当院では、患者さんの特別な要望がない限り、初診時の治療は応急処置にとどめ、口腔内全体の問題について詳しく説明をするようにしています。

 

これは、患者さんにご自身の歯や口腔内の現状をよく知っていただき、いまどのような状態で、どのような治療が必要なのか、充分にご理解していただきたいからです。

 

これをせずに、いきなり治療を行うことはまずしません。

 

治療を成功に導くためには、患医の信頼関係を築くことが非常に重要であると私は考えています。

 

ですから、初診時には十分な問診と説明をするために、時間を割くようにしています。

 

 

ところで、先日、診療中に、ある患者さんと雑談をしていて、ハッとしたことがありました。

 

その患者さんは、歯科に対して少し恐怖感をもっておられ、口腔内は虫歯で歯が崩壊していたり、歯を抜いて放置してある状態でした。

 

当然ですが、食事をまともにとることができない状態で、とても歯にコンプレックスをもっておられました。

 

その患者さんがおっしゃるには、

「どこの歯医者さんに行っても、私の口の中を見ると「あ~」とため息をつかれるんです。これがすごく苦痛で、心が折れるんです。」

「先生に治療をお任せしようと思ったのは、それがなかったからです。」

 

確かに口腔内は、とても悪い状態でした。

 

だからこそ、患者さんは苦痛を覚悟で歯科医院の門をくぐろうとするのてす。

 

それを、口の中を見るなり、ため息をつかれては、心が折れるのも当然でしょう。

 

患者さんは、医療者の一挙手一投足を繊細に感じ取っています。

 

患者さんの期待に応えるためには、ただ治療を提供するだけなく、患者さんが心を開けるような医療者の言動や態度が大切だと痛感した出来事でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。