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薄型軽量のモバイルPC「VAIO Xシリーズ」がいよいよ日本でも発表された。厚さ13.9mmのフルフラットボディで、重さ655g(最軽量構成値)。もっとも小さい「Sバッテリー」で 約5時間、大容量の「Xバッテリー」を選べば最長20.5時間の駆動時間を誇るモバイルPCだ。

 

カラーはブラックとゴールド、プレミアムカーボンの3色。ゴールドとプレミアムカーボンはソニースタイル限定となる。

 

薄型ながらも、本体は150kgfの圧力試験にも耐える品質という。

 

ソニーらしく、本体のデザインに合わせたアクセサリも充実。キャリングケースやマウスもそろっている。

 

ソニー、カナル型イヤフォン「EX90SL」の後継「MDR-EX500SL」
-最上位と同構造で実売1万円。5,000円の下位機種も


MDR-EX500SL

10月10日発売

標準価格:オープンプライス

 


 ソニー は、EXモニターシリーズの新 モデルとして、「MDR-EX90SL」の後継となるカナル型(耳栓型)イヤフォン「MDR-EX500SL」を10月10日に発売する。価格はオープン プライスで、店頭予想価格は1万円前後の見込み。カラーリングはブラック(B)とホワイト(W)の2色。

 また、下位モデルであり、「MDR-EX85SL」の後継となる「MDR-EX300SL」も同日に発売。こちらも価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5,000円前後の見込み。

 


■ MDR-EX500SL

 EXモニターシリーズのイヤフォンは、16mm径の大型ユニットを採用した「MDR-EX700SL」(36,750円)が最上位モデルとして2007 年10月に発売されている。「MDR-EX500SL」はその下位機種であり、2006年5月発売の人気モデル「MDR-EX90SL」の後継と位置付け られている。

 MDR-EX90SLは、13.5mmの大口径ユニットを搭載するために、ユニットに対して角度を持たせたイヤーピース(アングルドイヤーピース)を採 用したのが特徴だったが、MDR-EX500SLでは同サイズの13.5mmドライバを採用しながら、さらに角度を持たせ、ほぼ真横にイヤーピースを配し た「密閉型バーティカル・イン・ザ・イヤー方式」を採用している。

 この形状は、最上位モデル「EX700SL」と同様。ユニットが耳穴に対して垂直になることで、ユニットが耳穴にぶつからず、ピースをさらに奥まで挿入できるのが特徴。耳穴との密閉度が向上するほか、装着安定性も向上するという。

MDR-EX90SLを耳の模型に挿入したところ。ユニット部分が邪魔をしている MDR-EX500SLではユニットが横向きになっているため、イヤーピースをより奥に挿入できるという

 ユニットは新開発。振動板は、厚さ0.1μm以下の2種類の高分子材料を数百層積層したマルチレイヤー振動板を採用。不要振動を抑え、クリアで解像度の高い音質を実現するという。

 また、EX90と同様に手作業による精密な音質調整を1台1台行なっており、理想的な音響特性の状態で出荷される。

 ハウジングにはアルミを使っており、不要な振動を抑制。イヤーピースは2種類の硬さを持つシリコンを組み合わせたハイブリッド仕様。芯の部分が硬く、音 の通路の形状を保持する一方、外側には柔らかい素材を使用。密閉度を高めると同時に、快適な装着性を実現するとしている。サイズはS/M/Lの3種類。

 最大入力は200mW。感度は106dB/mW。再生周波数帯域は5Hz~25kHz。インピーダンスは16Ω。コードはU型の60cmで、コード長アジャスター付。90cmの延長コードも付属する。本皮製のキャリングケースも同梱する。

イヤーピースは2種類の硬さを持つシリコンを組み合わせたハイブリッド仕様

ブラックモデル ホワイトモデル。コードはU型

 最上位モデルの「EX700SL」は16mm径という大口径ユニットを活かした低音再生が特徴だが、一方で35,000円を超える高価なモデルとしては 低音寄りの、“個性的な音質”と表現できるモデル。EX500SLは、EX90SL譲りの非常にフラットな再生音が好印象だ。もちろん、13.5mmとい う大口径ドライバによる量感豊かな低音は健在で、芯が通ったような安定感のある再生音が魅力だ。

