#628 レビュー 『ホメーロスのイーリアス物語』バーバラ・レオニ・ピカード | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

歴史をもっと知りたい!
本を読めば広がる光と闇を楽しんでいます。
歴史と読書記録。積読などをアップしながら、日本史や世界史を問わず歴史の考察などを発信します。

ホメーロスの イーリアス物語 (岩波少年文庫) 』ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』の大筋を理解するためにまずは児童書で読みました。

中学生向けで平易で、分かりやすく編集されているので、『イリアス』の大筋理解にとても役立つ1冊

 

ホメーロスの イーリアス物語 (岩波少年文庫) Amazon

ホメーロスのイーリアス物語 (岩波少年文庫) [ ホメロス ] 楽天

 

  レビュー

先に、岩波文庫にて『イリアス』を読みましたが、それは10年に及ぶトロイア戦争の9年経過した終盤戦の50日程度の部分だけを作品にしたものでした。

 

それゆえに、なぜトロイア戦争が起こったのや、どういった経緯なのかという部分は一切ありませんでした。それでもこの作品が今も残りつづけたのには、まずは少なくともその当時の人たちにとってはトロイア戦争の話自体は周知の事実のようなところがあったんだと思います。

 

ギリシアとトロイアがまだどちらが勝つのか分からない長期戦の均衡状態からギリシア側に大きく傾き始めていくその転換点にあたるところ切り出して描いた作品と言えますが、それを今の人たちが読むと、その当時の人とは前提知識が異なります。そこで作者は本書のプロローグとエピローグで、トロイア戦争の原因や始まり、かの有名な「トロイの木馬」による終戦といった一連の流れの話もつけて、ホメロスの『イリアス』を理解しやすくしてくれているのがありがたいポイントです。

 

もう一つありがたいポイントとして、ホメロスの『イリアス』では登場人物の名前が、その人物の名前であったかと思えば、その人物の父の子というような呼び名に変わったりと結構人物名が変わるので厄介でしたが、そこらへんも中学生向けの本として注意して編集してくれているので、本当に読みやすいです。

 

先に本書を読んで、それからホメロスの『イリアス』を読むのがいいと思える1冊でした。

 

〈書籍データ〉

『ホメーロスのイーリアス物語』

著 者:バーバラ・レオニ・ピカード

訳 者:高杉一郎

発 行:株式会社岩波書店

価 格:880円+税

  2013年10月16日 第1刷発行

岩波少年文庫 610

 図書館で借りてきた本のデータです。

 
 
 
 

 

 

 

ABEMAプレミアム

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村