トマトの味と環境問題 | エコロじいさんブログ
2010-02-16 16:21:56

トマトの味と環境問題

テーマ:地球環境問題
$エコロじいさんブログ-トマト

Q.
最近のトマトがおいしくなったのは蜂(ハチ)のおかげだって,ほんと?


A.
全てではないけれど、トマトの栽培(さいばい)にセイヨウマルハナバチという蜂を使うようになったから、と言われているんだ。



Q.
トマトの栽培に蜂をつかうって、どういうこと?

A.
トマトが実になるためにはトマトの花が受粉(じゅふん)することが必要なのは知っているよね。受粉にはふつう虫たちの存在が必要なんだ。蜂のような虫たちが花の蜜(みつ)を吸いにきたときに受粉するんだ。

むかしは自然の虫たちがこの受粉の役割を果たしていたんだけど、害虫の被害が多く、トマト栽培に多くの農薬を使用するようになったんだ。
農薬で害虫は駆除(くじょ)できても、受粉をしてくれる虫たちも花に寄りつかなくなって自然の受粉ができなくなってしまったんだね。

人工的に受粉させるためには多くの人の手間が必要になるだけでなく、成長を助けるために使われるホルモン剤がトマトの味を落としてしまったんだ。

そこで、外国からセイヨウマルハナバチ(全身にたくさんの毛が生えているので花粉が付きやすい)という蜂を輸入して、トマトの受粉実験してみたところ、どんどん受粉して、無農薬のおいしい良質なトマトが出来ることが分かったんだ。
いまでは多くの温室トマト栽培に使われ、そのために味もおいしくなった、と言われているんだ。


Q.
じゃあセイヨウマルハナバチを日本中にたくさん増やせばいいね。



A.
それが困ったことに、今では環境問題の原因のひとつになってしまったんだ。
外国から輸入したセイヨウマルハナバチが野菜栽培ハウスから逃げ出して、
日本中に自然繁殖をはじめてしまったんだ。
体が大きく強いセイヨウマルハナバチがどんどん増えて、体の小さい在来種(昔から日本にいる)のマルハナバチを攻撃したり、交配(こうはい)して新しい種類のハチが生まれたり、生態系に大きな影響が出始めてしまったんだ。


Q.
じゃあ、どうすればいいの?

A.
これは簡単には解決できない問題なんだね。
だれかが捨てたペットのミドリガメが成長して気性(きしょう)の荒いアカミミガメになって昔から日本にいたクサガメやイシガメをどんどん追いやってしまったし、違法放流した北アメリカ産のブラックバスやブルーギルが日本中の湖に増え続けて昔からいる魚たちを食べてしまう被害が広がってしまったことはみんなもよく知っているよね。

もともと日本にはいなかった生物たちが昔からいた在来種をどんどん追いやって勢力(せいりょく)を拡大して、今ではその繁殖を止められなくなってしまったものだけでも数え切れないほどたくさんあるんだ。セイヨウマルハナバチのように、農業に役に立つ益虫(えきちゅう)として輸入した生物が、自然界では害虫(がいちゅう)になってしまうことだってある、ということなんだね。



今年は生物多様性年ということで日本で国際会議が開かれ、この「外来生物と在来生物の関係」が重要なテーマのひとつになるんだ。
世界の専門家たちが集まるこの重要な会議で、どういう話し合いが行われ、どんな共同声明が出るのか、みんなで見守っていきたいね。



PHOTO:大東正巳

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