桃花笑春風  とうかしゅんぷうにえむ

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中唐・崔護(さいご)の詩 
春の風に誘われて去年と同じように桃の花が咲きほころんだ様子。
題都城南荘(都城の南荘に題す)
去年今日此門中 人面桃花相映紅 人面不知何處去 桃花依舊笑春風
【訓み】去年の今日此の門の中 人面桃花あい映じて紅なり 人面はいずこにか去るを知らざるも 桃花は旧に依りて春風に笑む
【意味】去年の今日、
この門の中で美しい少女に出会った。
桃の花の紅が頬に映って美しい。
今年、少女はどこに行っただろうか。
桃の花は去年と同じく
春風を受けて美しく咲きほころんでいる。
人の世は変わっても花は変わらず同じように咲いているという無常感を表している句です。

この詩からは今ひとつ人面桃花(じんめんとうか)の熟語もできた。詩を以下に示すが、その釈については後述する。