8月19日 茨城県陶芸美術館にて開催いたしました

日本陶芸展 葉月の茶会
の室礼は 苔の瑞々しさを表現しました
透ける素材を使い
茶席の上部のライトを活用し
他の照明は落として
スポットライトのようにしました



青に黄色い光が透過して
緑色の影が席中に落ち
軽い素材は空調に吹かれて
影がずっと揺らめいていました



実は茶席の光と影の演出は
決まり事として存在しています

茶道の本来の姿は「茶事」にあります
中でも基本である 正午の茶事 は
初座 の食事の後
いったん庭に出ていただき
その間に床の掛軸を外して花に変えたり
茶道具を用意したりして
後座 では抹茶を召し上がっていただきます

初座 では窓に簾をかけておいて

 



後座 お客様が席に入ると
簾を巻き上げ光を取り込む
という演出をするのです



これは陰陽思想の表現でありますが
場面展開として素晴らしい効果を発揮します
簾を巻き上げるごとに
徐々に室内に差し込む光は
単純に美しく
別世界に変えます
そして目が慣れてくると今度は
影の美しさに気づかされます



新緑の頃には緑の
紅葉の時期には赤い
光と影が落ちて
季節の移ろいを感じます



今回の呈茶会では
劇的な場面展開は叶いませんでしたが
お客さまには

水の中に居るようだ

雨なのかな

滝を感じて涼しげだ

と感想をいただき そのかた
それぞれの瑞々しさを感じていただけたかな
と嬉しく思いました





日本人はもともと間仕切ることで
部屋をつくってきました
平安時代には床と柱と天井があって
寝る場所を囲って寝室にしたり
していたのです

茶室の始まりも衝立状のもので囲った空間でした

今回の会場は美術館のオープンギャラリーで
3階吹き抜けの大きな空間
そこに畳を置き 壁を作って
仕切ることで茶席としていました
しかし吹き抜けの縦の力が強すぎて
茶席へのフォーカスが弱かったのです

文月の茶会では

重心を下に持たせることで解決しましたが



葉月の茶会では
天井自体をつくってしまおうという作戦です
今回は 物体 ではなく
茶席としての 空間 が生まれたように感じました

伝統的な茶室でも
天井に創意工夫を凝らしています

床は一つの面ですが
天井によって格式の差を持たせています
最も格の高い
真 「平天井」
床前の天井でユカと平行です



竿縁天井や



網代天井など


次に格が高いのが
行 「掛込天井」
斜めになっている天井で
客の出入口の上に設けます




格が低い
草 「落天井」
亭主(もてなす側)が居る点前座の天井を
他より低くすることで謙虚さを表現しています



葭や蒲などの軽快な素材が用いられます



使う材や意匠も多様性があり
自由な表現がなされています



船板をつかった天井もあります

窓の位置大きさとともに
一番大きく違いがでる部分が天井なのです





私も沢山の茶室を見て
四季を通じての茶事を経験し
茶道 茶の湯 にとっては
道具だけでなく 空間 も
大切な要素のひとつだと実感しています

しかし伝統的な茶室が正解
という訳ではありません
自動車や飛行機が行き交い
沢山の騒音に溢れた現代
木と土の壁で仕切るだけでは
外界との遮断が不十分な場合もあります

かといってビルの中に
草案の茶室をそのまま入れ込むのも
なんだか滑稽です

茶席は正に一期一会
その場限りの瞬間ではありますが
だからといって表面上の
カッコイイ・スゴイ表現では
物足りない

昔の人が大切にしてきたモノや
意味を汲み取り
軸に据えることを忘れずにいたいです

 

 






茶室にサブライムは必要か~磯崎新と藤森照信の茶席建築談義~
 

 

 

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