『迷える東欧』

毎日新聞エルサレム支局の三木幸治さん執筆の本が出版されました。
エルサレムの前はウィーン支局に勤められており、そこから東欧全般に渡って取材をされており、その時のルポや生々しい記録などがここに収められています。

イスラエルにもウクライナからの難民は来ていて、彼らに支給されるであろう衣類や毛布などが入った山積みの段ボール箱を公民館で見かけたりしました。

今、窮地に立たされているウクライナの人々を受け入れる近隣の東欧諸国はどんな状況なのか。彼らとて決して安穏とした状況にある訳ではなく、社会主義の残骸や内紛の爪痕が環境や人々の心身の中に今もなお残る中、新たに起きてしまった争いで、かつての自分たちと同じような境遇にさらされた人々をどう受け入れるのか、苦悩する様子が彼の冷静な目を通して描き出されています。

中でも非常に胸がつまる思いがするのはボスニア紛争後の人々の状況で、欧米の記者たちも入っていくのに躊躇するようなところまで三木さんは切り込んでいって、真摯な気持ちで戦争で傷ついた人々と向き合い、彼らの声にならない声をこのように表にあげられました。

エルサレムでも、どんなに小さな情報でもすぐに足を運んで取材をする、ジャーナリスト魂の塊のような三木さん。

この本が一人でも多くの方々に読まれますように...!事実から目を背けずに、そして争いがなくなることを願い、行動する人が一人でも多くなりますように。

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