スタート・ミー・アップ(Fの話の続き) | Diary of a Lover

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中村隆宏の手記

ローリング・ストーンズにキーがFの曲ってある?

 

そんなことを先月ブログに書いたけど、無知な妄言でした。

 

はい、しっかりありました。

 

超有名曲〈スタート・ミー・アップ〉のキーがFです。

 

イントロのギターは、CとFのコードを交互に弾く。

 

先にCを弾くから、キーはCだと勘違いしてた。

 

 

〈スタート・ミー・アップ〉をキース・リチャーズのように弾くには、まず、ギターのチューニングを変えなければならない。定番のレギュラーチューニングではなく、オープンGチューニングでギターを調弦する。

 

レギュラーチューニングは、6弦から1弦の音をE A D G B E(ミラレソシミ)の順に合わせる。開放弦(指が弦に触れていない状態のこと)を6本いっぺんに弾くと、G69という意味の分からない響きのコードになる。

 

オープンGチューニングは、開放弦をいっぺんに弾くと、Gのメジャーコードが明るく響く。キースのギターは6弦(最も太い弦)を取り外した5弦ギターで、5弦から1弦をG D G B D(ソレソシレ)の順に合わせている。

 

ストーンズの曲は、〈スタート・ミー・アップ〉も、〈ブラウン・シュガー〉も、〈ホンキー・トンク・ウィメン〉も、オープンGの5弦ギターじゃないと、キースそっくりには弾けない。

 

逆に言えば、オープンGの5弦ギターを使えば、〈ホンキー・トンク・ウィメン〉のイントロとか、ギターの初心者でも、ほぼキースのように弾ける。

 

 

一つのコードを弾くとき、ギターはいろんな押さえ方ができる。さらに、チューニングを変えると、押さえ方も変わる。押さえ方が変わると、音色も変わる。

 

或るコードを、どんなチューニングで、どんな押さえ方で、どんな音色で響かせるのか、その選択は、ギタリストのセンスで決まる。キースは、めちゃくちゃセンスがいいと思う。

 

演奏のセンスという曖昧模糊とした奴は、真似をしようとしてもダサくなるだけだから、手本に倣いながらも、我がままに磨くしかない。