今回の似ている2つは・・・

 

 ・制限行為能力者の代理人による法律行為の取消

 ・制限行為能力者が代理人として行った法律行為の取消


<問題>

16歳のAが、Bの代理人として甲建物をCに売却した後で、

Bは、Aが未成年であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。

 

<解答>

取り消すことは、できない。

(根拠は民法102条の反対解釈)

 

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知識がある人ほど、「制限行為能力者」「代理人」「取消」というキーワードに、

惑わされそうになるかもしれませんが、落ち着いて読めば、とても簡単な問題です。

 

まず、問題文が、制限行為能力者代理人話をしているのか、

制限行為能力者代理人である場合の話をしているのか、

整理をしましょう。

 

今回の問題は、「16歳のAが、Bの代理人」と書いてあるので、

制限行為能力者代理人である場合の話をしていることがわかります。

 

制限行為能力者が代理人として行った法律行為について、

本人は、代理人が制限行為能力者であることを理由に、

法律行為を取消すことはできない

 

のでしたよねビックリマーク

 

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似たような知識で、民法には

 

制限行為能力者と、その代理人は、制限行為能力者の法律行為を

取消すことができる

 

という規定があります。

 

制限行為能力者と、その代理人が、制限行為能力者の法律行為を

取り消すことができる理由は、判断能力の低い制限行為能力者を

保護するためですよねビックリマーク

 

判断能力が低いがゆえに、悪徳商法に騙されて契約し、

財産を失うことになってしまったら大変です。

だから、民法は、制限行為能力者と、その代理人に、取消権を与えて保護しているのです。


知識がある人ほど、

制限行為能力者自身の法律行為でも、取り消せない場合がある事、

制限行為能力者が代理人として行った法律行為でも、

取り消すことができる場合がある事をご存知なので、

「制限行為能力者」「代理人」「取消」というキーワードを目にした時に、

惑わされそうになることがあるかもしれませんが、

 

いろんな知識で頭の中が、ごっちゃになってしまった場合は、

テキストを読み直して、原則と例外をもう一度、整理することで、

惑わされずに解答できるようになります。

 

 

ちなみに、

 

制限行為能力者代理人として行った法律行為について、

本人は、代理人が制限行為能力者であることを理由に、

法律行為を取消すことはできない、

 

その理由は、

 

本人が、あえて、制限行為能力者に、代理を委任した以上、

制限行為能力者の法律行為で、本人が、損害を受けたとしても、

委任した本人の自業自得ですよね。

だから、本人は自分で責任とるべき、ということで、取消はできません

 

ついでに、法律行為の相手方(今回の問題では、売買契約を交わしたC)も、

代理人が制限行為能力者であることを理由に、

法律行為を取り消すことは、できません。

 

なお、代理による法律行為の効果は、代理を委任した本人に帰属しますので、

制限行為能力者が代理人として、法律行為で損害を出したとしても、

制限行為能力者自身には、原則、影響はありません。

 

 ・制限行為能力者代理人による法律行為の取消

 ・制限行為能力者代理人として行った法律行為の取消

 

取消できるか否かについて、

試験会場で、全てを忘れてしまったら、

図を書いて、効果の帰属先から解答を推測することもできますねビックリマーク