チャップリンの殺人狂時代---名作に隠された現実の事件 | ブロッコリーな日々

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チャップリンの殺人狂時代

---名作に隠された現実の事件

1947年「殺人狂時代」

チャールズ・チャップリン監督

 

オーソン・ウェルズの原案を2年かけて完成させた傑作だ。

この映画は、チャップリン排斥運動・共産主義者排除の契機となった。

 

チャールズ・チャップリン監督・主演の「殺人狂時代」は、世界大恐慌時代を背景に、不況のため馘首されたフランス人のヴェルドゥが、妻子を食わすために財産家の戦争未亡人を次々に殺害し、最終的には死刑になるという映画だ。

 

チャップリンの映画にしては珍しく喜劇色が少なく、シリアスな展開であると評価されている。

生前、チャップリン自身がこの映画を最高傑作と評価していた。

 

良く調べると、この作品には元ネタが存在した。それが「アンリ・ランドリュー事件」である。

なんと10人の財産のある戦争未亡人を殺して金品を奪った事件だ。

処刑寸前に主人公が口にする言葉は、つとに有名だ。

「1人を殺したら悪人で、100万人を殺したら英雄だ」

 

もちろんチャップリンの創作だろう。

ランドリュー死刑囚の最後の言葉は「私よりあなたの魂を救済することを考えた方が良い」であった。

 

1922年2月25日斬首刑執行。

アンリ・ランドリュー 享年52であった。