今回は、スプリント(マウスピース)を使用した咬み合わせ治療について書きます。

顎関節症の治療でよく用いられるスプリントには、装着時間でみると、夜間装着型と終日(一日)装着型の2種類があります。

夜間装着型はナイトガードとも呼ばれ、主に、就寝時のくいしばりや歯ぎしりなどの習癖から、歯や顎関節を守り、顎関節症の症状を緩和しようとするものです。主に、咀嚼筋や顎関節のリラクゼーションや関節円盤のずれを治すために使います。

このタイプは、スプリントを取り外すと元の咬み合わせに戻る可逆的な治療法です。したがって、咬み合わせの根本的な改善には向いていません。

一方、終日装着型のスプリントは、咬みあわせをきちんと咬めるように作るので、食事の時も口腔内に装着した状態で使います。咬み合わせが悪く、咬み合わせの根本的な改善を行う場合に用います。

ただし、この終日使用のタイプは、使用期間が2~3か月を超えると、スプリントの厚みの分だけ奥歯の骨の中への沈み込みが生じ、歯列(歯の並び)そのものが変わってきます。スプリントの使用をやめると、歯がきちんと咬み合わなくなる非可逆的な治療法です。

したがって、終日装着型スプリントは、基本的に短期での使用が絶対条件で、長期の使用は補綴(歯を削って被せる)や矯正治療の併用を前提とした治療ということになります。

スプリント療法は、スプリントの使い方によって、その目的や治療効果、副作用の有無など様々です。スプリントは、「魔法の杖」ではありませんので、すべての不定愁訴が治るものではありません。治療の見通し(期間や費用、効果等)を担当の先生とよくご相談したうえで、治療法を選択することが非常に重要です。

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