Umaren's Story -2ページ目

第1部 大戦 4

 ヒマジン国軍指揮官はまだ死んでいなかった。全700万人を誇った兵は、今では3000人にも満たない。もはや勝つ望みはなかった。それでも彼らは前進を続けた。

 目の前にトンネルがある。その先はニノミヤ国だ。しかし指揮官はためらっていた。なぜかというと     

くずれていた

からである。話は30分前にさかのぼる。

 とりあえず、偵察隊を出したのだが、どうしたことか帰ってこない。彼らはニノミヤ国軍に見つかり、捕虜にされたのであった。そしてニノミヤ国軍はトンネルを爆破して帰ったのである。痺れを切らした指揮官自らが行ってみると     

ぐずれ…(間違った)いや、くずれていた

のだった。

 これでは登るしかない。しかし兵たちはつかれきっている。とりあえず休息の時間を取り、専属の軍師と話していた。

指:「お前の意見は?」

軍:「罠…ではないでしょうか。」

指:「うむ。だが、そうでなくても我々は死ぬ運命にある。ならば登ろう。後は神のみぞ知る、だ。」

軍:「そう…ですね。」

ブ~ン。その時、上空に飛行機のエンジンの爆音が轟いた。反射的に空を見上げるとそこには、ニノミヤ国軍と友好関係を結ぶ競馬連合が開発した超長距離爆撃機の2コ変態、いや2コ編隊が…今まさに爆弾倉を開いたところだった。大きな塊が降ってくる。

指:「なあ、これって…」

軍:「ええピンチですね。」

指:「マジかよ…」

 こうしてヒマジン国軍は壊滅した。



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