月みればちぢに物こそ悲しけれ
     わが身一つの秋にはあらねど
                      大江千里

風が冷たくなってきましたね
カラッとしてすっかり秋の空気です

芽吹きや生い茂るような勢いは
感じられなくなり
実を結んだり 紅葉を楽しみにしたり
夏が終わると今年も終わるような気持ちになります
全てが一様に変化しているはずなのに
まるで自分一人だけが感じるような
儚い秋の悲しみの歌です



9月23日
海老澤宗香茶道教室のお稽古

毎月生徒さんの暮らしに役立てていただくため
次月の歳時記のお話をしています

来月 10月のテーマは 「中秋の名月」

別称 「十五夜」 ともいう旧暦8月15日の月
なぜ 「中秋」 なのかといいますと
旧暦では
春は1月~3月
夏は4月~6月
秋は7月~9月
冬は10月~12月
8月は秋の真ん中ということで
「中秋の名月」 なのです

新暦に換算すると2017年は
10月4日にあたります


日本にも定着している 「お月見」 の風習は
平安時代に中国から渡ってきた「仲秋祭」が始まりです
平安貴族たちは庭園の池に
「龍頭舟」 と 「鷁首(げきす)舟」 を浮かべて
水面に映る月を眺めながら船上で詩歌や音楽を楽しみました
現代でも京都の 大覚寺 や 神泉苑 で
船上観月の会が開かれています



それはやがて一般庶民にも伝わり
祭壇に 月見団子 ・ 秋の収穫物 ・ 御酒 ・ ススキ

を供える現代のお月見のかたちになりました
これは 豊作を祈る お祭りです
なので 「芋名月」 ともいわれるようになりました

京都 下賀茂神社のお供え物


関東の月見団子は白い真ん丸な団子ですが
関西のものは不思議なかたちをしています



楕円は芋の形を表現しているとも言われています


室礼も 「中秋の名月」 に因んだものです
秋の収穫物に燭台を添えて
お月様に捧げます







床は 「月上青山玉一團」
これは禅の教えを説いた言葉の一節ですが
前に 「風吹碧落浮雲盡」 という対句があります

青空に風が吹いて雲を散らすと
青山の上に宝玉の様な月が出ていた

雲を邪念と捉え それが晴れれば

輝かしい境地が待っている
ということでしょうか
表装の色が眩しい程の月の輝きを連想させます




ススキと秋の花々を昔の人が実際に使っていた
背負い籠にいれました



今回のお稽古は 「和巾」
裏千家11代玄々斎が孝明天皇より拝領した
裂地を披露するために復興した点前です
教本にも掲載が許されない格の高いもので
裂地の扱いに特徴があります



菓子も3種という決まりがあります



今回は 「松島」 製の上用と
私がとってもオススメする音譜
同じく松島の 「稲荷ゆべし」
水菓子には生徒さんお土産の梨です


月には兎がいる と言われるゆえんは
単純に月の黒っぽい影の部分が兎に見えるから
傍らに見える臼で餅をついていると言われていますが
元々は薬をついていたのです
かぐや姫が翁と媼に贈った不老長寿の薬です
昔の蒔絵に兎と草花がデザインされていることが
ありますがそれは薬草を描いているのです



初心者クラスも新たな生徒さんを迎え
美しい袱紗捌きを実践しました



肩から指先までの角度、ライン
気を付けるポイントなどを
ひとつひとつ確かめながら…
点前は肉体との対話です
身体の隅々にまで神経を行き届かせなければ
美しい点前はできません
ある先生は 「着物の袂(和服のそでの下の袋状の所)
にも神経通して動かせる」
と仰っていました叫び
それは神の領域として

ポイントがわかってくれば
日常の生活でも気づく部分が多く
生活も美しく変わっていくはずですキラキラ





月に関する日本語が沢山あることから
昔のかたの月に対する思い入れを計り知ることができます
雲などで月が見えないことを 「無月」(むつき)
雨が降ることを 「雨月」(うげつ)
と呼んで ほんのり明るい風情を楽しんだそうです
お天気に恵まれなくてもがっかりせずに
十五夜くらいはのんびり夜空を眺めてみたいものです



 

 

 

 

【海老澤 宗香 茶道教室のごあんない】

次回の

お稽古は 10月21日(土)

  茶道を通じて素敵な日本を知りませんか音譜
ワークショップは 10月22日(日)

 茶道の神髄「侘び」を体感するワークショップですキラキラ

 

いずれも経験問わず募集中ですビックリマーク

見学も歓迎しております

事前にご予約をお願いいたします

Email : WAXWANE29.5@gmail.com
※WAXWANEは小文字にしてメール送信してください

 

 

 

【3回完結茶道のきほん講座 ~飲んで点てて知る~】

第3回生は残席少なくなってまいりましたが
第4回生も募集中です

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