「宣伝会議」という広告、マーケティングの月刊誌がある。
20代から30代の半ばくらいまでは、毎月のように読んでいた。
現在でも健在である。
後発で「広告批評」というリトルマガジンが出たが、こちらはどちらかというとクリエイティブより。あと博報堂が近い雑誌を出していたような気がするがタイトルが思い出せない。
電通の「電通報」も結構がんばっていたが、これは市販されていない。
宣伝会議というとどうしても、広告とかマーケティングのコピーライターやプランナーをやっていた時代を思い出してしまう。あのころは、仕事がなくて困るということはなかった。
コンペで負けて疲れたり、連日の徹夜で消耗したりということはあったが、それも仕事があったからこそのことである。
時代は移って、広告など間接部門がまず切って捨てられると噂されるような底の時期を過ぎ、そしてどっちとも言えない現在に移ろって見ると、あの底で失われたのは実はカネだけではなかったという思いがしてくる。
活版はむろん、写植屋さんも消えていく、そういうアルチザンの技の伝承も失われていく過程と軌を一にしていたことに気づくのだ。
株式会社 宣伝会議は、広告・マスコミ業界に特化した人材紹介会社である「株式会社マスメディアン 」を平成13年に立ち上げていた。西暦2001年か。まさに21世紀が始まった年だ。
電通が、インターネットマーケティングに特化した会社を設立したのが、90年代の前半だったか。
とにかく「メディア」というものの大変動が起きて、ネットと旧来のメディアのブレンディングなど「常識」という感覚が確立されていったのがちょうど2001年ころだ。
それ以前には、マスメディアンのように「広告・マスコミ業界に特化した」仕事をメディエイトするサービスは成立しなかったかもしれない。現在でも実に数少ないのである。いや唯一かもしれない。
派遣、正社員紹介など就職支援を行うのは言うまでもなく、「フリーランス」へのアウトソーシングを媒介する仕組み、しかもこの業界に特化したものは、ないはずだ。マスメディアンのウェブページhttp://www.massmedian.co.jp/ に詳しいが、「プロジェクト完了後、クライアントの支払い規定にかかわらず、基本的には弊社規定の30日サイトでお支払いいたします。」という細やかな配慮は、この業界とともに山在り谷有りの時代を歩んで来た、宣伝会議ならではの智恵と言えるだろう。
マスメディアンのウェブサイト、トップページのFlashで動いている、
「話しこみ、マスコミ。 」のテン、マルが、なぜかとても懐かしい。