
濃艶な高級娼婦がはじめて純粋な恋をするも、愛する青年のために身を退き犠牲となり果てる様を、まるで歌舞伎の舞台のように描いたデュマ•フィスの小説『椿姫』。
1848年に発表された同作品は、翌年に戯曲となり初演され、またその芝居に感動したイタリアの作曲家ベルディによってオペラになり、今日まで受け継がれています。なおこのヴェルディの『椿姫』では、主人公の名前はマルグリッド(マーガレット)からヴィオレッタ(スミレ)へ、恋人の名前はアルマンからアルフレードに変更されてたりも。
そんなオペラを冠する『乾杯の歌』は、きっと誰もが一度は耳にしたことがあるであろう代表曲。冒頭より「この心を誘うがままに酌み交わそう愛の杯を!」と杯をあげるアルフレードに対し、ヴィオレッタはこう応えています。