船の所有者を悩ませる「フジツボ」の船底への付着問題。
フジツボや緑藻、ミドリイガイなどが船底につくと船が重くなったり、水との摩擦が増えて速度や燃費が悪くなる。
対策として、亜酸化銅など生き物を殺す物質を少しずつ海中に出す塗料で防いでいるが、環境面で問題があった。
今回、新たな発想(人工血管に血小板がつくのを防ぐ樹脂の技術を応用)で、この問題を解決する塗料が開発された。
フジツボの幼生は、岩や船底などのつく先の性質に合わせて分泌物を出して、くっつく。新しい塗料を船底に塗ると、表面に水になじむ性質と、なじまない性質が超微細にまだらに並ぶ。
このため、フジツボがどんな分泌物を出せばいいのか分からなくなるという仕組み。
本当に効果があるのかどうかは、しばらく現場で使用してみないと分からないのでしょうが、他人の困っている課題に対して積極的にチャレンジする姿勢は、見習いたいものだ。
※明治時代に日本海軍連合艦隊が、ロシアのパルチック艦隊を破った。これは、「パルチック艦隊の船底が付着生物で汚れていたためにスピードを出せなかったから」と言われるくらい、シビアな問題だ。