HIPIMS(High power impulse magnetron sputtering)技術は、最近急激に注目を集めています。ここで紹介する論文は、用途として光学薄膜を検討しています。TiOx膜は、高屈折率薄膜として使われていますが、より高い屈折率を持つことで、高い光学特性を得られます。この論文のスパッタ条件では、従来のDCスパッタでは、2.0程度の屈折率が2.55程度(550nm)に大幅に向上しています。HIPIMSの周波数依存性では、周波数を低くすると、例えば500Hzから200Hzに変更すると、アナターゼ結晶からより緻密なルチル構造に変化しています。結晶粒サイズも小さくなりナノクリスタルの状態になります。もう一つの特徴は、ヒステリシスの減少です。

実用的に量産しようとした場合には、コストの観点から、大面積、高速成膜が必要になります。そのためには、金属ターゲットを用い、O2を導入した反応性スパッタが必要です。そこで遷移領域制御をして高速化するときには、ヒステリシスが小さい方が制御し易くなります。論文名 HIPIMS deposition of TiOx in an industrial-scale apparatus:Effect of target size and deposition geometry on hysteresis  著者Alessandro Surpi et al. 雑誌 Surface&Coatings Technology 235(2013)714

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