知財情報を経営・事業へ根付かせるために(その3) | e-Patent Blog | 知財情報コンサルタント・野崎篤志のブログ

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「知財情報を経営・事業へ根付かせるために」シリーズの最終回

 

第1回:知財情報を経営・事業へ根付かせるために 個人レベル

第2回:知財情報を経営・事業へ根付かせるために 組織レベル(前半)

 

今日は知財情報を経営・事業へ根付かせるための組織レベルの「知財情報分析に関するチーム作り」について説明します。

 

知財情報を経営・事業へ根付かせるためには個人レベルと組織レベルの2つのレベルで考える必要があり、組織レベルには

  • 組織レベルでの知財情報分析に対する理解および風土醸成
  • 知財情報分析に関するチーム作り
の2つが重要であると前回説明しました。企業におけるインテリジェンス活動においては経営層・事業部門からの情報要求・リクワイアメントが最も重要であり、その情報要求=ニーズの把握を見誤るといくら良い分析を行っても組織として活用されない点について強調しました。経営層・事業部門からの情報要求が明確ではないケースもあろうかと思うので、どのように明確化・具現化していくかについて前回個人的な考えを述べました。
 
その次に重要になるのがチーム作りです。
 
チーム作りを行う上で必要となるのが、
  • チームリーダー(組織内の分析・インテリジェンスに責任を持つ担当者)
  • チームメンバー(社内)
  • チームメンバー(社外)
の3つの役割です。
 
知財情報分析に限らず、情報分析(=インテリジェンスと言い換えても良いでしょう)を組織として重視するのであれば、CIO(=Chief Intelligence Officer)を置くのが必要だと私は考えます。このポジションはCxOですので、経営層・ボードメンバーにいることが好ましく、単独でのポジション設置ができないのであれば、経営企画本部長または技術寄り(=テクノロジーインテリジェンス)であればCTO(最高技術責任者)が兼務するのが良いと思います。
 
経営・事業に知財情報を活かすのであれば、そもそも経営・事業で必要な情報要求を出す人がボードメンバーにいないのが不自然です。
 
また、チームメンバーは企業内スタッフだけチームを組成することができる組織力がある企業もあれば、マンパワーの関係で内製化できない企業もあろうかと思います。そのような場合は社外の会社・機関なども仮想的にチームメンバーとして活用するのも1つの手段です。
 
知財情報調査・分析の中で、
  • 先行技術調査
  • 侵害防止調査・FTO
などは通常の知財業務の中で行われており、かつある程度定期的に発生する業務なので、社内スタッフでも経験値の累積が期待できます。しかし、知財情報分析になるとそんなに定期的かつ頻繁に実施していない企業も多いので、なかなか経験値の蓄積やスキルの向上をしにくい部分があります。そのため、外部の専門機関の力(=経験やスキル・テクニックなど)を借りるのも良い手だと思います。
 
重要なのはチームの責任者を置くこと、そして可能であれば専任のスタッフを配置することではないでしょうか。
 
もちろん専任スタッフを置くのが難しい場合は、兼任になる場合もあるでしょう
 
第1回目において個人レベルでも「知財情報分析スキル」を身につけること(自己完結型で知財情報分析ができればそれに越したことはないが、少なくとも情報要求・リクワイアメントを咀嚼して外部機関へ依頼を出すことができる基礎知識があること)、「ネットワークづくり」の2点が重要であることを述べました。
 
組織を構成スタッフ1人1人が十分な知財情報分析に関する知識・スキルを持つことが理想ではありますが、なかなかそうなるのは難しい。であれば、知財情報分析、ひいては情報分析に関する責任者とチームを明確に設置し、情報分析を重視する姿勢を打ち出すことが必要なのではないでしょうか。
 
 
あとがき
 
3回シリーズで「知財情報を経営・事業へ根付かせるために」を書いてきましたが、まだまだ概念的なレベルであり、かつ理想論的な面も否めないと思います。
 
ただ1970年代や1980年代の書籍を読んでいると、昔は情報に飢えていたので、現在の比べると貧弱なインフラ・ツールで一生懸命工夫して知財情報分析を行っていたと感じます。むしろ現在の方がインフラも整い、ツールも発展して便利になった分、”知財情報をしゃぶりつくしてやろう”という昔のような一所懸命さが減じているような感覚を持っています。
 
情報分析を軽視して負けた第2次世界大戦・太平洋戦争のような末路をたどらないようにするためには、上から下まで情報分析を重視する個人、そしてその集合体である組織の構築、それが形成されることで知財情報・IPランドスケープが経営・事業へ根付くのだと考えます。

 

 

まだまだ考えが十分に練れていない部分もありましたので、また後日アップデートした内容も本ブログで発表させていただきます。

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