 バーティカル・イン・ザ・イヤー方式を採用したことで、イヤーピースをEX90SLよりも、より耳の奥深くに挿入しやすくなっており、密閉度が向上した ことで上下のレンジが伸びた印象も受ける。1つ1つの音の輪郭線が明瞭になり、楽器の動きがより明確に味わえる。ただし、ハウジング全体がシルバーアルミ で仕上げられていたEX90SLと比べ、EX500SLは表側の一部のみがシルバーであるなど、手にした時の質感/高級感は若干低下したと感じた。



ソニー、カナル型イヤフォン「EX90SL」の後継「MDR-EX500SL」
-最上位と同構造で実売1万円。5,000円の下位機種も


MDR-EX500SL

10月10日発売

標準価格:オープンプライス

 


 ソニー は、EXモニターシリーズの新 モデルとして、「MDR-EX90SL」の後継となるカナル型(耳栓型)イヤフォン「MDR-EX500SL」を10月10日に発売する。価格はオープン プライスで、店頭予想価格は1万円前後の見込み。カラーリングはブラック(B)とホワイト(W)の2色。

 また、下位モデルであり、「MDR-EX85SL」の後継となる「MDR-EX300SL」も同日に発売。こちらも価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5,000円前後の見込み。

 


■ MDR-EX500SL

 EXモニターシリーズのイヤフォンは、16mm径の大型ユニットを採用した「MDR-EX700SL」(36,750円)が最上位モデルとして2007 年10月に発売されている。「MDR-EX500SL」はその下位機種であり、2006年5月発売の人気モデル「MDR-EX90SL」の後継と位置付け られている。

 MDR-EX90SLは、13.5mmの大口径ユニットを搭載するために、ユニットに対して角度を持たせたイヤーピース(アングルドイヤーピース)を採 用したのが特徴だったが、MDR-EX500SLでは同サイズの13.5mmドライバを採用しながら、さらに角度を持たせ、ほぼ真横にイヤーピースを配し た「密閉型バーティカル・イン・ザ・イヤー方式」を採用している。

 この形状は、最上位モデル「EX700SL」と同様。ユニットが耳穴に対して垂直になることで、ユニットが耳穴にぶつからず、ピースをさらに奥まで挿入できるのが特徴。耳穴との密閉度が向上するほか、装着安定性も向上するという。

MDR-EX90SLを耳の模型に挿入したところ。ユニット部分が邪魔をしている MDR-EX500SLではユニットが横向きになっているため、イヤーピースをより奥に挿入できるという

 ユニットは新開発。振動板は、厚さ0.1μm以下の2種類の高分子材料を数百層積層したマルチレイヤー振動板を採用。不要振動を抑え、クリアで解像度の高い音質を実現するという。

 また、EX90と同様に手作業による精密な音質調整を1台1台行なっており、理想的な音響特性の状態で出荷される。

 ハウジングにはアルミを使っており、不要な振動を抑制。イヤーピースは2種類の硬さを持つシリコンを組み合わせたハイブリッド仕様。芯の部分が硬く、音 の通路の形状を保持する一方、外側には柔らかい素材を使用。密閉度を高めると同時に、快適な装着性を実現するとしている。サイズはS/M/Lの3種類。

 最大入力は200mW。感度は106dB/mW。再生周波数帯域は5Hz~25kHz。インピーダンスは16Ω。コードはU型の60cmで、コード長アジャスター付。90cmの延長コードも付属する。本皮製のキャリングケースも同梱する。

イヤーピースは2種類の硬さを持つシリコンを組み合わせたハイブリッド仕様

ブラックモデル ホワイトモデル。コードはU型

 最上位モデルの「EX700SL」は16mm径という大口径ユニットを活かした低音再生が特徴だが、一方で35,000円を超える高価なモデルとしては 低音寄りの、“個性的な音質”と表現できるモデル。EX500SLは、EX90SL譲りの非常にフラットな再生音が好印象だ。もちろん、13.5mmとい う大口径ドライバによる量感豊かな低音は健在で、芯が通ったような安定感のある再生音が魅力だ。

