【Dysferlin異常症の指定難病に関する陳情書の内容】 | 日本ディスファーリノパシー患者会

日本ディスファーリノパシー患者会

患者会の活動や研究などの報告をしています。

これは、2017年7月24日(月)に提出した「Dysferlin異常症の指定難病に関する陳情書」になります。

 

 

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厚生労働大臣                塩崎 恭久 様

厚生労働省健康局長          福田 祐典 様

厚生労働省健康局 難病対策課長 川野 宇宏 様

 

日本ディスファーリノパシー患者会

代表 栁生 勝也

 

【Dysferlin異常症の指定難病に関する陳情書】

 

 日本ディスファーリノパシー患者会は、早期治療法の確立と治癒を目的に活動をしております。

私たちの病気は、Dysferlin異常症(Dysferlin遺伝子異常)が原因で発症する筋疾患で、三好型筋ジストロフィー・肢帯型筋ジストロフィー2B型・遠位前方コパートメントミオパチーが報告されています。

この筋疾患を一括りにDysferlinopathy(ディスファーリノパシー)と言います。

この病気は、全身性の筋疾患なので病気の進行と共に日常生活の動作が厳しく制限され、

将来的には全介護が必要になります。

 1998年に、三好型筋ジストロフィーの原因遺伝子であるDysferlin(ディスファーリン)が見つかり、

同年には肢帯型筋ジストロフィー2B型にも同じ原因遺伝子があると報告され、

2003年には、Dysferlinが筋細胞膜の修復に関与しているタンパク質だと言うことが報告されました。

しかし、現在までのところ有効な治療薬は確立しておりません。

 平成27年度 第1回 厚生科学審議会 疾病対策部会 議事録にて、三好型は研究費をもらうときに

遠位型ミオパチーという名前にしないと難病にはまとめられないということで無理に入れたと

報告がありました。

また、遠位型ミオパチーの三好型ミオパチーでは、個別の疾患の医学的な特徴や原因には

合っていませんので、Dysferlin異常症が原因で発症する全ての筋疾患の研究促進を

望むことはできません。

私たち患者の切なる思いを考慮して患者の不利益にならぬよう、ご配慮賜りますよう、

よろしくお願い申し上げます。

 

 

1.三好型筋ジストロフィーとして指定難病に認定して下さい。

ICD(国際疾病分類)とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」といい、

疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するためWHO(世界保健機関)から勧告された統計分類です。

なので、WHOのICD-10の疾病名は統計分類であり医学用語集ではありません。

日本では、WHOのICD-10 に準拠した「疾病、傷害及び死因分類」を作成し統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されています。

そして、ICD10対応標準病名マスターの標準病名マスター作業班に認定されている標準病名は、

WHOのICD-10に反映され整合するように決められているものではありません。

筋ジストロフィーとは、筋萎縮と筋力低下をきたす進行性の病気で、病理学的に筋細胞の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患です。

ミオパチーとは、広義の意味では筋ジストロフィーも含めた筋疾患すべてを呼んでいますが、

狭義のミオパチーでは筋ジストロフィー以外の筋疾患を総称して呼んでいます。

現在、ICD10対応標準病名マスターの標準病名マスター作業班には、三好型ミオパチーが認定されていますが、日本での相応しい病名は三好型筋ジストロフィーになりますので、よろしくお願い致します。

 

「筋疾患の定義」

筋ジストロフィー  : 筋細胞の壊死・再生を主病変とするもの(Dystrophy)

ミオパチー(狭義): 筋ジストロフィー以外の筋疾患(Myopathy)

 

「理由」

三好型筋ジストロフィーと肢帯型筋ジストロフィー2B型は原因遺伝子が同じで初期症状にこそ

違いが見られますが、病状が進むにつれ同じ病状をたどることが報告されています。

病理検査では、Dysferlin異常症の筋細胞には特殊な構造物が無いと報告されていますので、

よろしくお願い致します。

「筋細胞の構造」

筋ジストロフィー :筋細胞に特殊な構造物が無い物(Dystrophy)

           * 三好型筋ジストロフィー・肢帯型筋ジストロフィー2B型

ミオパチー(狭義):筋細胞に特殊な構造物がある物(Myopathy)

           * 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパー・眼咽頭遠位型ミオパチー

 

2.Dysferlinopathyを指定難病に認定して下さい。

「理由」

現在の指定難病では、Dysferlin異常症が原因で発症する筋疾患が、筋ジストロフィーと遠位型ミオパチーに分かれて認定され医療費助成を受けています。

しかし、医療費助成を受けることはできますが、筋ジストロフィーと遠位型ミオパチーの重症度分類には違いがありますので、同じ病気同じ病状であっても認定されない患者さんがいる可能性があります。

このままでは、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」にも

大きな影響を与え、正確なDysferlin異常症の患者数や病状(自然歴)などの実態を把握することは

困難だと思います。

正確な情報を集め、指定難病患者データの登録を進める為にも、よろしくお願い致します。

「指定難病」

筋ジストロフィー  → 肢帯型筋ジストロフィー2B型

遠位型ミオパチー → 三好型

 

以上

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平成27年度末現在の医療受給者証の所持者数が「厚生科学審議会 疾病対策部会」にて

報告されました。

筋ジストロフィー(肢帯型2Bが含む) : 1,280人

遠位型ミオパチー(三好型が含む)  :   168人

 

現在、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針(案)」

議論されています。

この基本方針(案)には、研究の促進や治療法の開発、治療薬の確立に深く関わる項目がありますが、

Dysferlin異常症に関わる指定難病の告示病名は、筋ジストロフィーと遠位型ミオパチーに

分かれて認定されています。

 

その為、Dysferlin異常症が原因で発症する全ての筋疾患を対象にした指定難病患者データベースを

医薬品等の開発を含めた難病研究に有効活用することは不可能だと考えます。

また、指定難病の告示病名は、保険診療(診察・遺伝子検査・指定難病における医療費助成)・

難治性疾患政策研究事業・科学研究費助成事業研究費・未承認薬と適応外薬・治験などの申請に

関わる該当疾患名になります。

 

しかし、Dysferlin異常症が原因で発症する筋疾患を一括りにした指定難病の告示病名はありません。

指定難病の要件は満たしていますので、今一度「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」での議論が必要だと考えております。

 

日本ディスファーリノパシー患者会