ひたすら政争国会・・・宙に浮いた年金記録 | 江田 けんじオフィシャルブログ Powered by Ameba

ひたすら政争国会・・・宙に浮いた年金記録

今週の直言
「ひたすら政争国会・・・宙に浮いた年金記録」


 5月31日深夜、私はひたすら暗い気持ちに沈んでいた。これが「選良」といわれる国会議員のやることか。いつものことだが与野党とも、「消えた年金記録」をめぐって、不毛な政争を続けていた。

 その日の昼から、延々と、かつ断続的に、本体の法案そっちのけで、年金関係法案を強行採決した厚生労働委員長、議院運営委員長、厚生労働大臣の不信任決議案が審議されていたのである。

 私と言えば、いつもように、議員としての本会議出席義務は果たし、与野党の討議内容を聴いた上で、「こんな国民不在の政争には与しない」との強い意思表示を込めて、乱発される不信任決議案への記名投票(堂々巡り)を棄権(退席)した。

 私の議席番号は一番で、「指名点呼」では最初に呼ばれて壇上で投票する役回りなので目立った。案の定、後刻、数名の議員が「相変わらずだな」といった表情で私に話しかけてきた。そして、すべての不信任決議案が、筋書きどおり否決された後、本来の「社保庁解体法案」と「年金時効特例法案」の審議に入ったのが、その日の深夜だったのである。

 私は、その記名投票にはもちろん参加し、「社保庁解体法案」には反対、「年金時効特例法案」には賛成票を投じた。これも全衆議院議員中、たった一人の投票行動だった。なぜなら、与党議員は全員、両案ともに賛成、野党議員は全員、両案ともに反対だったからだ。しかし、私の投票行動こそ、真に国民本位の立場に立ったものと自負している。

 なぜ私が政府案の「社保庁解体法案」に反対したか。理由は簡単で、今の社保庁を単に看板の書き換えで独立行政法人化し、身分を非公務員にしたからといって、その「どうしようもない体質・組織文化」が変わるとは思えないからだ。民営化といっても、保険料徴収事務自体は独占なので、通常、そのメリットとされる競争による切磋琢磨もない。

 その点、民主党案、いや、私が、10年前の中央省庁再編時から主張していた「国税庁との統合で歳入庁とする」案の方が、組織に「税徴収のノウハウ」という新しい血を入れ、異文化を有する組織と融合することで体質改善するのにはベターだと考えるからである。税との同時徴収で国民の納付負担も軽減するというメリットもある。さらに、反射的効果で、巨大権力官庁・財務省が、これまで対政治、対霞ヶ関、対国民で、陰に陽にその影響力を駆使してきた国税庁を、財務省から分離することにもなる(歳入庁は内閣府に属する)。

 「年金時効特例法案」については、もちろん、これだけで今回の「宙に浮いた年金記録」問題に対処できるものではない。また、社保庁(国)側の一方的過失で、国民の側の年金受給権(請求権)が時効にかかるとするのも如何にも不当だ。

 しかし、かといって、社保庁の今後の運用や裁判所の判決をしばるという意味で、この法案自体には反対しようがない。野党の強行採決批判も分からないではないが、今、この瞬間も年金受給だけで暮らしている人たちを救うためには、一刻も早く通さなければならない法案だ。与野党の場外乱闘はいくらでもやればいいが・・・

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