明けましておめでとうございます!Earth小杉です
とうとう2021年の幕開けでございますね~
旧年中も大変お世話になりました
昨年まで気まぐれに長期休止していたこのブログに、
ご訪問並びにいいね下さった皆様に厚く御礼を申し上げます
本年もどうぞ暖かくお見守り頂けましたら幸いです
さて、年初から厳しい寒さが続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
巷では相変わらず新型コロナも猛威をふるっておりますが、
お互い心身の健康を損なわぬよう気を付けて参りましょう
さて、本日ご紹介させて頂きますのは、
「エクロジャイト(榴輝岩)」でございます
どうぞお時間の許す限りお付き合い頂けますと幸いです
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エクロジャイト/Eclogite(和名:榴輝岩)
組成:(鉄ばん石榴石)Fe3Al2(SiO4)3./(苦ばん石榴石)Mg3Al2(SiO4)3、
(Ca,Na)(Mg,Fe2+,Al,Fe3+)Si2O6(オンファサイト)
モース硬度:6~7.5
新年一発目から、華やかさからはちょっと遠い石のご紹介~~
渋めのワインレッドと深いモスグリーンのコントラストが
ちょっと地味なクリスマスカラーにも見えるこの石
広域変成岩の一種で、エクロジャイトと言います
組成を見て分かるように、最低2種の岩石が合わさってできているもので、
比較的圧力が低い場所で生成したものは鉄ばん石榴石(アルマンディン)、
圧力の高い場所で生成したものは苦ばん石榴石(パイロープ)を多く含みます
因みに、見た目は全く違いますが成分的には玄武岩と殆ど同質で、
成因は玄武岩質の海底プレートが地殻変動によって
上部マントルに沈み込んだ際に高温高圧にさらされたため※と考えられ、
主にかんらん岩に伴ってゼノリス(捕獲岩)などの形で産出します
(※高圧高温ってひとくちに言うけどどんぐらいよ??っていう疑問ですが、
エクロジャイトの場合は約600~800℃の間で、
約1万~数万気圧前後(地下約30kmより深く,約100kmの深さでできるものもある)
の環境で変性し生成されるようです)
かんらん岩やゼノリスについては
(地味ながらもなかなか味があってかわいらしい色合いのエクロジャイト
ガーネット部分は劈開などがないので比較的頑丈ですが、
緑のオンファサイト部分は二方向に完全な劈開を持っているので、
過度な衝撃などには若干注意が必要です)
正確には透輝石(ダイオプサイト)と翡翠輝石の個溶体で、
その中にヘデンバーガイトやエジリン(チャロアイトとかにたまに混じってる黒い結晶ありますよね?アレです)
などの成分も含む、とても複雑な組成の鉱物なのです
正確な発見年などは分かりませんが、
既に1921年頃にはノルウェー西部の片麻岩帯に伴う露頭が
重要な研究対象とされていたようです
この地域ではコーサイトと呼ばれる石英が高圧下で相転移した鉱物も見つかっており、
エクロジャイトが如何に特殊な環境で生まれるかを物語っていますね
プレートテクトニクスのパターン究明に役立つと考えられる事から
現代の地学の上でも大変に重要な研究対象に位置づけられていて、
この石の名前を冠した国際的な会議も存在したほどです
ちなみに、命名はギリシャ語で「抽出」や「選り抜く」を意味する
「エクログ(Ecloge)」に由来するそう
(余談ですが、この語は後に古代ローマに於いて「牧歌」を意味する言葉へと転訛しました
あらゆるジャンルの短詩や、詩の本から精選された作品を指す語として使われはじめたのが起源で、
それがそのうちウェルギリウスの著した「牧歌」という作品を表す語へと変化していき、
それが現代に引き継がれた結果田園歌曲や牧歌調の曲全般をエクログと呼ぶようになったらしいです
そのため、現在エクログ(Ecloge)という単語を検索にかけると
大量の牧歌や田園歌曲、それ関連の動画、音源がヒットしますので混乱することウケアイです)
話が大いに脱線いたしましたが…
ガーネットやオンファサイト(翡翠輝石の緑部分)などの
宝石となりうる鉱物の集合体のような石な上に、
ペリドットを伴ったり時にダイヤを含んでいたりもしますので、
