皆様コンニチハ
富山の小さな石屋、Earthの小杉です
いやー、目を離した隙に暦が進んじゃって、歳末ももう目と鼻の先ですね
今年は「ちゃんと」冬があるそうで、気候も日に日にそれらしくなってまいりました
性質の悪い流行病を貰わないように気を引き締めて、
残り少なくなった2020年をエンジョイして参りましょう！！
さて、今日ご紹介させて頂きますのは、
2017年に発見されたパワスト界のニューフェイス
「ユーパーライト（蛍光サイアナイト）」です
本日のブログタイトル…
なんか某お線香のCMソングみたいなタイトルですが
一目見た時からこの曲が頭ン中走り回ってうるさいので、
そのまんま使わせて頂きました
おしまいまでお付き合いいただけましたら幸いです
☆ユーパーライト（Yooperlite/含方ソーダ石閃長岩)
産出地：アメリカ合衆国ミシガン州スペリオル湖岸（ルース郡＆チワッペ郡）
ダルメシアンかウズラの卵の保護色を思わせる、
何処にでも転がっていそうな地味な見た目のこの石
アルカリ長石を主として角閃石などを含有する閃長岩（サイアナイト)という鉱物で、
実際見た目や性質はその辺の花崗岩などと大した差はありません
が、しかし！！！！
薄暗がりでUVライトを照射すると、内部に含まれた方ソーダ石によって
幻想的な「かがり火」を思わせる鮮やかなオレンジ蛍光を示します
これはほかのどの地域で採れる閃長岩（サイアナイト)も持たない特性です
あまりにもありふれていて、
あくびが出そうなくらい退屈な存在だと思っていたものが、
突然まばゆい神秘的な光を発したら誰でもびっくりするでしょうね
発見者は地元で宝石商を営むエリック・リンタマキ氏
命名は、産出地であるアッパー半島に暮らす人々を指す
「ユーパーズ（U.P.-ersが転訛してYoopersと呼ばれるようになったとか）」に由来します
なんとなく、リンタマキ氏の地元愛を感じるネーミングですね
2017年の夏、氏は夕暮れ時にスペリオル湖畔で
UVライトをかざしながら蛍光鉱物を探索中に偶然この石に出会ったのだそう
まるで石の中が燃えているかのようにメラメラと輝く蛍光は、
夕闇の湖畔ではさぞかし幻想的に映った事でしょうね～
（異様な光景だったかもしれないので、逆にギョっとしたかもしれませんがｗ）
あまりの出会いに驚いたリンタマキ氏は石の正体を解明すべく、
同地で同様の石を捜索、採集し、さまざまな文献や論文を読み漁りました
しかし暫くはめぼしい情報も得られず、途方にくれてしまいます
ある時、氏は何気なくこの謎石を販売してみる事にしました
すると、その販売ページを発見したミシガン工科大から
「研究対象としてその石を購入させてほしい」というオーダーが入り、
それがきっかけで石の正体が判明する運びとなりました
研究は最初の購入主であるミシガン工科大が主導、
カナダのサスカチュワン大学と共同で進められ、
その結果、先に書いたような組成を持っているという事が解明されたのです
ベースになっている閃長岩（サイアナイト）は深成岩と呼ばれる火成岩の一種で、
これ自体は先にも書いたようにさして珍しい石ではありません
同地でも、普通の閃長岩（サイアナイト）はごろごろ採れます
ただ、ユーパーライトに内包されていた方ソーダ石に関しては、
ミシガン州周辺で産出の報告は現在に至るまで皆無だったそう
従って、このユーパーライトは元々ここで産したものではなく、
別の場所※から氷河によって齎されたものではないかとする説が有力だとか
（※現在カナダ・オンタリオ州のアルカリ岩質貫入岩が故郷と考えられているようです
ひょっとしたら、そこでもユーパーライト見つかるかも？？？）
これは地学的にも非常に重要な発見と言えるでしょう
そんな異例ずくめのユーパーライトさんのパワーストーン的効果としては
・邪なエネルギーから持ち主を守る
・目標の達成をサポートする
・自らの秘めた輝きに目を向けさせ、それを対外的に発露する事を助ける
などと言われています
ユーパーライトのパワーストーン効果は、
普段全くと言っていいほど脚光を浴びる事のない人や、
伸び悩み、くすぶっている人ほど実感しやすいと言われています
自分の事を取るに足らないちっぽけな存在と思っていて、
いつも主役の座に就く誰かを羨ましいと思いながら遠くで見詰めるだけの
お弁当のレタスかバランのポジションを維持する事を選んでいる人
もしくは自分の人生の輝かせ方が全く分からず、
半分意地と惰性で今の自分の処遇を無理やり納得しようとしている人
あと一歩、踏み出す勇気と覚悟があったなら…
そんな方にユーパーライトはお勧めです
環境を変えることに対する恐れや不安を和らげ、
時には大胆な方針転換やイメチェンをサポートし、
逆境でも喜びを見出す心を培う手伝いをしてくれるでしょう
ポジティブ思考、クリエイティブな姿勢を培うには
レピドライトや同じ方ソーダ石の仲間に属するハックマナイト、
クンツァイトなどでおなじみのスポジュミン、
グランディディエライトやトパーズなどを組み合わせると良いと思いますし
宿命を乗り越えるためのサポートならばチャロアイトやキャストライト、
スキャポライト、ガスペイト、エクロジャイトやサーペンティンなど
ひらめきや応用のサポートにラブラドライトなどを組み入れてもよさげですね
あともう一つ、個人的な感想として、
私がこの石に感じるワードは「エルピス」です
神々が地上に遣わした初の人類女性パンドラが
「神々の贈り物」として携えていた壺（現代では箱と呼ばれることが多い）から
数多の厄災が飛び去った後に残されたひとかけらの「希望（エルピス）」
最後の心の拠り所、厄災の最中に折れかけた心の支えとなるもの
前後も分からないくらいの闇に灯ったひとすじの光
ひょっとするとそれは単なる希望的観測が産んだ「楽観」でしかないかもしれず、
縋ってしまった瞬間、それなしでは生きられないような錯覚をもたらす、
使い方を一歩間違えば更なる苦境に立たされるかもしれない
モルヒネのような猛毒にも妙薬にもなりうる存在
それがエルピスだと私は解釈しています
エルピスやべえ存在じゃん、って思いますよね？
でも、人生ではたとえモルヒネを体にぶッ込んででも
前進しなければならないシーンがあると思うんです
たとえどんな痛みを堪えてでも超えたい壁がある
全てにおいて限界を迎えつつあるけれど、それでも掴みたいものがある
自分を卑下する事で「だからできない」と目を背け、
あきらめ逃げ続けてきたものにもう一度挑みたい
今、自分が認識している自身の限界を超えて
もう一つ先の自分を作り上げたいとき、
「支え」としてもこの石は有効だと思います
あなたが賜る試練の肩代わりはしてくれないけれど、
萎みかけた心の中の「かがり火」を蘇らせ、
苦痛を受け止め、消化し、望む方向へ確実に進むための手伝いをしてくれる
ユーパーライトはそんな力を宿した石なんじゃないかなと思いますね
さて、本日も長々お付き合い下さり、誠にありがとうございました
またボチボチと書かせて頂きたいと思いますので、
その時はまた覗いてやって頂けると幸いです
それでは、また