やっと次にやるべきことに取り組み始めた今日この頃。
今年は勝負の年と位置づけて
様々な試みをしているところですが、
少しづつ人の輪も広がってきている状況で、
これからさらにがんばっていかなければいけないと気を引き締ているところです。
さて、今日は思い出話。
実は僕はあまり写真を撮る習慣がなくて
最近でも練習風景を撮っておこうと思っていながら
結局忘れて飲み会の写真だけになる(笑)
ということがお馴染みになっております。。。
なのであまり写真はないのですが、
まずは写真をちゃんと撮った音楽家との思い出を。
今回はファゴットの巨匠といえばこの人。
楽器を始めた頃はCDでよく聴きました。
ミラン トルコヴィッチ☆

彼とは大学の教授試験のときに会いました。
僕が留学していたウィーン音楽院のファゴットの教授を選ぶ公開試験の
ゲスト審査員としていらしてました。
ヨーロッパの大学は教授を選ぶのに
演奏とレッスンを審査員(教授陣など)と学生の前で行い、
一番評価された人が教授就任となります。
僕は生徒代表でレッスンを受講しました。
曲はジョリヴェの協奏曲♪
ファゴット吹きなら難曲として知られている曲です☆
試験を受けに来た人たちも名だたる人たちだったのですが、
やはりトルコヴィッチは別格です☆
正直、
トルコヴィッチにどんな評価されるのかも気になるところでした。
終了後、僕の師匠であるミヒャエル ヴェルバに呼ばれると
あ、ヴェルバ先生はこの人↓(先月郡山で会った時)

既に僕のことを話していたようで
「トルコヴィッチ先生に講評を聞きなさい」
とのこと。
トルコヴィッチは快く話してくれて
とても良い評価をいただいて感激でした。
また、推薦状も書いていただけるということにもなりました。
結局、書いてもらう機会はなかったのですが
噂と違ってとても感じの良い対応だったし(笑)
良い講評をいただいたので良い思い出です♪
写真も快く写ってくださり、
その横でヴェルバ先生はずっと笑ってました。
普段写真を忘れる僕でも
さすがにトルコヴィッチとは写りたいもんですよ☆
それがこの写真。

僕も嬉しそうですね(笑)
ちなみにまだ二十代の頃です。
何年前だっけな。。。
彼はファゴット奏者でありながら、
やはり音楽家。
自分の音楽を強く持ったファゴット奏者だと思います。
その個性には賛否両論ですが、
そこがまた一流たる所以かなと思います。
ちなみにブラームスのソナタの録音は
録音のバランスなどは納得できませんが、
演奏自体は僕の聞いたブラームスの中では
一番好きです。
ここではyoutubeにあがってる動画を紹介。
コツェルーという作曲家のファゴット協奏曲。
この曲は古典派のファゴットのレパートリーとして重要です。
この曲を大学の入試にしているところもあります。
この演奏は指揮者なしですが、
オーケストラも素晴らしく(コンマスの存在感すごいですね☆)、
トルコヴィッチの演奏も秀逸です。
ちなみに彼はタンギング(音を切るときに舌をつくこと)が
かなり遅いらしく
ほぼダブルタンギングらしいです。
そう思って聞くとファゴット吹きなら理解できると思います(笑)
生では2回ほどウィーンで聞いたことがありますが、
音量こそあるわけではありませんが、
彼の音楽はいつも伝わってきます。
僕の演奏をお聴きいただいた方はおわかりいただけるかと思いますが、
僕の音や音楽とは結構違いがありますが、
その人の確立された音楽や演奏スタイルはいつも興味深く聞いています。
好き嫌いだけでなく、
この人はどうやって音楽を作っているんだろう?
と思って聞くと新しい発見ができたりして楽しいものです♪
ファゴット奏者としてだけの職人ではなく
彼のように
「音楽家」として
評価されるようにがんばっていこうと思います。
もう一度くらいどこかで会えたらいいなぁ。