ニノミヤストーリー 第1部 大戦 3
そのころ、パチンコ島でも戦乱の波紋が広がっていた。ハニグチ連邦が攻めて来たのである。
グサッ… ザクッ… ゴオォ…次々に人が殺された。次々に。次々に。次々に…そう、次々に…。
同じ頃、森口採之助将軍は…
(ハニグチ連邦だと。我が国にまで宣戦布告など、ふざけた奴だ。まぁ、いい。あんな1万足らずの兵など、我が軍を出撃させなくとも俺様1人の手で一ひねりよ…)
その時、1人の兵が駆け込んできた。そして頭を下げる。森口は言った。
「どうした、ここは俺様の私室だぞ。」
「申し訳御座いません。只今前線司令部より無電が届きましたのでお持ちしました。」
「見せてみろ。」
「は。こちらになります。」
4992.2.21
宛 ヒマジン国将軍閣下
発 前線司令部
本文 我、敵ノ攻撃ニヨッテ壊滅セン。残存兵力ハ少ナキナルモ、我、本日1600をモッテ敵ニ突撃セン。
将軍は唯一の友を思った。彼の親友は、彼の部下として前線指揮をとっている。
彼を死なせるわけにはいかなかった。
「駄目だ!!直ちに中止させろ!!」
「駄目です、現在時刻は15時55分を過ぎております、間に合いません!!」
「それでも構わん、さっさとしろ!!それとも貴様は俺様に逆らうというのか!!
ならば貴様はこの場で消えろ!!」
「申し訳あり 」
「うるさい!!」
森口の愛刀が光った。血の色が鮮やかなその刀と共に、将軍の目にも涙が光っていた。