味覚が育む親子の絆:子どもが作る「弁当の日」 | 口腔乾燥症ドライマウス 唾液過多症(流涎) 味覚障害 嚥下障害

[味覚が育む親子の絆:子どもが作る「弁当の日」]


TV番組「テレビ寺子屋」で、教育者の竹下和男先生が味覚を育てること、
好き嫌いをなくすことについてお話されていました。


5基本味は
  ・甘味  (糖質=炭水化物の味)
  ・うま味 (タンパク質の味)
  ・塩味  (ミネラルの味)
  ・酸味  (ビタミンCの味)(食物腐敗の味)
  ・苦味  (毒物を知らせる味)
があります。

甘味は生まれながらにわかります。
糖質=炭水化物はエネルギーの味です。
母乳の味です。

脂質(脂肪)の味も生まれながらにわかります。
母乳は、他の哺乳類の乳と比較しても脂質の割合が多く50%以上あります。
脂質は細胞膜の原料となります。
また、神経線維の軸索(胴体部分)のミエリン鞘(コート)の原料にもなり
ます。
ヒトは脳神経が多いため、脳が急成長する乳幼児期には大量の脂質が必要
です。
このため母乳には脂質が多いのです。


竹下和男先生の話では、苦味や渋味は、味覚が発達する4~5歳まではあまり
感じないそうです。
苦味や渋味をあまり感じない時期に、ちゃんと出汁をとって、出汁の効いた
料理を食べさせれば、好き嫌いをかなり減らせると言います。
このことについては、何名かの先生も同様な意見を述べられています。
竹下先生の話では、現代の大学生の70%以上が、苦味や渋味を正確に識別でき
ないと言います。
70%以上の若者が、味覚障害か味覚障害予備軍ということになります。


竹下先生の話では、味覚が発達するのは3歳頃から9歳頃だそうです。
子どもが料理に興味を持つのは、味覚が発達するのと同じく3歳頃から9歳頃
だそうです。
3歳児では味覚や料理の興味に手先の器用さがついてこないので、5歳頃が
子どもに料理を始めさせる適齢期だそうです。

もちろん、最初は食材を混ぜるだけ、料理を皿に盛るだけと部分的にやらせる
わけですが、最終的には料理全般をやってもらうことが重要だそうです。
調理の一部分だけをお手伝いだけをさせると、子どもは親に利用されていると
感じて、料理に対する興味を失ってしまうそうです。
買い物から後片づけまでやってもらうことがポイントだそうです。

そして、最終目標は「子どもが作る弁当の日」です。
この「子どもが作る弁当の日」運動は、多くの小学校・中学校に広がって
います。
宇都宮市内の小学校・中学校でも、「子どもが作る弁当の日」を導入している
学校が多数あるようです。


料理に関心を持つ、弁当は自分で作れることは、好き嫌いを減らす第2
ステップでもあります。






(横山歯科医院)