シティバンクが粛々とアジアのリテールビジネスから撤退している。今年の4月の日経新聞より。

 

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米シティ、中韓豪など13市場から撤退 消費者向け銀行

2021年4月16日

 

【ニューヨーク=宮本岳則】米金融大手シティグループは15日、消費者向け(リテール)銀行サービスの戦略を見直すと発表した。オーストラリアや中国、韓国などアジア・太平洋地域を中心に13の市場から撤退する。富裕層向け事業や法人向け業務など成長分野に経営資源を振り向け、収益力の改善を目指す。

アジア・太平洋地域では中韓豪のほか、インドやインドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムの消費者向け市場からも撤退する。アジア以外ではロシアとバーレーン、ポーランドも撤退対象となった。法人向け業務は継続する。

 

シティは段階的に海外の消費者向け銀行業務を縮小してきた。日本事業は14年に撤退対象となり、三井住友フィナンシャルグループに売却した。

 

シティのジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)は13市場について「(ライバルと)競争する上で必要な事業規模を持ち合わせていなかった」と指摘した。今後、シンガポールと中国・香港、アラブ首長国連邦(UAE)、ロンドンを拠点とした富裕層向け金融サービスに注力する。

 

シティはかねて高コスト体質を株主から問題視されてきた。シティのマーク・メイソン最高財務責任者(CFO)によると、13市場の営業費用は33億ドル(約3630億円、2020年)だった。撤退によってコスト削減効果が見込めるという。

 

フレーザーCEOはトップ就任前に出席した1月の決算説明会で、非中核事業からの撤退を含む戦略の抜本的な見直しを実施すると話していた。同氏は15日の声明で消費者向け銀行以外のビジネスでも改革に踏み切る可能性を示唆した。

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撤退対象の13市場の状況をまとめると・・・。

 

2021年11月 韓国 =>買い手見つからず精算へ

2021年12年 フィリピン =>地元Unionbankに売却

2021年4月 マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム =>SG銀UOBに売却

2022年1月 台湾 =>SG銀DBSに売却  

 

検討中? オーストラリア、バーレーン、中国、インド、ポーランド、ロシア

 

ここシンガポールではシティは健在。富裕層向けの巨大ビルボード宣伝などしております。

これから儲けさせてくれるのは富裕層の資産運用ビジネスという判断なのでしょうが、それはそれで競争は激しい。シティが居並ぶ現地銀、DBS、UOB、OCBCに加え、GS、MS、HSBC、SCBといった外銀、Jurias Bearなどの専業とどう競争していくのかは見ものでしょう。

 

そういうビジネスからも一切手を引かれた日本は、もう全くカネにならないということなんでしょうね。。。