このブログでも経済格差と子どもの学業成績の関係について何度か書いてきました。
世帯収入と子どもの学業成績には正の相関があるというのが定説です。
でも、それだけじゃないと思うのです。
もう一つは、親が子どもと関わる時間の長さです。
経済的に豊かでなくても、子どもと過ごす時間が長く取れる家庭では、子どもの学業成績が良いという調査結果があります。
つまり、お金か時間かあるいはその両方を子どもにかけられるなら、子どもの学業成績は上がると言えます。
フルタイムで両親が働いている場合に時間は短くなりますが、塾にやるなどしてお金で解決できるわけです。
アメリカの調査で、低所得層の家庭に、子どもとの関わり方についてのパンフレットを渡したら、その後の追加調査でパンフレットを受け取らなかった家庭に比べて、偏差値が3ポイント以上上昇したそうです。
そのパンフレットは、子どもへの言葉のかけかたや本を読み聞かせするなどの方法が記されていました。
アメリカの低所得者層は共働きやシングルファミリーで、親の就労時間が長く、子どもと関わる時間が短いため、教育的な関わりが持てないし、その方法がわからないのが実情です。
たいていは、親自身が親にそうしたことをしてもらっていないからです。
そこで、家庭教育のしかたの指針をパンフレットで示したのです。
ということは、お金や時間がなくても、子どもへの関わり方次第で、学力の底上げができるということです。
結局、「人は環境の子なり」なので、子どもの環境をいかに整えてやるかが、その子の将来に大きく影響すると言えます。(羊)