いつも拙いブログを読んでくださり

ありがとうございます。



今は胆管がんで亡くなったパパの

闘病生活を振り返って

その時々にふと思い出した事、

残された家族の思いなどを

綴っています。



遅ればせながら

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。



胆管がんだったパパが亡くなって

三回目のお正月です。

まだパパが胆管がんを発症する前までは

お正月は家族で私の実家へ行っていました。



おせち料理やお寿司など

お正月料理を出してくれましたが

その時に必ず出てきたのが

母の作ったぶりの粕汁でした。



パパが初めてぶりの粕汁を食べた時の

喜びようったら

よっぽど気に入ったんでしょうね。



パパと再婚した時には

母はすでに80代でしたが

一人暮らしもあって

少しずつ認知も出てくるようになり

その内お正月だからと言って

おせち料理を作る事も無くなりました。



私たちも母を気遣って

お茶菓子とお茶があればいいよと

言っていました。



それでも母は

ぶりの粕汁だけは

ずっと出してくれていました。



テーブルの上に

ぶりの粕汁と漬物が出てくると

パパはにっこりして

「うんうんこれこれ!」と言って

食べるんです。



そして一口食べては

「うん、美味しい美味しい」と言って

食べていました。



漬物だって

田舎の年寄りがつける

しょっぱい大根の漬物や

白菜とにんじんの浅漬けなんですが



とにかくパパは

「美味しい美味しい」と言って

食べていました。



パパがその母の作った粕汁を

食べられたのは

2019年のお正月が最後でした。

胆管がん発症した年のお正月です。



私たち家族は翌年のお正月も

ぶりの粕汁を食べる事ができましたが

パパは入院中だったので

それ以降亡くなるまで食べる事は

出来ませんでした。



そもそもその年以降

母の認知も進んでしまい

ぶりの粕汁の存在自体忘れてしまって

お正月に母の作ったぶりの粕汁を

食べる事はもうありません。



ただ叔母から

母はパパがぶりの粕汁が好きで

食べたいと言っているからと言って

年末になると毎年

ぶりの注文をしていたと

聞きました。



認知が進んでも

パパが好きだからと覚えていて

くれたんだなと嬉しく思いました。



何回か私もぶりの粕汁を作ったことが

あるんです。

でもどうやっても母のような味には

ならなくて…



パパに食べてもらって

感想を聞いてみましたが

美味しいけどやはり母の味とは

少し違うと言っていました。



それでもう諦めてそれ以降作ることは

ありませんでした。



でも昨年末に年越しの買い物に行くと

この時期になると一気に値上がりする

ぶりですが

そこそこのお値段のぶりがあったので

何年かぶりに買って作ってみました。



味見の段階では

そこそこいいとこまでいってる気も

しましたが

実際に食べてみると

やっぱり母のような味付けとは

違いました。



一応パパにもお供えしましたが

きっと「まだまだだなー」って

言ってたと思います。



ちなみに私

酒粕でも酔っ払ってしまうんですよ。

だから粕汁も味見するだけで

顔がほてって心臓が踊ってくるんです。

それが唯一の弱点です。



でもいつかお迎えが来て

またパパと暮らせる時までには

母の味を再現して

食べさせてあげたいなと

思います。



難しい宿題ですけど。。。