猫の後ろ姿 2326 「私の愛する一点展」 絵を愛するということ
榎並和春 冬の旅 1991年
東御市梅野記念絵画館「第23回 私の愛する一点展」に行って参りました。
わたくし、これに榎並和春さんの小品「冬の旅」を出品させていただきました。
会場内を一点一点拝見しておりますと、なにやら不思議な感情が心にわいてまいりました。
絵を愛するということはとても重いことで、「執着」という言葉がふさわしいように思えます。
その絵を気に入って、愛するがゆえに、生きることの苦しい面を意識してしまうのではないか。
言葉を換えれば、「愛憎二筋」といえるのではないか。絵は喜びをもたらすものであると同時に、それゆえに深い苦悩のもとともなる。
こんな面倒くさいことは言わずに、気軽に絵なんか楽しめばいいじゃないかとも思うんですが、
絵の前に立つとつい面倒くさいことを感じ、思い、考えるのが、わたくしの癖と申しますか、流儀とでも言えるだろうと思います。まったくいたしかたないことでございます。


