2016年に発表された、漫画「よろこびのうた」
高齢化社会の問題に挑んだ問題作だった。
2005年11月、北陸地方の福井県大野市で、老夫婦が火葬場で焼死しているのが見つかるのだ。
夫婦が遺書を遺していたことや、認知症を患う妻を夫が献身的に介護していたという近隣住民の証言から、この事件は老老介護を苦にした無理心中として大々的に報道された。
これが、現実に発生した心中事件だった。
タイトルの「よろこびのうた」だが、
夫婦が火葬場まで乗って来たみられる乗用車から、「ベートーベン第九よろこびのうた」が聴こえていたことから付けられたという。
この作品の展開は、あえて伏せておきたい。高齢化社会を迎え、他人事ではない。
この夫婦は、限りなく優しい心根の持主だったのだろう。
自ら進んで焼却炉に身体を横たえ焼死したのだから。。
