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 さて・・・・前回までのおさらいです。古代インドの仏教の神聖な世界観。須弥山・・・・。

その一番頂上に善見城がありインドラ(帝釈天)が住んでいる。須弥山には甘露の雨が降っており、それによって須弥山に住む天たちは空腹を免れる。

 

日本では、天から降る甘い雨の伝承は花祭りとして伝わっているのはないでしょうか?日本では甘茶を使用しています。

しかし、古代のインドではどうだったのでしょうか?

実は甘い雨(甘露)の伝承の通りの飲み物が有ったのではないかと思われる記述があるんです。

 

 

ウィキディア参照こちら

【甘露とは?】

甘露(かんろ)とは、中華世界古代の伝承で、天地陰陽の気が調和すると天から降る甘い液体。後世、王者が高徳であると、これに応じて天から降るともされ、また伝説上の異国民族・沃民はこれを飲んでいるとされている。後にインドから仏教が伝来すると インド神話の伝承で不死の霊薬とされたアムリタを、漢訳仏典は中国の伝承の甘露と同一視し、甘露、あるいは醍醐と訳すようになった。

~以上~

 

中国とインドは場所が違いますが、仏教伝来はどうみてもインド→中国というのだけは間違いない事でしょうから・・・・そう考えると色々分かってくる事があります

①天地引用の気が調和すると、天から甘い雨が降ってくる

②つまり簡単に言うと、王様が高い徳を持っている場合は、天から甘い液体が降って来る

③伝説の民族沃民が上記の様な甘い雨を飲んでいる。

~以上~

 

つまり・・・何と中国にはインドの仏教が伝わる前に、元から甘い雨の伝説が有ったという事になります。

そして、上記のように、インドから仏教が伝来するとインドの神話の伝承で不死の霊薬とされた。アムリタを漢訳仏典では同一視して、甘露あるいは醍醐と訳すようになったという経緯があるんです。

 

たかちほが、何を言いたいか・・・・・

「違う国の全く違う物語とか文化が伝わっているのに、同じ甘い雨という概念がある」

偶然だと思いますか?いいえ、たかちほ思いません。だって普通に考えても突飛じゃないですか?子供だったらチョコレート降ってこないかな~とか思うかもしれませんが・・・しかし物語の中では実際降ったような書き方・・・・

それ以外の事象からも実在すると思えるんです。実在とは言ってもこの世の物ではない気がします。

この世のものではない?何?甘い雨が実在するだと?ふんっ馬鹿らしい!と思った人も、後の記録などを見ると、昔は有ったのかも・・・・と感じると思います。

今しばしお付き合いくださいねm(_)m

 

 

まず、上に出てくる沃民って何でしょうか?実はこれが結構面白い事につながっています。

沃民(ようみん、よくみん)は中国に伝わる伝説上の人種。古代中国では西方に位置する国に棲んでいたとされる。

古代中国の地理書『山海経』の海外西経によると、沃民国は白民国の南、女子国の北にあり、沃民人は人間の姿をしているが鳳凰(ほうおう)の卵や甘露をつねに飲食しており、欲しいと思う食物は住んでいる土地で思うままに入手することが出来たという。

『山海経』の大荒西経によると、沃民らの住んでいる沃野には豊富な資源とあらゆる獣が存在するという。

~以上~

 

中国では西方に位置するという部分に注目します

中国の西方といいますと・・・・・

そうです・・・・中国の西部はパキスタン、アフガニスタン(面積が小さいですが触れています)インド、カザフスタン等と隣接していますよね?

 

【お次はインドの甘い雨伝説です】

一つ目は前述のお釈迦様の誕生日のエピソードでしたが、実は他にも有るんです。

以下に書く神秘の飲み物【アリムタ】の伝説が中国に渡り、中国では同化されたんです。

アムリタ(サンスクリット: अमृतamṛtaは、インド神話に登場する神秘的な飲料の名前。

飲む者に不死を与えるとされる。乳海攪拌(にゅうかいかくはん)によって醸造された。


※乳海攪拌(にゅうかいかくはん)は、簡単に説明するとヒンドゥー教における天地創造神話の事

ウィキペディアより出典:乳海攪拌図

【スケールの大きすぎる(;´Д`)アリムタレシピ】

 神話によるとアスラ族との戦いに疲弊した神々が、アスラ族に協力させて造ったとされる。乳海と呼ばれる海に様々な素材を投げ入れ、マンダラ山を攪拌棒に、ヴァースキ竜王を綱として1000年の間攪拌した末に、ダヌヴァンタリ神がアムリタの入った壺を携えて出現した。

 

神々とアスラたちはアムリタを自分達だけのものにしようと争ったが、ヴィシュヌ神の機転によって神々のものとなった。しかし神々がアムリタを飲んでいるとき魔神ラーフがまぎれ込んで盗み飲みした。ラーフはヴィシュヌ神によって首を切り落とされたが、アムリタの力で死なず、ラーフとケートゥという天の遊星となり、日食、月食を起こす悪星となった。

その後、アムリタは神々によって厳重に保管されたが、ガルダがこれを略奪した。またナーガはアムリタの壺が置かれていたところを何度もなめたために舌が二股に分かれたとされる。

~以上~

 

【こちらは人の手で作った甘い飲み物】

以下のものが、伝説をなぞらえた飲み物として、大切にされていました。日本だと甘茶がこれに相当すると推察いたします。

 

『神秘の飲み物ソーマ酒』

古代インドで、ソーマ酒(ソーマなる植物の茎から採った液と牛乳、バター、麦粉を混ぜて造ると記載され、祭祀の最も主要な供物であった。このソーマ酒を供える祭祀が盛んに行われ宴も盛大で、飲食も盛んだった。蜜のように甘く、万病の薬とされていた。)同一視され、神々に捧げられた賛歌『リグ・ヴェーダ賛歌』には、「我らはソーマを飲めり、我らは不死となれり。」とある。 仏典では阿密哩多と音写され、漢訳では中国の伝説の飲料甘露の名で呼ばれ、甘い液で人の苦痛を治め、長生きさせる力をもつものと解された。

~以上~

 

仏教発祥の地はインドですから、アリムタの伝説、つまり甘い雨の事の伝承が有るのはある意味当たり前です。

しかし・・・・じゃあどうして中国にはインドから伝わる前に甘い雨の話が有ったのでしょうかね・・・・?

この疑問実はある部分を突っつくと突破出来るんです。

 

それは、とある部分に沢山の痕跡が残っています・・・・!

あまり知られていないその事実とは???を掘り下げていきますのでお楽しみに

ヽ(´▽`)/

 

続きは→その13