大地震 at 横浜① のつづきです。


バスを降りて家路を急いでいると、たくさんの人が歩いていました。


その時気がついたのですが、結構バス停で待っている人たちがいます。


よく考えたら、その人たちはバスが来ると思っているのです。



そこで、バスが来ないことを教えてあげようと思いました。


でも、結構勇気が要ります。


「もしバスが復旧して走っていたらどうしよう。。」と思ったからです。


嘘を教えてしまうことになります。



でも、さっき営業を停止しますって言っていたしなぁ、みんなこのまま待っていてもかわいそう。


そう思って、思い切って「市バスは営業停止になったっていっていたので、しばらく来ないと思いますよ」


と伝えました。


すると、「え~そうなの~?そっかぁ」と残念そうな顔をしながら「ありがとう」といってもらえました。



お礼を言われると、役に立ててよかったと感じました。


彼らはみんな電話もつながらず、バスの状況がわからないのです。


私は、数少ない、バスの状況を知っている人間になるわけです。


そのあとも、5つくらいのバス停を通過するたびに、みんなにバスが来ないことを伝えました。


するとやはりみんな「ありがとう」と言ってくれます。



(やっぱり言ってよかったなぁ)と思いました。


一方で、「もしバスが来たらどうしよう」と冷や冷やしてました。


もしかしたら、災害の時のデマってこんなふうに起こるのかもしれません。


誰かが善意で言ったことが、たまたま状況が変わって嘘になってしまったりすることは全然ありえることだと思います。


そう思うと、不安がありましたが、それでもしばらくは来ないはずと考え、一応みんなに伝えていきました。



すると、後ろから一台のバスが。。。まさか?


と思いましたが、よく見ると市バスではなく私営バスでした。


一部分だけ、市バスと同じ区間を走ります。



あー、そういえばちゃんと「私営バスはわかりませんよ」とは伝えていませんでした。


もしかしたら私営バスに乗ろうとしていた人もいたかもしれません。


ちょっと心苦しくなってしまいました。



「歩いてなんて、とても無理」と途方に暮れるおばあさんもいました。


そういう人は、ひと駅でもバスに乗れれば良いかもしれません。


こういうときって、どうすればよいのでしょうか? 正直わからなくなってしまいました。。。




でも、その後は、私営バスが通らない区間になったので、改めて伝え続けました。

子供を抱いて待っているお母さんとかもいて、気の毒でした。


一時間ほどかけて家に帰って、ネットで確認するとまだバスは復旧していないと書いてあったので、ちょっとほっとしました。(まぁもちろん、復旧しているほうがいいんですが。。。)



それにしても、「バスは来ないですよ」と言ったわいいけど、お年寄りとか子供連れとかは歩いて移動するのにも限界があり、どうすることもできません。


災害の時の帰宅困難問題は、かなり切実だと改めて感じました。



テレビで見ていると、宮城や岩手はすさまじい被害。


住民の皆さんのご無事をお祈りしています。