リクルート事件とは、1988年(昭和63年)から1989年にかけて暴露された戦後日本における最大の汚職事件のことである。
リクルートとは就職関係で有名な企業であるあのリクルートだ。
この不祥事によって当時の竹下登内閣は総辞職する。90年代の自民党の衰退を決定づけ、社会党が躍進するきっかけとなってしまう。
未公開株というのは簡単に言うとまだ株式公開していない企業の株のこと。
このリクルート事件はこの未公開株を議員にあげた理由で大騒動となったのですが、未公開株をあげることによってどんなメリットがあるかと言うと、やっぱりお金を儲ける可能性がとても高いことである。
株というのは株式が上場されれば、ほとんどの確率で価値が上がる。そのため議員は未公開株をもらうことによって莫大な利益を得る可能性が非常に高くなる。
リクルートの創始者であり、この時のリクルートの社長でもあった江副浩正は、リクルートが政治家に取り入れられて安定した地位を確立することに必死であった。
「もしかしたら他社に追い越されてしまってリクルートが潰れてしまうかもしれない!」
そう思った彼は1984年から当時の大物政治家や財界の有名人に対して当時まだ未公開だったリクルート社の子会社である「リクルート・コスモス」という会社の株を有力政治家に贈呈してしまうのだ。
当然この行為は不法なもので、バレてしまったら逮捕・起訴される。江副浩正はこの未公開株の取り引きを藤波孝生元官房長官をはじめ100人に対して行ってしまう。
贈呈した株による利益は全部合わせて6億円となる金額だった。
1988年6月18日川崎駅周辺の再開発のためだとして、川崎市役所の人に対して「リクルートコスモス」の株が譲渡されたということを朝日新聞がスクープした。
その後、マスコミの後追い取材によって、元首相の中曽根康弘、この時の首相でDAIGOの祖父でもあった竹下登、のちの首相である宮澤喜一、2018年現在の日本の首相である安倍晋三の父親である安倍晋太郎、渡辺美智雄など約100人の政治家が「リクルート・コスモス」の未公開株を譲渡され、利益を得ていた受けていたことが芋ずる式で発覚した。
こうして、国会審議は影響を受け、竹下内閣が総辞職を決めている。
江副浩正は、尋問をなんとか逃れようと、野党の政治家に対しても賄賂を送ろうとした。
その瞬間を隠し撮りされた映像が日本テレビのニュースで全国放送されるに至る。
リクルート事件では江副浩正を始め12人が収賄罪で起訴され、彼は執行猶予5年の懲役3年を始め起訴された人全員が有罪判決を受けている。
贈収賄事件では、今でもトカゲの尻尾切りが罷り通っている。悪い奴ほどよく眠る。やれやれ。