「選りすぐった逸品」という意味を込めての命名なんだとか
翡翠にダイヤにガーネット、ペリドット…
数々の宝石の依り代になりうるエクロジャイトさんは、
まるで錬金術の坩堝(るつぼ)のような存在ですね
翡翠などと同じく、このエクロジャイトもとても限られた地域でしか採れません
しかも見目好い石が纏まった量採れる産地となるととても少なく、
現在市場流通するエクロジャイトは殆どがノルウェー産です
日本での産地は愛媛県の東赤石山が知られますが、
翡翠やコスモクロア、オンファサイトの採れる糸魚川が
産地としてあまり認知されてないというのも不思議な気がしますね
(単に地権や保護の観点から採掘の難しい地域だからっていう可能性もありますが…)
(東赤石山産エクロジャイトの原石スライス
この産地は露頭が地上に現れた経緯が謎に包まれており、
国内外の地質学者さんたちが目下研究中なんだとか
更に驚くべき事に、ここで採取されたエクロジャイトは
日本では産出しないとされていたダイヤモンドを内包していました(超極微小サイズですが…)
この国がいかに特殊な地質で構成されているのかを物語るようなお話ですね)
ガーネットを含むことから、1月16日の誕生日石にも選ばれているエクロジャイト
パワーストーンとしての効果については、
☆持ち主の実力とカリスマ性を向上させる
☆生命力と気力を充実させ、行動力を高める
☆環境変化やプレッシャーに揺らがない精神力を育てる
☆現実を現実のまま見つめることを助け、
虚像や幻想に惑わされないようサポートする
☆努力を惜しまない人に素晴らしい結果をもたらす
などと言われているようです
「忍耐」や「耐久力」を培ってくれるガーネットと、
「初心を呼び覚ます石」ダイオプサイトと「豊かさと徳の石」翡翠の
二つがまじり合った個溶体であるオンファサイトが合体しているので、
上記の効果もむべなるかな、といったところですね
目標の一歩手前でパワーダウンしちゃうっていう方や、
どうにも本番に弱くていけないわ!!って言う方にとっても
エクロジャイトは心強い味方になってくれそうです
(変成岩祭り状態のブレスレット
紫のマーブルはチャロアイト、サーモンピンクとモスグリーンの石はユナカイト、
ダークブルーの石はピーターサイト(ジャスピライト)です
自己改革、鍛練に効きそうな組み合わせですね)
奇跡を「待つ」のではなく「練成」したい!
努力を惜しむ気はないが空振りするのは嫌だ!
詰めの甘さや肝心な所をぼかす癖を克服したい!
悔恨や予期不安に苛まれることなく「今を自分らしく」生きたい!
抑圧続きでうっ屈した気持ちを楽にしたい!
このような方にエクロジャイトはお勧めですよ~
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さて…本日のブログタイトル、
玉置浩二さんが歌う「田園」の一節からお借りしました
図らずも石名と「田園」というワードがリンクしましたがw
田園って言う割に歌詞にはそれっぽい情景が出てこないのに、
決然とした疾走感と何とも言えないノスタルジーがある名曲です
歌詞的には嵐の「君のために僕が居る」にも繋がる感じがあるのですが、
田園はもっとなんかこう…「背水の陣」っぽい緊張感もある、
より大人な感じの内容なんですよねぇ
しゃにむに走る日常、どうにも報われているのかそうでないのか
毎日を必死に積み上げている時は今一つ実感が湧かないものだけれど
それでもいつの日か振り返った時に、納得のいく何かが残せていたらいいな
そんな事を想いながら新時代を模索する毎日
過去に生きず、未来に生きず、今を疾走したいそんな時、
エクロジャイトと玉置浩二、おひとついかがでしょうか?
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本日の石紹介、いかがでしたでしょうか?
昨春から世界的な流行が起こって、
現在もあちこちで猛威を奮っている新型コロナ
年の初めから日本でも感染者数がウナギ登りで
いろいろ我慢のしどころも多いお正月だったと思いますが、
この経験が後に大きな糧となるよう
堅実に日々を積み上げていきたいものですね
「冬きたりなば、春遠からじ」を信じて
ここまでお付き合い頂き誠にありがとうございます!
それでは、今回はこの辺で