 バーティカル・イン・ザ・イヤー方式を採用したことで、イヤーピースをEX90SLよりも、より耳の奥深くに挿入しやすくなっており、密閉度が向上した ことで上下のレンジが伸びた印象も受ける。1つ1つの音の輪郭線が明瞭になり、楽器の動きがより明確に味わえる。ただし、ハウジング全体がシルバーアルミ で仕上げられていたEX90SLと比べ、EX500SLは表側の一部のみがシルバーであるなど、手にした時の質感/高級感は若干低下したと感じた。

□関連記事
【2007年9月14日】【新プ】ソニーの最高級インナーイヤフォンの実力は?
16mmユニット搭載EXモニター。ソニー「MDR-EX700SL」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070914/np022.htm
【2007年9月3日】ソニー、カナル型イヤフォン「EXモニター」最上位モデル
-業界最大16mm径ユニット搭載。36,750円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070903/sony2.htm
【2006年4月28日】【新プ】7gの“モニター音質”イヤフォン
ソニー 「MDR-EX90SL」
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【2006年4月3日】ソニー、モニター音質を実現した耳栓型イヤフォン
-12,390円。「MDR-CD900ST」の技術を投入
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■ MDR-EX300SL

 「MDR-EX85SL」の後継モデル。EX500SLと同じ、「密閉型バーティカル・イン・ザ・イヤー方式」を採用。ユニット径も13.5mmと同じ だが、振動板はマルチレイヤーではない、通常の振動板となる。また、ハウジングにアルミも使われておらず、プラスチックのみとなっている。そのほかの主な 仕様は同じだが、EX500SLで行なわれている、手作業による音質調整の工程は省かれている。

 カラーリングはブラック(B)、ホワイト(W)、バイオレット(V)、レッド(R)の4色。最大入力は100mW。感度は105dB/mW。インピーダ ンスは16Ω。再生周波数帯域は5Hz~24kHz。コードはU型の60cm。90cmの延長コードや、コード長アジャスターも同梱。キャリングポーチも 付属する。イヤーピースはS/M/Lで、2種類の硬さを持つシリコンを組み合わせたハイブリッド仕様。






日本で100万台売れるとの予測もあったiPhoneだが、アナリストによると年内35万台にも及ばない情勢という。ただ、スマートフォン市場は相次ぐ新機種投入で活気づいている。

 パソコンの要素を取り入れ、データ通信やインター ネット閲覧機能に優れた高性能の携帯電話「スマートフォン」の市場が目まぐるしく動いている。ソフトバンクモバイルが7月に発売した米アップル製 「iPhone(アイフォーン)3G」は、注目は集めたものの急失速。一方、NTTドコモやイー・モバイルの攻勢も関心を集めている。携帯電話が国内で1 億台も普及した中、各携帯事業者はスマートフォンで新たな需要を喚起しようとしている。(上野嘉之)

アップル“敗戦”

photo セキュリティーの強固さでも人気があるNTTドコモの主力機種「ブラックベリー」

 日本では100万台売れる──との予測もあったアイフォーンに、もはや当初の勢いはない。アップルとソフトバンクは販売実績を極秘にしているが、 通信業界に詳しいUBS証券の乾牧夫シニアアナリストは「20万台前後で止まっている感がある」と推測。年内販売は控えめに35万台程度と見積もっていた が、それにも及ばない情勢という。

 アイフォーンは、タッチパネル式大型液晶画面による斬新な操作性▽インターネット閲覧の容易さ▽未来的なデザイン▽音楽プレーヤーを一体化した利 便性──などが魅力だった。しかし、絵文字が使えず、おサイフケータイ、ワンセグ放送受信機も搭載されていない。アイフォーンに買い替えると携帯メールの アドレスが変わってしまうことや、電池の持続力の短さなども災いし、購入層はアップル製品の愛好者などにとどまっているもようだ。

