唾液でグルコース濃度測定――「針刺し不要」に道筋 | 口腔乾燥症ドライマウス 唾液過多症(流涎) 味覚障害 嚥下障害
[唾液でグルコース濃度測定――「針刺し不要」に道筋]

(HealthDay News  2014年7月11日)


血液の代わりに唾液で体液中の糖濃度を測定するセンサーの開発を進める
米ブラウン大学(ロードアイランド州)工学・化学・医科学教授のTayhas
Palmore氏らはこのほど、人工唾液を用いてのグルコース濃度測定テストに
成功したと発表した。

米国科学財団(NSF)の資金援助で行われた研究で、「Nanophotonics」
6月号に掲載された論文。


糖尿病患者、特にインスリン治療の必要な患者は、薬剤やインスリンの量を
調整するため、日に何度も針で指を刺し、1滴の血液を採取して血糖値、
あるいはグルコース濃度を測定しなければならない。


Palmore氏らは、血液よりはるかに少量ながら、唾液中にもグルコースが
含まれることに着目。
光と金属、さらに血糖に曝露すると色を変える特殊な酵素を用いて、試料中の
糖に酵素がどのように反応するかを光干渉で読み取り、糖濃度を測定する
デバイスを開発した。

検証のため、本物の唾液に含まれる飲食物などの複雑な要素のない人工唾液で
テストを行ったところ、高い精度でグルコース濃度を検出できた。


米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長の
Joel Zonszein 氏は、「針で指を刺さなくても血糖値が測定できる方法は常に
求められてきた」とこの結果を歓迎。

ただし、唾液試料は飲食によって影響されうることから、同デバイスがヒトで
どの程度正確に機能するか検討する必要があると述べている。


Palmore氏によると、開発の次のステップは、同デバイスを持ち運び可能な
手のひらサイズにすること、本物の唾液での検証、安価な光源探しなどに
なる。

体内のインスリン濃度測定への応用も検討が進んでいる。

同氏はまた、唾液を採取する前に口内洗浄液(マウスウォッシュ)を使う
ことで、グルコースの読み取りに影響する食物や他の要素を除去できる
可能性もあるとしている。




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