都議選は、民主党の勝利に終わりましたが、議席数がまた民意の微妙なバランス感覚を
表していて面白いですね。

一言で言えば、「民主党にちょっくら頑張らせてみるか。でもそこまで信頼してないよ」という
感じの結果に思えます。自民党は「麻生効果」で見放されつつありますが、政教一致の某党は
「宗教力」の地力を見せましたね。共産党はじり貧路線が続き、社民党は消滅に向けまた一歩。

民主:       54議席(現有34議席)
自民:       38議席(同48議席)
公明:       23議席(同22議席)
共産:        8議席(同13議席)
東京・生活ネット: 2議席(同4議席)
無所属:       2議席(同3議席)

全部で127議席で過半数は64議席ですが、自民+公明で61議席。3議席足りません。
一方で、民主は54議席。無所属のうち一人は確か民主系でしたから、55議席だとしても、
9議席足りません。

これが意味するところは、惨敗したはずの共産党がキャスチングボードを握ることになった、
ということです。共産党が自民党と相乗りすることはあり得ませんから、自民党からは全く
期待できませんが、かといって民主党がうまくやれるほど甘くないのが共産党です。

自民党はもう、生活ネットと無所属を何とか取り込まないといけませんが、それも厳しそう。
民主党が、うまく共産党も乗れるネタ(例えば石原都政をやり玉にあげる法案)を提供し、
「共産党と結託している」という批判を逃れるため、生活ネットや無所属をセットにする、
という形が、今後の議会の進み方になるのではないでしょうか。

上記のように、民主党が自民+公明を凌駕するには共産も乗りやすいネタが必要ですから、
これまで以上に石原慎太郎が攻め立てられる場面が増えていくことでしょう。慎太郎にとって、
今回の都議選の結果は最悪の結果だったことでしょう。

この民意のバランス感覚、非常に面白いですね。