 乾氏は「新しい提案のある製品だが、日本向けに手直しせず発売した点で市場を見誤っていた。一定のヒットはしたが、戦後処理も必要な段階だ」とア イフォーン商戦を総括。携帯が電話とメール機能にとどまっていた欧米と異なり、「日本はすでにネット閲覧や音楽再生機能を盛り込んでいる。アイフォーンの 新規性は薄い」と市場環境の相違を指摘した。

利用のすそ野拡大

 とはいえ、アイフォーン以外にも多数の機種が投入され、市場は活気づいている。

 業界最大手のドコモは、スマートフォンはパソコン向け文書を閲覧・操作できるため、「ビジネス利用が中心」との戦略で販売を強化した。主力機種 は、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)製「ブラックベリー」。小さなキーボードを備えた外観が特徴で、世界で約1500万台を販売、米国では アイフォーンを上回る販売シェアを維持している。

 その強みは、法人契約の場合、専用サーバーを経由して強固なセキュリティーを確保、企業内メールも安全に送受信できることだ。「出張先でもバカンス中でも、どこでも会社のメールで意思決定に参加できる」(外資系企業社員)という。

 ドコモは2006年9月、法人専用サービスとしてブラックベリーの英語版を発売し、外資系企業などが導入。昨年7月には日本語版も投入した。さらに今年8月に個人でも契約できるようにし、9月からは割安な通信料金プランも設定、利用のすそ野を広げつつある。

 昨年3月に携帯市場に参入したイー・モバイルは今年3月、台湾HTC製スマートフォンを主力に据えた。米マイクロソフトのOS(基本ソフト)を搭 載してパソコン連携に優れ、同社の契約者数急伸の立役者となっている。PHSのウィルコムは05年12月に日本で初めてのスマートフォンを投入。国内販売 実績ではシェア約7割を占め、シャープ製端末は使いやすさに定評がある。

参入続々

 スマートフォンを未発売のKDDIも年内に参入予定。ドコモなどの回線を借りて通信事業を営む日本通信も、9月に参入する方針だ。

 メーカー側の動きも急だ。携帯世界シェア2位の韓国サムスン電子は、今夏、海外発売した最新製品「オムニア」の日本投入を狙う。ドコモ、ソフトバンク、ウィルコムの3社を通じて販売するHTCは、さらに機種を増やそうと働きかけている。

 来年はKDDI系のUQコミュニケーションズが次世代高速無線WiMAX(ワイマックス)方式を、ウィルコムが次世代PHS方式の「ウィルコム コア」を商用化する予定だ。いずれも通信速度が現在の携帯の数倍にあたる毎秒最大20メガビット程度へ向上する。両社ともスマートフォンを含む情報端末の 発売を検討しており、市場の活性化がいっそう進みそうだ。

通信料金の低廉化が課題

 日本の携帯電話は端末、サービスともに音楽、映像といった娯楽機能が充実し、ユーザーの利用も広がっている。前評判の高かったアイフォーンは決定 的な優位性を示すことができず、爆発的ヒットには結びつかなかった。この結果、スマートフォン市場は当面、ビジネス需要が中心になるとの見方が強まってき た。

 実際、ドコモやウィルコムは法人契約獲得に注力しており、ソフトバンクも、孫正義社長が自らアイフォーンの企業向けPRに乗り出す予定だ。

 ビジネスの世界では目新しさよりも実用性が重視され、キー入力のしやすさ、電池の持続性、信頼性などで海外のビジネスマンに浸透したブラックベ リー、HTC製端末に一日の長がある。日本メーカーもシャープ、富士通、NEC、東芝などが製品を投入しており、一般の携帯端末以上に国際競争が進んでい る。

