
🟦⬛️雁風呂⬛️🟦
遠く燃ゆ岬の焚火も雁供養
有働清一郎
青森県津軽の外ヶ浜付近では、浜に打ち寄せられた木片を集めて風呂を焚く風習があったといわれています。これを「雁風呂(がんぶろ)」といいます。伝説によると、秋に雁が海を渡って来るとき、海面に浮かべて休むための小枝を1本くわえて来るそうです。浜につくと小枝を落とし、次の春、また北へ帰るとき、同じ小枝を拾って帰るのだそうです。ところが、雁たちが小枝を落とした浜には、春になっても拾われない小枝が残ります。それは冬の間に死んでしまった雁たちのもの。浜の人たちは供養のためにその枝で風呂を焚き、旅人たちに振る舞ったということです。じんわりと心に残るお話です🦆。