電車男+ELO「トワイライト」 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

電車男+ELO「トワイライト」


ELO
Time



中野 独人
電車男


Move
Message From the Country


Electric Light Orchestra
Eldorado [Expanded]


Dave Edmunds
D.E. 7th/Information


Mike Sheridan & The Nightriders
Mike Sheridan's Lot


George Harrison
Cloud Nine

【このコンテンツは批評目的によるジェフ・リン氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除要請にも応じます】


 ヒロイン、エルメス役に伊藤美咲、電車男に伊藤淳史、小栗旬、速水もこみち等が出演するテレビ版「電車男」(フジテレビ木曜22時放映中)。テーマ曲として、ELO(=Electric Light Orchestra、エレクトリック・ライト・オーケストラ)の「トワイライト(Twilight)」(1981年8月Jetレーベルからリリースの9thアルバム「Time」収録)が使われていた。


 イギリス、バーミンガム周辺で活動していたミュージシャン、ロイ・ウッド(Roy Woodギター、作曲。元ナイトライダーズ)、ベヴ・ベヴァン(Vev Bevan、ドラムス。元ブラミーズ)は、1965年12月ムーヴ(Move)を結成。69年に参加したリック・プライス(Rick Price、ベース)、70年に参加したジェフ・リン(Jeff Lyne、ヴォーカル、ギター。元ナイトライダーズ、アイドル・レース)と共に、ムーヴは発展的解消を遂げ、1971年ELOとして再生、ビートルズ風ポップとクラッシック風アレンジを融合した未来派ポップの醸成に着手。その後、ロイ・ウッドはウィザード結成のため脱退。弦楽器奏者を含む大編成バンドとして、リン(1947年12月30日バーミンガム生まれ)の輝いた作品を演奏し始める。リンの曲には「ポップ精神」が満ち溢れている。


 この曲のコード進行を検証してみよう。キーはCメジャー、4/4拍子。

 

【A】

The visions dancing in my mind. The**dawn, the shades of time.
|4/4 C |C |Bb7 |Bb7|
Twilignt craw- ling through my win**ane.
|Fm/Ab |Fm/Ab |C |C|
Am I awake or do I dream?

The**pic-

tures I have seen.
|C |C |Bb7 |Bb7|
Night is day and twilight' s go* away.   With your
|Fm/Ab |Fm/Ab |C |C|

 Ⅰ-♭Ⅶ-Ⅳm-Ⅰの繰り返し。♭Ⅶ、Ⅳmともにサブドミナントマイナー、サブドミナントマイナー特有の物悲しさ(参照 )と、一見ポップで明るいメロディラインの対比感が何ともいえない。例えるならキューっと泣かせる麦焼酎を、新鮮なグレープフルーツで割ったような味。ポップで苦い。


【B】

head held high and your scarlet lies, You came **the open skies
|F |G7 |C |F|
It’s either real or it's a dream. There's **in between...
|G7-F |Em7-Dm7|

 完全4度上のFに進み、Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰと音楽の骨格進行(参照 )。Ⅳを挟んで、

 Ⅴ7-Ⅳ-Ⅲm7-Ⅱm7。Ⅲm7はⅠ代理、Ⅱm7はⅣ代理だから、Ⅴ7-Ⅳ-Ⅰ-Ⅳなのだが、音階的に「そ→ふぁ→み→れ」と下がるコード進行がポップ。Ⅱm7にはⅤ7が続いてツーファイヴするはずだが、そのⅤ7が省略されていると解釈できる。


【C】

Twilight, I only meant**a- while.
|C |Em7 |F |Fm|
Twilight, I gave you time to **- nd. Away from
|Dm7 |F |G7 |G7|
me...
|C |C |C |C|


 Ⅰ-Ⅲm7-Ⅳ-Ⅳm

【A】パートと同じく、サブドミナントマイナーの活用に尽きる。とにかく、ポップで物悲しい


 リンは、1960年代アイドル・レース(Idle Race)のメンバーとして活動していた頃から、ほとんどのオリジナル曲を作曲し、当時よりポップ・センスに光るものがある。プロデューサーとしても、常に洗練されたクオリティ高いサウンド、曲を提供。例を挙げるときりがないが、オリヴィア・ニュートン・ジョン(Oilvia Newton-John)の映画「ザナドゥ(Zanadu)」(1980年、タイトル曲はリンの曲)、デイヴ・エドモンズ(Dave Edmunds)「Information」(1983年)、ジョージ・ハリスン(George Harrison)を再生させたと言われる「クラウド9(Cloud 9)」(1987年)、ボブ・ディラン、トム・ペティらとのプロジェクト、トラヴェリング・ウィルベリーズ(1988年)などなど。そして近年は元ビートルズ・メンバー及びアンソロジー企画にて、かつてのジョージ・マーティンばりの最優秀ビートルズ解釈家としての仕事を行っている。


 ジェフ・リン。プログレッシヴ・ロック、ルーツ・ミュージック、ブラック・ミュージック、アメリカン・ウェストコースト・ロック、音楽ファンとしての引き出しの多さから醸造されたコラージュ能力を活用しつつ、彼のポップ性は、ビートルズのポップ魂(by ポール・マッカートニー)を精製し近未来へと橋渡す。ポップは実は、物悲しくてほろ苦くなければ、ポップじゃない。


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