 ただ、スマートフォンがデータ通信、インターネット閲覧機能を存分に発揮するためには、データ通信料金の低廉化が欠かせない。

 携帯各社は昨年来、データ通信料金に上限数千円の定額制を相次いで導入。ソフトバンクはアイフォーン販売のテコ入れも兼ねて、発売後2カ月間で2度も料金を引き下げた。今後もスマートフォン向け新料金や割引プランが、普及促進の引き金となりそうだ。

 一方、最近は手のひらサイズの超小型パソコンが売れ行きを伸ばしている。スマートフォンとすみ分けができるのか、それとも、同じ商品分野として競合するのか。今後の市場動向を左右しそうだ。

ウィルコムが発売したシャープ製の小型ノートPC「WILLCOM D4」。スマートフォンとは別にPCをラインアップする理由とは何か、「WILLCOM CORE」に隠された真の狙いを含めて開発担当者に聞いた。

 ウィルコムが発売したシャープ製の「WILLCOM D4 」。 W-SIMを内蔵するPHS端末だが、メインディスプレイに5インチの1024×600ピクセル表示対応タッチパネル液晶を搭載し、OSにWindows Vista、CPUにインテル製のAtom Z520(1.33GHz)、1Gバイトのメインメモリーと約40GバイトのHDDを採用した小型ノートPCだ。

 なぜウィルコムとシャープはPHS端末としてUMPCを開発したのか、スマートフォンの「WILLCOM 03 」に引き続き、ウィルコム サービス計画部課長の須永康弘氏に話を聞いた。

photo photo 「WILLCOM D4」。QWERTYキーボードを収納したViewスタイル(写真=左)と、QWERTYキーボードを引き出したInputスタイル(写真=右)

「WILLCOM CORE」で何をするのか

photo ウィルコム サービス計画部課長の須永康弘氏

 ウィルコムは2009年の春から、次世代PHS「WILLCOM CORE 」サービスを一部地域で開始する。通信速度は、現行PHS(最大800bps)やHSDPA(最大7.2Mbps)を上回る上下20Mbps程度から最大100Mbps以上と言われ、同時期にスタートする「モバイルWiMAX 」とともにモバイルブロードバンドサービスとして期待されている。

 須永氏はWILLCOM D4の開発を前に、“ワイヤレスブロードバンドを使って何をするのか”という疑問に答えられる、WILLCOM COREが指し示す新しい世界を表現するデバイスが必要と考えたという。

 「WILLCOM COREでは、モバイル環境でも自宅のブロードバンド環境と同じようなスピードでデータ通信ができます。そのため外出先でも、YouTube などPCで人気のWebコンテンツをそのまま楽しめるのです。我々はこれを“コンテンツのFMC ”(携帯と固定を融合したサービス)と呼んでいますが、家庭のデスクトップPCと同じように使える新しいモバイル端末を、今から用意するべきと判断しました」(須永氏)

 PC向けのリッチコンテンツをフルに楽しむことは、WILLCOM 03などスマートフォンに使われているWindows Mobile OSや、ARM互換プロセッサでは難しい。例えばYou Tubeやニコニコ動画を見る場合、PCでは常に最新のFlashプラグインがサポートされるが、スマートフォンでは簡易版のFlash liteがかなり遅れて登場するのが現実だ。ドコモの音声端末には、専用のモバイル向けYouTubeサイトが用意されているが、他キャリアの端末では利 用できない。

 また須永氏は、コンシューマ向けのモバイル市場は“バリエーションの世界”になっていることも挙げた。ニーズが多様化したことで、どんなサイズや 形状がベストなのか、一概に言えなくなってきている。スマートフォンよりパワフルで、ノートPCよりも持ち歩きやすい――。こうした特徴を提案すること で、新しいニーズを掘り起こすのも、WILLCOM D4に託された期待の1つだ。

