になった。文字にすると何のことやらというはなしだけど、そう言うしかない
ようなビジュアルだった。シリーズ中ずっと、質感も厚みもないヒト型の
「記号」として表示されていた彼らは、最終回にしてついにキャラクターと
して認識できるようになったのだった。
生徒たちは当初、景品を目当てに、メガネ部が用意したメガネをかけること
で、人間の顔になった。「メインキャラクター以外であっても、メガネをかけ
た生徒は人間として描かれる」というシリーズの法則にのっとった表現だ
った。最終回でついに世界がノーメガネノーライフに!というには、ずいぶん
ゲンキンな話ではあるけれど、メガネ部のみんなが満足なら、まぁそれもアリ
かなって気もしていた。
しかし生徒たちはそのメガネのフレームからレンズをはずしたあと、メガネが
メガネの機能を失ったあとも、人間の顔をしていた。生徒たちはそのとき、
この作品では例外的にメガネをかけずともキャラクターとして活動している
ヒマラヤ工業高校生徒会ことヒマ会と同じような存在になっていたのだ。
レンズをはずしたのは、メガネ部や生徒会長たちの想いを載せた気球に光を
集めるためだった。その瞬間、すべての生徒たちの心は、ひとつになっていた。
「メガネ者」以外は「記号」として描くというスタイルを貫いていたから
こそ得られるカタルシスが、そこにはあった。推理小説風味のエピソードでは
メガネをかけていないのに人間の顔で描かれているキャラクターが登場、その
違和感こそが謎を解くヒントにもなるくらい、そのスタイルはシリーズを通し
て、徹底されていた。
「メガネブ!」には、メガネが特産である福井県鯖江市も製作に参加して
いる。作中には「サバエドッグ」や「吉川ナス」など登場人物たちが鯖江や
周辺地域の名物を食べるシーンもある。ときには何の必然性もなく、福井県
に導入されたばかりの黄燈色の最新車両、福井鉄道F1000形電車、愛称
「FUKURAM」が画面に登場、異様な存在感を放つこともあった。たぶん手描き
作画だった。そんなふうに毎回、強引なくらい、ご当地ネタが盛り込まれて
いた。逆に言えば、毎回ものすごくしっかりと、大人の仕事をしているアニメ
だった。
→スタジオディーンWorks「メガネブ!」
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