既に魅せていただいてから2週間が過ぎようとしていますが💧先月(9月24日)の貞松・浜田バレエ団の「眠れる森の美女」(全幕)@あましんアルカイックホール(兵庫県尼崎市)の公演の感想を、備忘録として残しておきたいと思います(^^)☆

まずはプログラムより、作品の(簡単な)あらすじと、バレエ団からのメッセージをご紹介させていただきます☆

"本日上演いたします、チャイコフスキー3大バレエ作品の一つ「眠れる森の美女」は、クラシックバレエの最高峰と称される作品です。
国民が待ち望んでいたフロレスタン国王に授けられた王女オーロラ姫が邪悪な妖精カラボスに呪いをかけられ、100年の眠りにつきます。カラボスの呪いを和らげ姫の元へ王子デジレを導く善なる妖精リラの精。王子の口づけによってオーロラ姫は目を覚まし宮殿の大広間で結婚式が開かれます。。。"

"「眠れる森の美女」は、誕生、成人、結婚、死(実は100年の眠り)と人間の通過儀礼が鍵になっていて、作品のなかで人々の'時間'を感じさせてくれます。それと同時に、各場面はさまざまな形の愛に溢れ、夢や希望、ファンタジックな要素たっぷりの、古典バレエの醐醍味が詰まったきらびやかな作品です。ご覧いただくみなさまには、色々な角度からこの「眠れる森の美女」を楽しんでいただければ幸いです。"


このバレエ団での「眠れる森の美女」(初演は1987年)を私は9年ほど前にみせていただいたと思うのですが、その時はどちらかというと、オーロラ姫とデジレ王子の二人の踊りに強烈な印象を受けた記憶があります(バレエ作品の中でも、あまりにも有名なグラン・パ・ド・ドゥなので当たり前ではあるのですが(^_^;))でも、今回は、どちらかというと、リラの精(井上ひなたさん)と(邪悪な妖精)カラボス(武藤天華さん)、2者の作品の中での対峙が印象的で、特にリラの精の存在そのものが、作品の核として描かれていたのが素晴らしいと思いました。


オーロラに死(眠り)をもたらしたカラボスって、神話の世界では、生と死を司る冥界の神、ハデスのような人物であり、再生(光)をもたらすリラの精と実は同一人物であるという見方があるそうですが、今回はどちらかというと、光と闇の対峙として物語が進行していった感がありました。

カラボスがオーロラに呪いをかけ、死(長い眠り)をもたらす、人々にとって恐怖の存在であることに対して、リラの精は、大丈夫、私がオーロラ姫と皆を守るから、その眠り(死)を恐れないで!と凛とした態度で魔法をかけ、お城全体を木や葉で覆い尽くします。
その困難を恐れずに受け止め、必ず乗り越えていこうとするリラの精の控える目にみえるけれど、力強い信念のようなものが、彼女の踊りやマイムから見て取れ、その力強い存在がベースとなって作品の中で、登場人物ひとりひとりがそれぞれの思いのこもった踊りを披露されていたのが素晴らしいと思いました(^^)☆

オーロラは「夜明けの光」を意味するそうです。
その名のごとく、リラの精が導きお城に招いた、デジレ王子との出会いからオーロラ姫は長い眠りから覚めるわけですが、まさに闇(死)からの再生であり、世界「国」に再び光を満たす、そのような死と再生のシンボルとして作品の中で輝きを放っていたのが印象的でした。

そして、公演を観終えたあとに、この死と再生という作品のテーマそのものが、時代を超えた、人間にとって普遍的なものだと実感しました。
この数年間のコロナ禍を経た我々ひとりひとりに、このリラの精の、困難を乗り越えていく勇気や希望のメッセージが温かさと共に響いてくれていることを。。。

長くなってしまいましたが、素晴らしい作品であったことを皆様にお伝えしたく感想を記すことにいたしました。

井田勝大さん指揮の、関西フィルハーモニー管弦楽団の皆様の演奏も素晴らしく、音楽が作品をますます生きたものにしていたのにも感動した私です(^^)☆

至福の時間(とき)をプレゼントしていただき幸せでした☆
ありがとうございました☆