 「ハードウェアに制限があるモバイル環境では、たとえ通信速度が速くてもリッチコンテンツを再生するためのプラグインが遅れてサポートされます。 ならば、スマートフォンのように携帯できるWindows PCを作れば、フルにリッチコンテンツを楽しめると考えました。また、競争が激化するモバイル端末市場、データ通信市場の中で、これくらいのインパクトが ある製品をださなくては、WILLCOM COREの先進性を理解してもらうのが難しいと思います」(須永氏)

photo ワイヤレスジャパン2008に参考出展されたWILLCOM CORE対応W-SIM

 とはいえ、今のWILLCOM D4が対応する移動体通信方式は最大204kbpsまでのPHS通信のみ。USBやBluetooth経由で他キャリアのデータ通信サービスを利用するこ とも可能で、自宅や会社、公衆無線LANスポットでは無線LAN(IEEE802.11b/g)によるネット接続も可能だが、WILLCOM COREを見据えたというWILLCOM D4の真の実力は発揮できていないのが現実。ではWILLCOM D4ユーザーは将来、どんな形でWILLCOM COREを利用できるのだろうか。

 「WILLCOM COREに対応したW-SIMの開発は現在チャレンジ中です。いずれは、現在同梱しているW-SIMと差し替えることで、WILLCOM COREを利用できるようになります。最初はWILLCOM CORE対応のデータ端末をUSB接続するスタイルになるかもしれませんが、いずれにせよ、WILLCOM D4の製品ライフサイクルに間に合うようにWILLCOM COREを提供します」(須永氏)

PCとして、モバイル端末としてギリギリのサイズ

photo A4ノートPC、B5ノートPCと、WILLCOM D4の比較

 WILLCOM D4発表の際、そのデザインと端末コンセプトから、これは「W-ZERO3(WS003SH) 」の後継機種ではないかという声が聞かれた。最新のWILLCOM 03は、W-ZERO3から派生した「W-ZERO3[es] 」「Advanced/W-ZERO3[es] 」の進化版であり、大型タッチパネルでよりPCライクに使うというW-ZERO3の後継モデルはその後発売されていない。

 須永氏は、WILLCOM D4がW-ZERO3の後継機種であることを否定すると同時に、将来登場するW-ZERO3の純粋な後継機種と、WILLCOM D4の後継機種が同じになる可能性を明かした。

 「将来、W-ZERO3のような大型のタッチパネルを備えるスマートフォンと、WILLCOM D4のような超小型PCの境目がなくなっているかもしれません。PC用のOSを採用したケータイサイズのデバイスが出ているかもしれませんし、ケータイ OSを採用したノートPCサイズのデバイスが登場する可能性もあります。法人市場ではともかく、コンシューマ市場では何かのプラットフォームに依存するこ とはないでしょう」(須永氏)

 WILLCOM D4がW-ZERO3を意識しているのは、そのサイズだ。須永氏はW-ZERO3と同じ厚さになるようWILLCOM D4を開発したという。また、幅や高さについては、搭載ディスプレイの選択がポイントだったと振り返る。

photo photo WILLCOM D4とW-ZERO3(WS003SH)。標準バッテリーを付けたWILLCOM D4の厚さは約25.9ミリで、W-ZERO3の厚さ約26ミリとほぼ同じ。ただし、WILLCOM D4に大容量バッテリーを付けると厚さは約35.3ミリになり、9.4ミリ厚くなる

 「Windows Vistaを使うなら、ディスプレイは1024×768ピクセル程度の解像度が必要です。そこで、3インチから7インチくらいまでのパネルを用意して、ど の大きさで文字が読みにくくなるのか、そのサイズ感をチェックしました。見比べていくと、4.8インチが微妙なラインでした。この寸法を境に、実用的かど うかが分かれたのです。そこで、1つ上の5インチパネルを採用することにしました」(須永氏)

 なお、当初用意した中で最大の7インチを採用すると、本体の重さが1キロに近づいてしまうという。その場合、当初企画したモバイル端末としてのバランスが崩れてしまう。持ち歩きやすさ、必要な解像度、文字の読みやすさを勘案して、このサイズになったのだ。

 次回の開発陣に聞くWILLCOM D4後編では、ノートPCとして重要なキーボードの使い勝手、電話としてかかせない通話機能、そしてWindows Vistaを採用した理由やライバルと目される他社のMIDやUMPCとの違いを聞く。