょう。これも産直の素晴らしい点と思います。豊洲で買ったら、値段が合わないと思うので、ランチには使えないはずです。勿論、養殖の方がコンディションがいい(甘みがある)時もあります。

 

本日は8名のお客でした。少し時間差があり、入店しているので、お弟子さんが、海老を茹でるタイミングを4匹ずづにしています。小さなことですが、大切なことと思います。

 

9貫目は、です。放送時に、「砂糖締め」をしていたネタです。本日は「塩締め」だそうです。砂糖の方が、吸水スピードがあるらしく、その手法を取ることもあるそうです。神戸にある生粋という寿司屋で行われていることは知識としてありました。そして和食では、一般的な料理方法ですが、東京の寿司屋では、初めてだったので、質問をして見ました。そんなことはどうでもよくて、鯵は実に旨い。

 

10貫目は、です。鰯を削ぎ切りにして、3枚付けで握るものです。小骨が当たらないように、こんな握り方をします。そんな料理法はともかく、鰯も旨いです。

 

11貫目は、墨烏賊です。こんな後半戦に烏賊がくるのは初めての体験かもしれません。塩とスダチで頂きます。夏にぴったりの清涼感を満たす一貫です。

 

12貫目は、江戸前の鳥貝です。小ぶりですが、ジューシーでした。

 

 

13貫目は、バフンウニです。文句があるなら、前に出ろ!って感じです。激ウマです。米田の生ウニだそうです。

 

 

14貫目は、穴子です。これも月並みな表現で申し訳ありません。ふっくらしていて、口の中で溶ける。放送時は炙って出してましたが、再度茹でて(漬け込み)出していると思われます。お弟子さんとの息もあっています。

 

15貫目は、玉子焼きです。大和芋とハモのすり身で作っているそうです。自然の甘みのような、柔らかい仕上がりです。聞くのを忘れましたが、三温糖あたりを使っているかもしれません。

 

すしネタを詳しく学ぶ

 

別注で、赤貝をオーダーです。時期は終わりに近いですが、まだ香りはあります。ただ、その場で貝から出して、まな板を赤くして、そして握るではなかったです。こちらは人手の問題もあり、準備してしまうんだと思います。ちょっとだけ残念です。

 

新型コロナウィルス明けになりますが、8席満席でした。当方を入れて、どう見ても一見さんのようです。

そしてまったく銀座の敷居の高さを感じさせないし、さりとて提供される鮨は、銀座レベルのものです。それと基本をきちんとこなしているところがいいですね。

 

産直の仕入れがうまく行っているのかもしれません。そうでなければ、こんなブランド魚(竹岡や松輪など)をランチに提供できません。コストダウンをしているのは、インドマグロぐらいです。これだって、仕入れ値が安いだけで、黒鮪より旨いこともあります。そうランチですが、一切手抜きなしです。ディナーもいいだろうと思わせてくれます。三越だって2分ぐらいロケーションだし、是非銀ブラをして、急遽寿司を食べたくなったら、ココを思い出してみてください。

 

<予算>

総額11.880円 (おまかせ11000円+別注1貫880円)

 

<予約>

6日前

 

<基本情報>

住所:東京都中央区銀座5-4-14 国松ビル地下1階

電話:03-6274-6597

訪問日:2020年6月

 

<次回>

次回は、目白にある鮨あさづまへ伺いたいと思います。